アニメーション映画『Flow』(3月14日(金)公開)の日本版本予告が解禁。あわせて、著名人コメントが到着した。
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ラトビア出身のクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督の長編2作目となる本作は、2024年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でプレミア上映を飾り、同年のアヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞、観客賞含む4冠を受賞。2025年ゴールデングローブ賞ではアニメーション映画賞を受賞したほか、アニメ界のアカデミー賞と言われるアニー賞にて長編インディペンデント作品賞、脚本賞を受賞したことも記憶に新しい。
さらに、2025年アカデミー賞(R)では長編アニメーション賞、国際長編映画賞の2部門にノミネートされ、オスカーの行方を予測するゴールド・ダービー賞ではアニメーション映画賞を受賞。全世界興行収入2,000万ドルという、宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』を除くと最も商業的に成功した独立系アカデミー賞長編アニメーション賞ノミネート作品に躍り出た。
解禁された予告編には、主人公の猫と、旅を共にする動物たちが壮大な冒険に繰り出す姿が。冒頭の猫との出会いから存在感たっぷりのカピバラ、愛嬌満点の犬、小首をかしげるヘビクイワシ(鳥)、コミカルな動きのキツネザルら、それぞれの個性あふれる動きにも注目だ。
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そして、予告編にもコメントが使用されているアニメーション映画監督の細田守、『ルックバック』を手掛けたアニメーション監督の押山清高、漫画家の藤本タツキらに加え、斎藤工(俳優/映画監督)、ジルバロディス監督が対面を熱望した小島秀夫(ゲームクリエイター)、ヒグチユウコ(画家)、監督とパネルディスカッションの経験のある『アイの歌声を聴かせて』吉浦康裕(アニメーション映画監督)、カンヌやLAで『Flow』と同時出品の『化け猫あんずちゃん』を手掛けた久野遥子(アニメーション作家・映画監督)、浅野いにお(漫画家)、監督と同世代のloundraw(イラストレーター/アニメーション監督)など、現代日本を代表するクリエイター陣からコメントが寄せられている。
コメント(順不同/敬称略)
物言わぬ動物たちが危機に瀕して奮闘するスリリングな逞しい姿に、命のきらめきと尊厳を見る。その瞳に込められた音なき言葉を、息を殺して聴け。
細田守(アニメーション映画監督)
映画は、観る人を乗せる小舟だ。
猫に化けたギンツ監督の視点で、どこか人間社会を見ているような没入感がある。
それが、愛らしい動物達の姿で描かれるから、人間は未熟でか弱く健気で、そして、大きな流れの中で色鮮やかに生かされている事に気づかされるのだ。
押山清高(アニメーション監督)
多分クリエイターなら皆
ずっとこういう作品を作りたかったと思います。
少なくとも僕は思っていました。
言葉が少なく、でもエモーショナルな物語はちゃんとあるものに憧れがありましたが
『Flow』はその100点みたいな作品でした。
見ている途中ずっとこれを作りたかったという気持ちと、猫達に早くゴハンを食べさせてあげて!と
夢中で見ていました。
藤本タツキ(漫画家)
孤独、孤立、分断、差別、飢餓、天災、我々人間界の様々な問題が、人間の居なくなった世界の、動物やあらゆる生命体のあり方がその答えをくれる。
言語や国籍を超え、全ての人類に捧げられたギンツ監督からの美しく愛らしくも鋭利なラブレター。
斎藤工(俳優/映画監督)
これがアニメとCG映画の流れ(FLOW)が辿り着く、ひとつの到達点だ。動物たちは擬人化されず、台詞もない。ところが、芸術的で、哲学的で、どこまでも社会派なのだ。ただの客寄せ動物映画と侮ってはいけない。本作は、21世紀に流され、漂流する我々人類のFlowchart(フローチャート)そのものだ。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
成猫になるまえの少し小柄な猫。彼の目に映る雄大な自然。そして天災。
美しい不思議なこの映画は勧善懲悪でもなく
共に方舟に乗って鑑賞している私をうっとりとした世界に導いてくれました。
ヒグチユウコ(画家)
美しく描き出されたポストアポカリプスな世界を旅するネコチャンたち……をひたすらカメラで追い続ける85分間。ただそれだけなのに、最後の最後まで目が離せない!
映画『Flow』は、想像により描き出された世界やキャラクターが確かにそこに存在するという根源的な楽しさに満ちた快作です。
吉浦康裕(アニメーション監督)
なんて大きい世界なんだろう。
猫の目を通せばウサギだって大きいくらいなのに、こんなに巨大で美しい世界が変貌を止めないことが恐ろしい。
崩れゆく世界で人間なんかじゃ到底辿り着けないようなところまで連れ去られる。猫はそんなつもりはないよと言うかもしれないけど。
久野遥子(アニメーション作家・映画監督)
息を呑む美麗な水の表現に畏れを抱き、やがて波のように押し寄せてくる感情に圧倒される。言葉がないからこそ伝わるものがあり、私たちはそれを掬い取らなければならない。日常の中で忘れかけていた「生命」を感じる映画です。
浅野いにお(漫画家)
私たちも、予期せぬ冒険の最中にいるのかもしれません。
正しい方角もわからず、けれど常にどこかへと向かっている。
そうしてやがて、自分が何者かを知っていきます。
これは猫の物語ですが、大いなる流れの中にいる人間として、創作者として、この作品がくれた世界を大切にしたいと思います。
loundraw(イラストレーター/アニメーション監督)
映像の美しさ、動物たちのリアルな動きの再現にはもちろん、主人公の猫や他の動物たちの鳴き声、仕草、表情だけで個性や感情がリアルに伝わってくる、その表現力に驚かされました。恐怖や物欲等を抱えた主人公達が成長する姿を言葉を一切使わず伝えられる、素晴らしい作品です。
アルトゥル(日本推しラトビア人)
都合のよい擬人化を極限まで廃し、それでいて愛らしくユーモラスに、生命みなぎる動物たちの冒険を活写する。気候危機や絶滅といった恐るべき「現実(リアル)」が迫る今、本作のように現実の動物や自然への想像力を飛躍させる、新時代のファンタジーアニメが必要だ。
ぬまがさワタリ(いきものクリエイター)
絵画のようで可愛らしい。
アニメなのに本物の動きで、手に取るように感情が分かる摩訶不思議。
観たら間違いなくもう一度体験したくなる世界への冒険だった。
なんなのだろうこのトキメキは。
言うなれば、アニメの枠からはみ出る芸術体験に、ずっと夢中という感覚かもしれない。
伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家)
『Flow』
監督:ギンツ・ジルバロディス
原題:Flow
2024/ラトビア、フランス、ベルギー/カラー/85分 映倫:G
文部科学省選定(青年/成人/家庭向き)
後援:駐日ラトビア共和国大使館
配給:ファインフィルムズ
(C)Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.
公式サイト:flow-movie.com
公式X:https://x.com/flow_movie0314
3月14日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷他にてロードショー
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