モスクワ国際映画祭ダブル受賞『四月の永い夢』(17)、TOKYO FILMeX 観客賞受賞『静かな雨』(20)など、国内外で注目される中川龍太郎監督作品をはじめ、日カ国際共同制作・釜山国際映画祭オープニング作『オルジャスの白い馬』(20)(主演・森山未來)や、佐近圭太郎監督『東京バタフライ』(20)等を発表してきたTokyo New Cinemaが、会員制映画オンラインコミュニティ「あずまや」が3月24日(水)午前10時よりスタートさせる。
「あずまや」では、Tokyo New Cinemaのオリジナル作品がオンラインで見られるだけでなく、月1回の会員限定イベントに招待されるほか、会員限定のコミュニティを通して、映画好きの人々との交流、さらには映画づくりへの参加や、中川龍太郎を筆頭に様々なクリエイターたちと一緒にトークイベントを楽しむことができるなど、多岐に渡った企画が予定されている。
限定配信動画のラインナップ第1弾として、第27回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門選出、中村映里子、池松壮亮、光石研が出演した『愛の小さな歴史』(14)など、中川龍太郎監督のこれまでの作品が順次配信開始される。
さらに、コロナ禍の2020年初夏に制作が開始された最新オリジナル短編エッセイ『スケッチダイアリー』が初公開コンテンツとして配信される。中川龍太郎監督の目を通して描き出される様々な人間の生き様、見過ごされていく日々の日常の細部を再発見していく映像エッセイシリーズだ。
また、「銭湯図解」で知られ、高円寺にある銭湯・小杉湯の番頭を務めながらイラストレーターとして活躍している塩谷歩波(えんやほなみ)による「あずまや」のイラストも公開された。映画製作会社が始める新しい試み「あずまや」に注目したい。
オンラインコミュニティ「あずまや」
公式サイト 3月24日(水) 午前10時正式オープン
https://azumaya.tokyonewcinema.com
「あずまや」クラウドファンディング発表時のコメント(※敬称略)
中川龍太郎(映画監督)
映画を撮りたいと考え始めたのは大学に入学した時でした。何度となく講義をサ ボって映画館の暗闇に身を浸すなかで、自分もまた自分の周りの光を世界のどこか見知らぬ誰かのもとに届けたいと願うようになりました。何の繋がりもない中、手探りで映画制作を始めました。分からないことしかなく、教えてくれる人もいない中での制作はまさに暗闇の中で遠い遠い光に手を差し伸ばすようなものでした。映画とは世界に接続する窓です。暗闇の中に浮かぶその窓を通して世界中のあらゆる人たちと出会うことができます。あらゆる時代の、もうこの世にはいない人たちと触れ合うことができます。映画とは人と人を結ぶ広場です。僕たちは作り、届けることを通して、多くの人と出会ってきました。是非、その輪の中で、ともに映画を語り合い、分かち合う時間を設けることができましたら、こんなに嬉しいことはありません。
木ノ内輝(Tokyo New Cinema 代表)
振り返ると、映画産業に入るきっかけは若き中川監督との出会いでした。我々は2015年に創業した当時、若く資金も人脈もありませんでした。多くの方々の応援で世界的に評価される映画を作ることができました。我々は世界で戦うなかで皆様の応援とサポートを必要としております。現代社会を生きる私たちは忙しさのなかでつい早歩きになりがちですが、大切なものこそ身近にあることを改めて認識するきっかけになるような作品を作り続けます。そして、今後も良い日本映画を世界に発信し、映画産業を発展させて行きたいと願っております。
「あずまや」コンテンツ
【オリジナル限定動画の配信】
①中川龍太郎監督作品 ※3月24日(水)配信ラインナップ
『Calling』(12) 上映時間:50分
2013年ボストン国際映画祭最優秀撮影賞受賞の中川監督自主製作作品
画家を夢見る清掃員と心を病み笑顔を失ってしまった妻との寡黙で烈しいラブストーリー。
『雨粒の小さな歴史』(12) 上映時間:70分
大学生の美千留に届いた腹違いの妹からの手紙をきっかけに生き別れた父への思いが巡り…ひとりの女性の成長の物語。(池松壮亮出演作品)
『Plastic Love Story』(14) 上映時間:124分
自らを傷つけストーカーとなってしまった女性、自分を愛してくれない恋人をもつ女子大生、心を病んだ美青年に惹かれる女子高生、3人の女性の3つの苦い恋物語。
『愛の小さな歴史』(14) 上映時間:81分
2014年第27回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門選出
父を憎む娘とその父親、借金取りの男と妹という、二つの家族の切ない思いが交錯するさまを描いた心揺さぶる物語。(出演:中村映里子、池松壮亮、光石研 他)
