特集上映イベント「サム・フリークス Vol.6」10月20日(日)開催!貴重な文芸フェミニスト映画の傑作を2本立てで上映

サム・フリークス2018年秋からスタートした「はみ出し者映画」の特集上映イベント「サム・フリークス」の第6回が10月20日(日)に渋谷ユーロライブにて開催される。

今回はオーストラリアの映画界における女性活躍の道を切り開いた記念碑的な作品『わが青春の輝き』の本国公開40周年を記念して、文芸フェミニスト映画の傑作を2本立てで上映。

1本目はイーディス・ネズビットの『鉄道きょうだい』を映像化した児童映画クラシック『若草の祈り』、2本目は文芸映画版『マッドマックス 怒りのデス・ロード』というべき大傑作『わが青春の輝き』。どちらもこの機会を逃すとなかなか劇場では観ることができないであろう貴重な作品となっている。

また、このイベントは有料入場者1名につき250円が虐待を受けたり貧困下にある子供達への学習支援&自立支援として役立てられる。

目次

特集上映:サム・フリークス Vol.6

日時:10/20(日)13:20~
会場:ユーロライブ(渋谷)

タイムテーブル
12:50~当日券販売開始
13:05~開場
13:20~『若草の祈り』上映
15:09~休憩
15:25~『わが青春の輝き』上映(17:05上映終了予定)

前売り券:1414円(※Peatixにて販売中)
チケット販売サイト:http://peatix.com/event/622720
当日券料金:2本立て1500円

※入れ替えなし・整理番号制
※全席自由席

主催:岡俊彦
公式サイト:http://pikao.hatenablog.com

本イベントはすべての子供達が社会から孤立することなく暮らしていけるようになることを目的とした学習支援や自立支援の為に、有料入場者1名につき250円が認定NPO法人3keysへ寄付され、後日「マフスのはてな」(http://pikao.hatenablog.com/)において寄付の実施が報告される。

『若草の祈り(原題:The Railway Children)』

Blu-ray上映(日本語字幕付き)

1971年 英国アカデミー賞 助演男優賞、作曲賞、新人賞ノミネート

出演:ジェニー・アガター(『美しき冒険旅行』)、サリー・トムセット(『わらの犬』)、イアン・カスバートソン
(1970年/109分/監督:ライオネル・ジェフリーズ)


『わが青春の輝き(原題:My Brilliant Career)』

Blu-ray上映(日本語字幕付き)

1979年 オーストラリア・アカデミー賞 作品賞、監督賞、脚色賞、美術賞、衣裳デザイン賞、撮影賞 受賞
1979年 カンヌ国際映画祭 パルム・ドール ノミネート
1981年 ゴールデングローブ賞 外国映画賞 ノミネート
1981年 アカデミー賞 衣装デザイン賞 ノミネート

出演:ジュディ・デイヴィス(『インドへの道』)、サム・ニール(『ジュラシック・パーク』)
(1979年/100分/監督:ジリアン・アームストロング)

上映作品コラム

いまから遡ること115年ー1904年に「『女性らしさ』はこの世で最も野蛮な言葉だと思います」と自著の中で綴ったのが『若草の祈り』著者のイーディス・ネズビット。そしてそこからさらに遡ること3年ー1901年に自伝的小説『わが青春の輝き』を発表したのが当時21歳のマイルズ・フランクリンだった。

10月20日「文芸フェミニスト映画2本立て」として上映される1作目は『The Railway Children』を原題とする『若草の祈り』。Mr. Childrenが道玄坂のロイヤルホストでバンド名を決める際、この作品タイトルが参考のひとつになったそうだが、同作を一言で表すとしたらまさに「innocent world」だろう。いつも希望や尊厳を失わず、善良な心で生きること。辛いときには声をあげ、惨めさを押し付けられずに能力を発揮すること。そんな基本的な姿勢を全うするために、可憐に咲く花も怒りも、走り去る列車も、スカートの下に履くペチコートだって、自分や周囲の人を守るアイテムにしてみせる主人公家族の、タフで淀みない努力に心がゆれる。

2本目に上映されるのは『わが青春の輝き』。オーストラリア映画としては当時、46年ぶりの女性監督による長編作品だった。作中、主人公のシビラは「ピアニストになりたい」と願っただけで「自信過剰」と言われ、泣いていたなら「もっと女らしさを身につけないと」と告げられる。しかし彼女はピンクとブルーのドレスを提案されたあとでも、好きな色は「レモン色」と答えることで、颯爽と檻から抜け出そうとした。「ねえ、人生ってもっと素敵なはずでしょう?」「新しい服やピクニックぐらいじゃ私の心は誤魔化せない」。上映を企画した岡俊彦さんが同作を「文芸映画版『マッドマックス 怒りのデス・ロード』」と例えていることにに頷きつつ、鑑賞後には浜崎あゆみ“Boys & Girls”が脳内で自動再生された。〈輝きだした 私達なら / いつか明日をつかむだろう / はばたきだした 彼女達なら / 光る明日を見つけるだろう〉。まだ何も手にする前のシビラが「my career」に自ら「brilliant」と書き加えたように、現代を生きる私たちも、ありとあらゆる「デス・ロード」に早くラインストーンやラメを。

(「肌蹴る光線 ーあたらしい映画ー」井戸沼紀美)

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