現在オンエア中の連続ドラマ「同期のサクラ」(NTV)など、様々なドラマや映画で独特な存在感を発揮してきた橋本愛が、WOWOWにて2020年3月から放送される「連続ドラマW パレートの誤算 〜ケースワーカー殺人事件」で主演を務めることが決定した。橋本は、WOWOWの連続ドラマW初主演となる。
橋本演じる主人公・牧野聡美は、市役所の新人嘱託職員として、本来の希望ではない福祉課で働いていたが、信頼していたベテランケースワーカー・山川が、あるアパートで焼死体で発見されたことから、福祉や市政、医療を取り巻く町の闇に巻き込まれていく。
原作者の柚月裕子は、映画化され第42回日本アカデミー賞で最多12部門で賞を受けた『孤狼の血』で脚光を浴び、今、最も期待されている作家のひとり。本作も、現代日本を蝕む病巣を容赦なく剥き出しにする一方で、市井の人々への温かなまなざしも忘れていない傑作だ。
1人のケースワーカーの死は何を意味し、何を残すのか。誰がこの町の未来を本当に輝かせるのか。橋本演じる聡美が出会っていく、善と悪、職務への責任感と個人の感情の狭間で揺れ動きながらも人生の意義と町の未来を模索していく様々な登場人物たちの姿は、爽やかでもあり、たくましくもあり、醜くも切なくもある。後日追加で発表される個性豊かな共演陣にも注目だ。
橋本愛さん(牧野聡美役) コメント
①WOWOW連続ドラマW初主演についての意気込み
主演という立場だからこそできること、やらなければいけないこと、だからと言って気負わない方がいいこと、その全てに向き合って、作品をより良いものにすることに集中したいと思います。
②脚本を読まれた際の感想
まだ⼀度目を通しただけですが、運命的なものを感じました。作品内に出てくる、働き蟻の法則及びパレートの法則についての文章を読んだ時です。私は⾼校生くらいのときに、自分の目で⼈や社会を見つめて、ある法則を見つけました。それを自分の中で、「2:8の法則」と名付けていたのです。内容にいくらかの誤差はあれど、本質的にはかなり近いものが既にこの世界には提唱されていたのだと、度肝を抜かれました。そもそもそれらの法則を知らなかったことは置いといて(笑)、これは自分がやるべきものかもしれない、と吸い込まれるような気持ちでした。
③この映像化を通じて届けたい想いや、視聴者の皆様へメッセージ
どうか、希望の光へ⼀⼈でも引きずり込めるように、頑張りたいと思います。
原作・柚月裕子さん コメント
①「パレートの誤算」がWOWOWでドラマ化されることについてのお気持ち
この作品は生活保護をテーマにした作品です。登場⼈物たちは、生活保護を支給する側もされる側も、それぞれに複雑な事情を抱えています。その⼈物たちが、悩みながらも勇気をもって問題に立ち向かう姿を、ドラマを通して多くの方にご覧いただきたいです。
②主演の橋本愛さんについての印象や期待したいポイント、脚本を読んでドラマに期待すること
主⼈公の牧野聡美は、ケースワーカーという仕事に最初は消極的ですが、芯が強く⾏動的な女性です。たおやかで凛とした佇まいの橋本愛さんが、熱い聡美をどのように演じてくださるのかとても楽しみです。ドラマは小説よりも、聡美と小野寺の関係が丁寧に描かれています。協⼒しあったかと思えば反発しあったり。事件の捜査とともに変化していくふたりの関係性も、ドラマの見どころのひとつだと思います。
監督・小林聖太郎さん コメント
①今回の作品のテーマについて、どんなドラマに作り上げていきたいか
ますます増える貧困世帯への対応と、財政逼迫との板挟みになりながら現場で必死に踏ん張るケースワーカーの日常の姿を、ただ表層的に扱うのではなく微細に描き、かと⾔って重くなりすぎずにサスペンスとしてワクワク読むことができた原作の読後感を⼤切にしながらも、ドラマとして新たなものにできればいいな、と考えております。
②橋本愛さんにどんな主⼈公・聡美を演じてもらいたいか、期待していること
夢叶わず、市役所の⾮正規採⽤職員として先の見えない働き方を強いられていた女性が、ケースワーカーという職に誇りとやりがいを見出すまでを描く物語において、橋本愛さんが持つ、繊細で芯が強く正義感の強そうなイメージをどう活かし、或いは覆していけるかこれから⼀緒に試⾏錯誤できれば……。
③視聴者の皆様へメッセージ
「生活保護」「ケースワーカー」「貧困ビジネス」と⾔葉が並ぶと、難しそうな、暗そうな、鬱陶しそうな題材に思われるかもしれませんが、何よりも皆様の耳目を楽しませるべく奮闘しておりますゆえ気軽に楽しんでいただければ幸いです。「自己責任」でご覧ください。
【パレートの法則とは】
組織では全体の約2割の人間が大部分の利益をもたらしている。そこで有用と思われる2割にあたる人間を外したところ、残りの8割の中から2割の人間が新たに利益を生み始める、というイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが唱えた経験則。
本作のタイトル中の「誤算」には、「パレートの法則を曲解すれば、社会から生活保護受給者は決していなくならないということになるかもしれないが、いつでも誰もが“8割”側に転落する可能性を秘めている。そして、そこから這い上がる人も多くいる。だから弱者を弱者と単純に切り捨ててはならない」という警鐘が込められている。
殺されたケースワーカーの素顔と不正受給の実態。
殺⼈に隠された社会保障の闇と新たなる希望を描き出すヒューマンミステリー
ストーリー
不本意ながら嘱託という形で市役所の福祉課に務める牧野聡美(橋本愛)は、ある日突然、生活保護利用者と直接向き合うケースワーカーの仕事を命じられる。不安を抱く聡美のことをベテランの山川は「やりがいのある仕事だ」と励ましてくれた。ところが後日、その山川が、あるアパートの⽕事のあと他殺体で発見される。あれほど利用者から慕われていた山川がなぜ? 周囲で、山川が何らかの不正に関わっていたのではないかという疑念が膨らんでいく中、聡美は、町を覆う不正の影と生活保護をめぐる様々な人々の人生模様に巻き込まれていく。
出演:橋本愛ほか
原作:柚月裕子「パレートの誤算」(祥伝社文庫刊)
監督:小林聖太郎(『初恋〜お父さん、チビがいなくなりました』「連続ドラマW 煙霞-Gold Rush-」)
脚本:武井彩(「連続ドラマW イアリー見えない顔」)、小松屋たから
⾳楽:妹尾武(ドラマ「いま、会いにゆきます」『みとりし』)
「連続ドラマW パレートの誤算〜ケースワーカー殺人事件」
2020年3月スタート(全5話)〔第1話無料放送〕
https://www.wowow.co.jp/dramaw/pareto/