※今後配信予定作品
『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(15) 上映時間:83分
第28回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門選出
(主演:仲野太賀)
『四月の永い夢』(17) 上映時間:93分
第39回モスクワ国際映画祭 国際映画批評家連盟賞、ロシア映画批評家連盟特別表彰W受賞
(主演:朝倉あき)
『わたしは光をにぎっている』(19) 上映時間:96分
第41回モスクワ国際映画祭特別招待
(主演:松本穂香)
『静かな雨』(20) 上映時間:99分
第20回東京フィルメックス観客賞受賞
(主演:仲野太賀、衛藤美彩)
②中川龍太郎監督 最新映像エッセイシリーズ
『スケッチダイアリー』(1本:3分~22分/Vol.1~)
中川龍太郎監督の原点。なぜ『走れ、絶望に追いつかれない速さで』や『四月の永い夢』が生まれたのか。コロナ禍で社会の動きが止まったかのように見えた2020年初夏。最新作のHuluオリジナルドラマ「息をひそめて」に繋がる、中川龍太郎が取り組んだ終わらないドキュメント。
画家の自画像は自分の顔を描く。映画監督にとっての自画像とは、その眼差しに映った世界を切り取ることなのではないだろうか。中川の目を通して描き出される様々な人間の生き様。見過ごされていく日々の日常の細部を再発見していく映像エッセイシリーズ。
※3月24日(水) 配信ラインナップ
『スケッチダイアリー』vol.01~12を一挙配信開始(それ以降は順次更新予定)
vol.01「ふるさとは多摩川だ」(5分56秒)
vol.02「自粛づかれ」(3分49秒)
vol.03「ソーシャルディスタンス…?」(10分22秒)
vol.04「新拠点」(4分22秒)
vol.05「トッサンの思い出に」(4分29秒)
Vol.06「5年ぶり」(2分46秒)等
③その他:各作品特典映像・各作品メイキング・短編作品(中川龍太郎監督、佐近圭太郎監督)
※予定
【限定イベントへの招待】
月に1回、会員限定イベントを開催。オリジナル限定動画や過去長編作品に関する対話型のトークイベントや外部のクリエイターや有識者など社会のあらゆる領域で活動する方々との分野横断型のトークイベントも予定。『わたしは光をにぎっている』で描かれたテーマに準えて、「失われてほしくない景色」を参加者が写真で持ち寄って写真家と対談するイベントや映像制作ワークショップ、音声ガイドに関する対談など、Tokyo New Cinemaならではの視点で映画にかかわるイベントが企画されている。
【Facebook 交流グループ】
会員限定のコミュニティ(Facebookグループ)へご紹介。Tokyo New Cinemaから配信コンテンツやイベント、新作情報を案内するほか、会員の皆様が作品やイベントに関する感想・意見も気軽に投稿できる。会員同士、Tokyo New Cinemaの制作陣と交流できる場が提供される。
【会員料金プラン】
毎月1,000円~
内容:オリジナル限定動画の配信・限定イベント招待・会員グループ招待
「あずまや」イラスト by 塩谷歩波
「あずまや」のイラストを手掛けたのは、「銭湯図解」で知られ、高円寺にある銭湯・小杉湯の番頭を務めながらイラストレーターとして活躍している塩谷歩波(えんやほなみ)。Tokyo New Cinemaが手掛けてきた作品の登場人物の印象的なシーンや、撮影スタッフが「あずまや」を囲んでちりばめられ、どこか懐かしく、優しい印象を伝えている。
■ 中川龍太郎監督 プロフィール
映画監督、脚本家。『四月の永い夢』(18)がモスクワ国際映画祭にて、国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評家連盟特別表彰を受賞。『わたしは光をにぎっている』(19)がモスクワ国際映画祭にて特別招待作品として上映。
最新作『静かな雨』(20)が釜山国際映画祭にてキム・ジソク賞にノミネートされ、東京フィルメックスにて観客賞を受賞。詩人としても活動し、「詩とファンタジー」年間優秀賞を最年少で受賞(10)。
【最新情報】
中川龍太郎監督の最新Huluオリジナルドラマ「息をひそめて」が2021年4月23日(金)よりHuluにて独占配信開始。夏帆、石井杏奈、村上虹郎、安達祐実、斎藤工らが出演。コロナ禍を背景に多摩川沿いで生きる人々のそれぞれの日常や人間模様を全8話で綴る、心温まるオムニバスドラマ。
番組公式サイト:https://www.hulu.jp/static/ikiwohisomete/
予告編:https://youtu.be/wmFT8hfewfk
3月24日(水)午前10時「あずまや」スタート