「双嬌伝(そうきょうでん)」さまざまな愛の沼に溺れたい!ライター座談会でドラマの見どころ&偏愛を語る!

アーリフ・リー×モン・ズーイー×リー・イートン×ワン・ジュオチョン共演「双嬌伝(そうきょうでん)~運命の姉妹と2人の皇子~」DVDが好評リリース中だ。

運命の糸で結ばれた4人の男女が愛と絆を武器に宮廷の陰謀に立ち向かう予測不能なエキサイティング・ラブ史劇。王座を得る鍵となる美しき姉妹と義兄弟の皇子が繰り広げる波乱万丈のロマンス絵巻が描かれる。
猫眼(Maoyan)の熱度ランキングで全Webドラマ最高1位、Tencentのユーザー平均評点で8.5、中国のテレビ情報サイト電視猫(TVmao)で9.0という各ランキングで高評価を総なめにした話題作だ。

このたび、理性的な姉と自由奔放な妹、対照的な2人の姉妹のそれぞれのロマンスにときめき、愛のために戦い、暴走する男女の物語に魅せられた3人のライターが、ドラマの見どころと偏愛を語る座談会レポートが到着した。

めくるめくロマンスはもちろんですが、本作は女性たちに魅せられるドラマです
――まず率直にドラマを見て、どんな印象でしたか?

小酒:序盤から物語に勢いがありますよね。怒涛の展開で、うっかりすると乗り遅れてしまうかもしれませんが、主人公4人のキャラが立っていて、すべてが愛おしくなります。

青木:この作品は、女性が物語を動かしていますよね、トップは運命の姉妹、策を練る頭脳担当の姉・玉盞(ぎょくさん)と、行動力担当の妹・金盞(きんさん)。加えて、悪事を企むのは現・皇帝の妹の長公主。その企みを遂行する侍女の月瑩(げつえい)……と、善も悪も中心は女性たち。なかでもヒロイン姉妹はキャラとルックスもぴったりで、抜群に輝いていて目を引くんですよ。姉妹の仲がいいのも爽やかで好きです。

小酒:物語冒頭、アーリフ・リー演じる皇帝の養子・薛栄(せつえい)が、政略結婚相手の玉盞の命を密かに狙っている。このピンチを彼女はどう切り抜けるのかなと思っていたら、彼女は自ら策を考えて、彼と取引をする。あやふやにするわけでも、なにか犠牲を払うわけでもなく、男女対等な関係で立ち回るところが、今どきの中国時代劇らしさを感じました。

アーリフ・リー&モン・ズーイー

杉本:玉盞がその頭脳で問題を解決したり、敵と対峙する姿はかっこよかったですね。破天荒かつ愛らしいヒロイン好きの私としては、ちょっと無鉄砲すぎるのは玉に瑕だけれど、素直な妹・金盞が好き。だから、妹カップルのロマンスもたっぷり味わえるところが気に入ってます。姉カップルの恋愛下手ぶりにはじりじりしちゃって……だって頑ななんだもん。

小酒:玉盞は理性的すぎるんですよね。頭で考えてしまっている。「考えるな感じろ!」って思いながら見ていました(笑)。

青木:ラブラインがこれほど多い作品もめずらしい。主人公2組はもちろん、金盞にずっと片想い中の皇族・懐瑾(かいきん)、その懐瑾を慕う侍女、玉盞に恋慕するエリート官僚に、その彼に一目惚れのお姫様……一方通行の愛がそこここにあって、愛も嫉妬も全部楽しめました。後半の報われない愛の結末には涙がでたほどです。

杉本:愛のために悪事を企む、愛ゆえに憎む……報われない愛の暴走に気圧されて、「愛ってしんどい」って思っちゃいます。だからこそドラマチックなんですが(苦笑)。

苦悩が似合うアーリフ・リーか、笑顔がまぶしいワン・ジュオチョンか悩ましいイケメン対決!
――ヒロイン姉妹と恋する男性陣はどうですか?

青木:アーリフ・リー、彼は本当に皇帝役が似合う人ですよね。画面から“皇帝”らしさがあふれでている。この手の役柄って華のない人が演じると作品がしょぼく感じたりするものなのですが、彼に限っていえばそれはない。つくづく“もってる人”なんだと思います。ただ、いつも役柄がかわいそうですよね。「白華の姫~失われた記憶と3つの愛~」にしても、愛に苦しむ役ばかり演じている印象で……。

小酒:私は、ヒーローが普通に幸せになる姿よりも、葛藤だったり苦悩だったりを見てしめしめと思うタイプなので、この作品の展開も大満足です。極端なことをいってしまえば、「ただでさえ恵まれているアーリフは、簡単に幸せになってはいけない」(笑)。苦しむからこそ、視聴者の同情もひける!

杉本:苦悩萌え、わかります! でも正直言うと、「薛栄仕事して~」って思っていました。すぐ城を抜け出すし、嫉妬爆発だし、騙されるし、おかしいな、最初はデキる男だったのに……。

小酒:そこがいいんですよ?。薛栄はすごく優等生ですよね。だけど、気を許した相手には子どもっぽいところがでる。まさにギャップ萌えですよ。一見真面目で、恋より仕事、愛より国って感じなのに、公務をほっぽって彼女に気に入られるために琴の猛練習をしたりする。母性本能くすぐられるじゃないですか。

リー・イートン&ワン・ジュオチョン

――では、推しメンを選ぶなら、薛栄ですか?江紹(こうしょう)ですか?

青木:それはやっぱり江紹です。素直にいい男だと思います。皇帝の座なんて興味もなく、恋に一途な普通の男ぶりが素直に楽しめました。演じているのは「陳情令」でも注目されたワン・ジュオチョンですが、彼はこの先、出演作が続くのだろうなと思いますね。

小酒:「陳情令」の堅物キャラクターからは一変、飄々とした役がよく似合っています。本人も爽やかな印象ですし、愛されキャラはぴったりの役だったと思いますよ。ただ私は圧倒的にアーリフ推しですけれども。

杉本:キャラとしては江紹一択ですね。彼、最初から最後までぶれないですもん!笑顔はかわいいし。ただ、江紹が光るのもめんどくさい薛栄がいるからなんですよね。

青木:私のお気に入りのシーンで、恋に苦しむ薛栄が竹林で酔っ払うシーンがあるのですが、普通ならあんな酔う姿は見せるはずのない男が、江紹の前では素直さをさらけ出せる。彼にとって江紹がそういう相手なんだと思うと、きゅんとなります。男の友情っていいですよね。

小酒:どう考えても薛栄って江紹以外に友だちがいないと思うんです。養子だし、孤独じゃないですか。だからね、寂しいアーリフの友だちになってくれてありがとうって思っちゃう。薛栄には江紹が必要なんですよね。

杉本:玉盞と江紹あっての皇帝・薛栄なんですね。

【青木久美子】
アジアンエンタメライター。情報誌を中心にアジアエンタメの楽しさを発信。今の注目は民国時代を描く作品とサスペンス。

【小酒真由子】
フリーライター。アジアから欧米までドラマについて執筆中。秀作の多い現代モノの中国ドラマも、もっと市民権を得てほしいと願う今日この頃。

【杉本真理】
ライター・編集者。韓国ドラマにどっぷりの日々。中国ドラマはまだまだ勉強中だが、強くて愛らしいヒロインに痺れる日々。

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