映画好きの俳優、斎藤工が全国のミニシアターにエールを送る特集番組「特集:ミニシアターに愛をこめて」がWOWOWで10月19日(月)〜22日(木)に放送される。
今回は、かつてミニシアターで映画ファンが熱狂した、世界の秀作4本を特集。映画の前後には、案内役の斎藤と永瀬正敏のトークも繰り広げられる。放送作品となる『グラン・ブルー[完全版]』『さらば、わが愛~覇王別姫』『恋する惑星』『ブロードウェイと銃弾』などの⾒どころはもちろんのこと、それぞれの作品の上映館を中心とした、斎藤と永瀬が通っていたミニシアターの思い出なども熱く語りあっている。
放送に先駆けて⾏われた収録では「個⼈的な話を言うと、僕はミニシアターに救われたんです」とキッパリと語る永瀬。その魅⼒について「知らない国の映画に出会えたり、⽇本でなかなか⾒られなかった作品が⾒られたりもする、驚きやワクワク感をもらえる場所だと思っていて。それは多分、映画館ごとに特⾊を出せるからじゃないですかね。映画を選ぶ方たちの、この映画が素晴らしいからみんなにも知ってもらいたい、という思いがちゃんと伝わる場所なので。ミニシアターってあったかいんですよね。それをすごく感じる場所なんです」と熱弁する。
一方、永瀬が出演してきた数々の映画をミニシアターで観てきたという斎藤。収録中にジム・ジャームッシュ、エドワード・ヤン、クリストファー・ドイル、相米慎二など、これまで永瀬が一緒に仕事をしてきた国内外の映画⼈たちの秘話が次々と披露されると「エリック・クーをはじめ、僕の仲の良いアジアのフィルムメーカーたちと話していると、永瀬さんの名前は必然的にあがってくる。永瀬さんが今までされてきた仕事は僕の憧れ。永瀬さんはアジア映画のひとつの象徴であり、大いなるアイコンであると、なんだか勝手に誇らしくなっています」としみじみ。そして「永瀬さんはミニシアターを主戦場として、僕に希望を与えてくださった方。僕が⾊んな方の作品に、フットワークを軽くして出ているのは、永瀬さんの影響が大きい。今⽇は永瀬さんの大きな背中が、一段と大きくなった時間でした」と感無量の様⼦だった。
そして最後に斎藤は、本番組ロゴの空白となっていた部分に「ミニシアター」の文字を書いてもらえないかと永瀬にリクエスト。斎藤が「永瀬さんが書かれた“ミニシアター”という文字に大いなる意味があるんです」と語る通り、本番組のロゴにも注目だ。
各作品のコメント
10月19日(月)夜11:00
『グラン・ブルー[完全版]』リュック・ベッソン監督
永瀬:当時、すごくブームになった映画ですよね。『ベティ・ブルー/愛と激情の⽇々』もそうでしたが、フランス映画を身近に感じさせてくれた映画だなと思います。水中撮影の美しさみたいなのもあって、みんな惹かれていったんでしょうね。
斎藤:今回⾒直してみて、美しい映画は⾊褪せないなと思いましたね。ポスターもそうですが、サウンドトラックも、イルカの声が入っていたりして、ものすごく象徴的でしたよね。今年は海に⾏けなかった方も多いと思うので、ぜひこの1本で浸っていただけたらと思います。
10月20日(火)夜11:00
『さらば、わが愛〜覇王別姫』チェン・カイコー監督
永瀬:歴史の大きな流れに、伝統芸能が波に巻き込まれていく。この物語だけで、何本、映画が作れるんだろうと思うくらいに、いろいろなものが注ぎ込まれていて。当時、驚いた覚えがあります。この作品もレスリー・チャンさん、チャン・フォンイーさん、コン・リーさんら、主⼈公のお三方の芝居が⾒事だなと思いました。
斎藤:少年期の⼦役の演技で掴まれてしまいましたが、その大いなるバトンを名優たちが受け継いでいて。ものすごく内容が詰まっているし、⻑い尺の映画ではあるんですが、これぞ映画体験と言うものを与えてくれる名作だなと思いました。そして何より絵葉書のような美しい画⾯というものが、アジア映画に欠かせないものだと思います。
10月21日(水)夜11:00
『恋する惑星』ウォン・カーウァイ監督
永瀬:僕もウォン・カーウァイ作品を手がけているカメラマンのウィンシャさんや、撮影監督のクリスさんと何度かご一緒したことがありますが、当時は映画の枠を超えて、カルチャーを変えてしまった。ファッションやヘア、美術、ライフスタイルなど、あらゆる⾯で、いろんな⼈がこの映画に影響されて、真似していましたよね。
斎藤:それこそファッション、カルチャーのハブになるような作品が、ミニシアターから生まれていたという1本ですよね。僕は毎年、地元の仲間たちと『恋する惑星』を観る会というのをやっていまして。当時の映画体験というか、劇場体験がすべて蘇るんですね。僕も、ウォン・カーウァイの世界に大いに影響を受けたひとりなんです。
10月22日(木)夜11:15
『ブロードウェイと銃弾』ウディ・アレン監督
永瀬:クリエイティビティってなんだろう、というところが、ひとつのテーマだと思うんです。そういうところをシニカルに描いているというか。翻弄されていくクリエィティビティの奥深さというか、ダークな部分が根底にありつつも、それをコメディで柔らかく描き、かつ問題提起をしている。その一連の流れがすばらしいなと思いますね。
斎藤:クリント・イーストウッドとかもそうですが、ウディ・アレンも、年を重ねるにつれ、何かが発酵していくというか、どんどんエネルギッシュになっていく感じがします。彼は時代とともに、⾃分の⾒えている景⾊、答えを映画で提示してきた先駆者。彼の映画を観るということは、今、彼が何をどう捉えているのか、確認しに⾏くようなところもあります。
◆さらに、放送に入りきらなかった未公開トークをWOWOWメンバーズオンデマンドにて10月19日(月)より配信予定。
WOWOW「特集︓ミニシアターに愛をこめて」
10月19日(月)〜22日(木)