映画『氷上の王、ジョン・カリー』公開記念 伊藤聡美衣装展“The Art of Costume Design”5月31日(金)より開催!

氷上の王、ジョン・カリー

アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領にまで昇華させた伝説の五輪フィギュアスケート金メダリスト、ジョン・カリーを追った映画『氷上の王、ジョン・カリー』が、いよいよ今週末5月31日(金)より新宿ピカデリー、東劇、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開となる。

本作の公開を記念して、これまで羽生結弦選手ほか国内のトップスケーターの衣装を手がけてきたデザイナーの伊藤聡美さんによる衣装展“The Art of Costume Design”が開催される。

ジョン・カリーは、衣装についてパフォーマンスにおける重大な一要素として考えており、自らの衣装を手掛けていた。伊藤さんは、ジョン・カリーの衣装について「現在のスケート界にも多大なる影響を与え続けていると感じます」と述べている。

この展覧会では、伊藤さんが手がけた、宮田大地さん・木原万莉子さん・岩元こころさん元選手が実際に競技で着用した計3点の貴重な衣装が展示される。

目次

映画『氷上の王、ジョン・カリー』公開記念企画
伊藤聡美 衣装展“The Art of Costume Design”

開催期間:2019年5月31日(金)~
場所:アップリンク吉祥寺 ギャラリースペース
(東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目5-1 パルコ地下2階)
入場料:無料

伊藤聡美さんより

氷上の王、ジョン・カリー

フィギュアスケートはスポーツでありながら表現力も求められる「アートスポーツ」です。衣装は採点上考慮されませんが、プログラムの世界観を作り上げ、視覚的な表現の役割を担っております。ジョン・カリーも自身で衣装をデザインし、よりアート性の高いプログラムを追求していました。「青き美しきドナウ」ではブルーのストレッチベロアにシルバーの切り替えを入れて「月に照らされたドナウ川」を衣装で表現しています。「Moonskate」では暗闇の中にぼんやりと真っ白な衣装が照らされ、彼の美しさと苦痛を同時に引き出している衣装に見えました。ジョン・カリーは衣装も芸術の一部として捉え、現在のスケート界にも多大なる影響を与え続けていると感じます。

私自身が選手ではないからこそ、選手が「この音楽(プログラム)で何を表現したいのか」考察をしてから、物語を衣装に落とし込み、ジャッジや観客に選手の想いと世界観が伝わるように心がけています。衣装のデザイン面はもちろんですが、スポーツである以上機能性も考慮しなくてはなりません。近年、高難度のジャンプに挑戦する傾向が多く見られるため、より伸縮性の高い素材を使い、出来るだけ軽く仕上げていきます。
今回の展示衣装は、実際に選手が競技で着用していた衣装です。衣装の芸術的な面と機能的な面、何より選手の想いが伝わる展示となっております。
ジョン・カリーの追求していた芸術が、現代にも受け継がれているのをこの展示を通して感じて頂けたら幸いです。

【展示衣装】

岩元こころ「マラゲーニャ」(2016-17)
黒を基調としたドレスと赤いバラの髪飾りで妖艶な雰囲気を持たせた衣装。
装飾は竹ビーズの刺繍をふんだんに使い力強さを表現している。
飾りは落ちたら減点になるため、特に刺繍は神経を使い衣装に縫い付けていく。

木原万莉子「幻想曲さくらさくら」(2015-17)
編曲に合わせて和洋折衷をイメージ。さくら吹雪が舞う光景を装飾で表現している。
スカートも桜の花びらをイメージして花型になっているので、スピン(回転)をした時に目を引き、印象に残る衣装。

宮田大地「グラディエーター」(2018-19)
グラディエーターの主人公は雄々しく大地に還る。この衣装を着て引退すると告げられていたので、ご本人の名前「大地」をコンセプトに製作。
今までの戦いの跡や砕けた鎧のパーツ、大地から新しい樹が生え、新しい旅立ちを物語る衣装。

【プロフィール】
伊藤聡美(いとう・さとみ)
服飾専門学校のエスモードジャポンに入学。08年神戸ファッションコンテストで特選を受賞し、英ノッティンガム芸術大学へ留学。帰国後、衣装会社でフィギュアスケートの衣装に携わるようになり、2015年に独立。オリンピックメダリストの羽生結弦選手を始め、国内のトップスケーターの衣装を手掛ける。
公式サイト:https://cargocollective.com/stmito


アイススケートを「スポーツ」から「芸術」へと昇華させた、
伝説の五輪フィギュアスケート金メダリスト、その知られざる光と影。

アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター、ジョン・カリー。
彼はバレエのメソッドを取り入れた演技で、1976年インスブルック冬季五輪フィギュアスケート男子シングルの金メダルを獲得する。
しかし、マスコミが真っ先に伝えたのは、表に出るはずのなかった彼のセクシュアリティだった。
同性愛が公的にも差別されていた時代に、ゲイであることが公表されたメダリストの存在は、世界中を驚かせ論争を巻き起こす。
しかし、彼は華麗な滑りで多くの人を魅了し続け、現在の日本人スケーターにも影響を与えている。

映画はアスリートとしてのカリーだけでなく、栄光の裏にあった深い孤独、自ら立ち上げたカンパニーでの新たな挑戦、そして彼を蝕んでゆく病魔AIDSとの闘いを、貴重なパフォーマンス映像と、本人、家族や友人、スケート関係者へのインタビューで明らかにしていく。
新たに発掘された、ホームビデオで撮影された彼の最高傑作『ムーンスケート』について監督のジェイムス・エルスキンは「どんなスケートより美しく心を打たれた。
これをみて感動を覚えない人はいないだろう」と語っている。
これは、時代に翻弄され不当な扱いを受けながらも、屈することなく高みを目指し、人を遠ざけながらも愛に飢え、滑り、踊り続けた男の物語。

作品タイトル:『氷上の王、ジョン・カリー』
出演:ジョン・カリー、ディック・バトン、ロビン・カズンズ、ジョニー・ウィアー、イアン・ロレッロ
ナレーション:フレディ・フォックス(『パレードへようこそ』『キング・アーサー』)
監督:ジェイムス・エルスキン(『パンターニ/海賊と呼ばれたサイクリスト』)
(2018年/イギリス/89分/英語/DCP/16:9/原題:The Ice King)
字幕翻訳:牧野琴子
字幕監修・学術協力:町田樹
配給・宣伝:アップリンク

公式サイト:http://www.uplink.co.jp/iceking/
公式twitter:https://twitter.com/theicekingjp
公式facebook:https://www.facebook.com/TheIceKingJP/
コピーライト:(c) New Black Films Skating Limited 2018 / (c) 2018 Dogwoof 2018

2019年5月31日(金)、新宿ピカデリー、東劇、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

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