綾辻行人「十角館の殺人」が実写映像化!Huluにて2024年3月独占配信決定!コメント&特報映像解禁

十角館の殺人
(c)綾辻行人/講談社 (c)NTV

綾辻行人の傑作ミステリー小説を実写映像化した「十角館の殺人」が2024年3月22日(金)よりHuluで独占配信されることが決定。ティザービジュアルと超特報映像が解禁された。

ミステリー文学の発展に寄与した作家や評論家に贈られる「日本ミステリー文学大賞」を2019年に受賞、1992年には「日本推理作家協会賞」を受賞した日本を代表するミステリー作家・綾辻行人。全世界シリーズ累計670万部の大ベストセラー「館」シリーズは、1987年のデビューから今もなお書き続けられている代表作で、「十角館の殺人」から「奇面館の殺人」まで9つの長編推理小説からなる壮大なストーリーで綴られ、現在はシリーズ10作目となる「双子館の殺人」が連載中。今回実写映像化が決まったのは、そんな「館」シリーズの記念すべき第1作目にして、綾辻行人史上最高傑作の呼び声高い作家デビュー作「十角館の殺人」(講談社文庫)だ。

緻密かつ巧妙な叙述トリックで読者をその世界に引き込みながらも、たった1行で事件の真相を描くという大胆な手法でミステリー界に衝撃を与えた名著「十角館の殺人」。その特異性から、長年映像化は不可能と言われ続けてきた。そして、今なお色あせることのない本作の功績が讃えられ、2023年10月に発表されたタイム誌が選ぶ【史上最高のミステリー&スリラー本】オールタイム・ベスト100に選出され、ドストエフスキー「罪と罰」、アーサー・コナン・ドイル「バスカヴィル家の犬」、スティーヴン・キング「シャイニング」、トマス・ハリス「羊たちの沈黙」など世界の名だたる作家そして名著と肩を並べる快挙を成し遂げた。

物語の舞台は1986年、十角形の奇妙な外観を持つ館“十角館”が存在する角島(つのじま)。この館を建てた天才建築家・中村青司は、焼け落ちた本館・青屋敷で謎の死を遂げていた。半年後、無人島と化していた角島に、大学ミステリ研究会の男女7人が合宿で訪れる。その頃、海を隔てた本土では、かつてミス研メンバーだった江南孝明のもとに【死んだはずの中村青司】から1通の手紙が届く。<十角館に滞在するミス研メンバー>と<死者からの手紙>。「偶然とは思えない」―。江南は調査を進めるなか、島田潔という男と出会い、行動を共にしていく。一方“十角館”では、ミス研の1人が何者かに殺害される。「犯人は一体誰だ?」疑心暗鬼に陥り、互いに仲間を疑いはじめるメンバーたち…孤島である角島から出ることができるのは、1週間後。2つの物語から起こる【想像を超えた衝撃の結末】とは。

映像化不可能と叫ばれ続けた「十角館の殺人」の映像化に挑むべく、日本が誇る精鋭制作陣が集結。監督は、映画『ラストサムライ』(03)や『SAYURI』(05)に参加しハリウッドで演出を学び、TVドラマ「天使が消えていく」(10)は日本映画テレビ技術協会「映像技術賞(照明)」、「映像技術奨励賞(音声)」を受賞、代表作にWOWOW連続ドラマW「石の繭」(15)、「孤高のメス」(19)、「邪神の天秤」(22)をはじめ、「シグナル」、「安楽椅子探偵、登場」、「相棒」など、ハリウッド仕込みの映像演出で緊張感のある作風を得意とする内片輝。以前から親交のあった綾辻行人へ、「十角館の殺人」の映像化を打診したという内片監督は、20年間夢見たという映像化プロジェクトの実現をついに果たした。

脚本は、1999年にドラマスペシャル「教習所物語」で脚本家デビュー。「半沢直樹」(14)で、「東京ドラマアウォード2014連続ドラマグランプリ」を受賞し、「家政夫のミタゾノ」(16)、など、大胆な構成力とエンターテインメント性をベースにした重厚な人間ドラマだけでなく、笑って、泣ける人情ドラマを手掛けてきた八津弘幸が手掛ける。

今回解禁となったティザービジュアルは、天才建築家・中村青司が設計した正十角形の間取りが特徴的な館で、原作本にも登場する「十角館の平面図」をメインに据えたビジュアルとなっている。

超特報映像には、映像化不可能と言われ続けた本作に対する綾辻行人の「どうやって実写化するの?できるの?」というコメントが添えられ、死んだはずの中村青司からの「お前たちが殺した千織は、私の娘だった」という謎に満ちた手紙、原作のイメージそのままに実写としてその姿を現す十角館の館内、そして角島にやってきたミス研メンバーの姿が映し出されており、ラストに待ち受ける“あの1行”の衝撃を、どう映像化するのか、期待が高まる仕上がりとなっている。

