『ペルリンプスと秘密の森』(12月1日(金)公開)より、美しい“魔法の森”を捉えた本編特別映像が解禁された。
テクノロジーを駆使する太陽の王国のクラエと自然との結びつきを大切にする月の王国ブルーオの二人の秘密エージェントは、巨人によってその存在を脅かされる魔法の森に派遣されている。森を守る唯一の方法は、光という形でこの森に入り込んだ「ペルリンプス」を見つけること。敵対していた二人は共通する目的のために協力し合うことにする。しかし平和をもたらすという謎の生物「ペルリンプス」を探すうちに、物語は思いがけない結末にたどり着く。そこに隠された現代への問いかけとは?
映像は、煌めく色彩で埋め尽くされた“魔法の森”の様子を捉えたもの。まるでパッチワークを繋ぎ合わせたような不思議な森の風景は、パウル・クレーの水彩画の中に入り込んでしまったような錯覚を覚える本作の重要なシーンのひとつだが、監督自身も「色彩のパレットは、この映画にとって重要な言語」と考えていたと言う。
そして、ペルリンプスが光として森に入り込んだというアイデアを表現するために、様々な色のスペクトルで映画を溢れさせた。「アクリル絵の具で何度も下地を作り、更に、色彩を決めるために、まず紙の上で、次にコンピュータ上で実験を行い、テクニックやツールを駆使しながら、それぞれの瞬間に最も意味のある組み合わせを最終的に決めていきました。時には手描きのインクの染みを使っています」と語っている。
さらに、「伝統的な2Dのアニメーションで、3コマ打ちにするか2コマ打ちにするかはシーンによって使い分けましたし、一部3Dも使いましたが、レンダリング(処理)で2Dにしています」とアナログとデジタルを駆使する膨大なプロセスから生まれた美しい映像の秘密を明かしている。
陽気で軽やかな音楽を担当したのはアンドレ・ホソイ。彼が率いるパーカッショングループBarbatuques(バルバトゥッキス)は監督と書き下ろした主題歌「Daqui pra la, de la pra ca (pra Nana) 」(From here to there, from there to here (for Nana))を担当。中国、ベネズエラ、コロンビアの楽器を使い、多様な音色で音でもカラフルで異なる要素が融合した強さを表現。カエターノ・ヴェローゾやジルベルト・ジルと並ぶムジカ・ポプラール・ブラジレイラの代表的ソングライター、ミルトン・ナシメントの「Bola de Meia, Bola de Gude」のインストルメント曲も映画の中核をなし心地よい没入感へと観客を誘う。
本作でメガホンを取ったアレ・アブレウ監督は、一人の少年の目を通して描く南米大陸の歴史と冒険の物語である映画『父を探して』で、2014年アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタルアワード(最高賞)&観客賞をW受賞、2016に新設されたアニー賞長編インディペンデント作品賞(のちに『ウルフウォーカー』や『未来のミライ』が受賞)を受賞したほか、2016年アカデミー賞長編アニメーション賞に南米の長編アニメ作品として初ノミネート。彗星のごとく現れた新たな才能に世界が驚いた気鋭のブラジル人監督だ。
前作はダイアローグのない作品だったが本作では主人公が2人になったことで対話が生まれ、セリフが生まれた。異なる者同士が同じ目的のために違いを超えて手を組むとき、個人の才能を超えた大きな力が生まれ、仲間がいることへの安心感や幸せは、より良い未来のための一歩を踏み出すエネルギーとなっていく。そしてアマゾンの保全が大きな課題であり責任でもあると感じているブラジル人監督の目には、やりきれない現実が映っているが、同時に「子どもの澄んだ目で見つめると光のような希望が見えてくる」と、本作について語っている。
作品タイトル:『ペルリンプスと秘密の森』
脚本・編集・監督:アレ・アブレウ(『父を探して』)
音楽:アンドレ・ホソイ/オ・グリーヴォ
2022年 ブラジル/原題:Perlimps/スコープサイズ/80分/日本語字幕 星加久実
後援:在日ブラジル大使館
配給:チャイルド・フィルム/ニューディア―
公式サイト:https://child-film.com/perlimps
公式X:https://twitter.com/ND_distribution
コピーライト:(C) Buriti Filmes, 2022
12/1(金) YEBISU GARDEN CINEMAほかロードショー
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