「ベルイマン生誕100年映画祭」イングマール・ベルイマン監督、厳選の傑作13本をデジタル・リマスター版で公開！

2018.3.28

「20世紀最大の巨匠」、「映像の魔術師」、「北欧映画界の至宝」等々、最大限の賛辞をもって称される、映画史における伝説的巨匠イングマール・ベルイマン監督の特集上映「ベルイマン生誕100年映画祭」を、7月よりYEBISU GARDEN CINEMAを皮切りに全国で開催する運びとなった。
2018年は、1918年7月14日、スウェーデンで生まれたベルイマンの生誕100周年となる記念すべき年となり、全世界で彼の偉大な足跡を再評価するレトロスペクティヴが開催される模様だ。折しも、日本とスウェーデンの国交150周年というアニバーサリーも重なった日本では、ベルイマンの50本以上にわたるフィルモグラフィーの中から、13本の傑作をセレクト、全作品、最新技術によって修復したデジタル・リマスター版にて公開される。

今回上映されるのは、ゴダールが「もっとも美しい映画」と絶賛した『夏の遊び』(51)や、タルコフスキーがオールタイムベストに挙げた『野いちご』(57)、奇術の旅芸人の一座を描いた初期キャリアにおける到達点『魔術師』(58)など初期の傑作群、そして牧師の家庭に生まれたベルイマンにとって、生涯にわたって追及すべき重要なテーマであった宗教と神の問題に真正面から取り組んだ、<神の沈黙>三部作『鏡の中にある如く』(61)、『冬の光』(63)、『沈黙』(63)も一挙に出そろった。

さらに、ベルイマンと生涯にわたるパートナーとして公私にわたってサポートし続けたリヴ・ウルマンとの初タッグ作『仮面/ペルソナ』(66)や、初めて日本で公開されたベルイマンのカラー作品『叫びとささやき』(78)、そして、スウェーデン映画史上最大ともいうべき製作費が投じられ、第56回アカデミー賞4部門受賞ほか各国の映画賞を総なめにしたベルイマンの集大成的超大作『ファニーとアレクサンデル』(82)も、全5章、5時間11分のオリジナル全長版で公開される。

今回の映画祭では、5年前に開催され、クラシック映画のリバイバルとしては異例の大ヒットを記録した「ベルイマン三大傑作選」、続く「ベルイマンの黄金期」で公開された7作品に加え、近年日本での上映の機会の少なかった6作品が新たに加わったこととなる。
戦後まもなくデビューし、2007年89歳でなくなるまで、60年以上にわたる旺盛なキャリアにおける各時代の代表作が集まり、ベルイマンの残した偉大な業績を展望できる貴重な機会といえる。

イングマール・ベルイマン（1918-2007）
スウェーデン・ウプサラ生まれ。1946年『危機』で映画監督デビュー。1952年『不良少女モニカ』がヌーヴェル・ヴァーグの作家たちに激賞され、1955年『夏の夜は三たび微笑む』がカンヌ国際映画祭詩的ユーモア賞を受賞。続く『第七の封印』（56）、『野いちご』(57)、『処女の泉』(59)が各国の映画賞を受賞し、世界的名声を確立した。代表作に『仮面/ペルソナ』(66)、『叫びとささやき』(73)、『ファニーとアレクサンデル』(82)等。映画監督と同時に演劇人としても名を馳せ、三島由紀夫の戯曲「サド侯爵夫人」等を演出。2007年フォール島の自宅にて89歳で死去。生涯に手がけた映画作品は50本以上にのぼった。