目次

コメント(敬称略)

●原作:綾辻行人
・内片輝監督から「十角館の殺人」を実写化したいと言われた時の感想
どうやって実写化するの? できるの? という疑念を、やはりまず抱かざるをえませんでした。ただ、内片監督はかつて、非常にマニアックかつアクロバティックな犯人当てドラマ「安楽椅子探偵」シリーズ(有栖川有栖さんと綾辻の共同原作による深夜枠のTVドラマ)を計7作、撮ってくれた人です。その内片さんが「やりたい」と云うのだから、何か彼なりの(実写化のための)アイディアがあるのだろうな、とは思いました。

・1987年9月から36年の時を経て、今この時代に映像化されることについての感想。現在も「館」シリーズを書き続けている綾辻行人さんにとって、デビュー作でもある「十角館の殺人」の存在について
「映像化不可能」と云われつづけてきた小説です。アニメならまだしも、実写ではとうてい無理だろう、と僕自身も考えていたので、今になって本気でそれにチャレンジしようという企画が成立してしまったのは驚きでした。
36年前のデビュー作が時代・世代を超えて今なお多くの人に読まれつづけている、というのは本当に幸せなことです。そんな未来など微塵も想像せずに書いた『十角館』でしたが、ここまで来ると「偉いねえ、きみ」と讃えてあげたい気分です。

・先日発表された、タイム誌が選ぶ【史上最高のミステリー&スリラー本】オールタイム・ベスト100に「十角館の殺人」が選出された際のお気持ち
ひたすら嬉しく、夢のように感じました。『十角館』よりも優れた本邦のミステリーはいくらでもあるので、何だか申しわけないような気も。ただ、この作品が結果として、当時の日本のミステリーシーンに画期的な変化をもたらすきっかけになったことは確かなので、選出にあたってはおそらく、そういった歴史的な位置づけも相応に勘案されたのだろうと想像します。

・実写化を楽しみにしているファンの皆さまへのメッセージ
原作をすでに読んでおられる人にとっては、気になるのはやはり、「映像化不可能」であるはずのメインの仕掛けをどうやって「可能」にしているか、という点でしょうから、まずはその興味でご覧ください。ですが、その試みが成功しているか否かについては、原作を読まずに観た人の感想を伺うしかないわけです。そのあたり、なかなか向き合い方がむずかしい作品かもしれませんね。ともあれ、内片監督渾身の作であることは間違いないはずです。どんな仕上がりになるのか、僕も大いに楽しみにしています。

書影「十角館の殺人」
(c)綾辻行人/講談社

●監督:内片輝
・原作に出会ったきっかけと、読まれた時の印象、そして映像化したいという思いに至った原点について
長いお付き合いの綾辻さんの代表作『十角館の殺人』。いつかは自分の手で、と思い続けていました。
とはいえ簡単に映像化できる作品ではありません。自分自身の演出家としての成長が必要不可欠。結果、20年間もの月日が必要でした……。感慨深いです。

・映像化不可能と言われてきた「十角館の殺人」ですが、実写化に向けて意識したことについて
「“あの1行”」に至るまでをいかにして映像で伝えるか、の部分。

・実写化について、綾辻先生とはどのような話をされたか。また、印象に残っていることについて
「傑作にしてください」の言葉がズシリと。

・実写化を楽しみにしているファンの皆さまへのメッセージ
鳥肌が立ちます。一気に観たくなります。必ず2回目も観たくなります。楽しみにしていてください!

●脚本:八津弘幸
・原作「十角館の殺人」を最初に読まれた時の感想
さすが本格ミステリーの代名詞とも言える作品で、それぞれのキャラクターの心理描写にすっかり引き込まれました。もちろん最後の展開にも驚かされましたが、それ以上に、この作品には綾辻先生の本格ミステリーに対する愛情が至る所に感じられ、それがじつはこの作品の一番の魅力であり、多くのミステリファンに長く愛される理由なのだと思いました。

・連続ドラマにするにあたり、脚本上で意識したことについて
島と本土という2つの舞台、十角館で起きているリアルタイムの事件と、過去の青屋敷の事件、この二つの要素を、できるだけスムーズな流れで見られるように、構成や、登場人物の感情を精査しました。特に江南と島田は、キャラクター、役割をより明確化して、このドラマを牽引する推進力となるように、原作をより膨らませました。

・実写化を楽しみにしているファンの皆さまへのメッセージ
この作品の映像化がいかに難しいかはファンの皆さんが誰よりもわかっていることと思います。そのチャレンジがうまくいったかどうか、ぜひ皆さんの目で確かめて頂きたいのと同時に、それ以外にも、クセのある登場人物たちや、十角館の異様なビジュアルなど、本格ミステリーならではのこの作品の魅力を存分に味わって頂けたらと思います。

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