フランスの経済学者トマ・ピケティによるベストセラー「21世紀の資本」を映画化した社会派ドキュメンタリー『21世紀の資本』が3月20日(金)より新宿シネマカリテ他全国順次公開となる。この度、本作の新場面写真が解禁となった。
2014年に日本でも発売され一大ブームを巻き起こした経済学書「21世紀の資本」。フランスの経済学者トマ・ピケティが出版し、史上最も重要な経済学書として世界中から称賛を浴びた。しかし、700ページという超大作のため、完読が難しいというのも有名な話である。そこで著者のピケティ自身が監修から出演までこなし、一般の人も五感だけで理解できるよう完全映画化。著名な経済学者とともに、本で実証した理論を難しい数式など一切使わずに映像で表現した。映画では、『ウォール街』『プライドと偏見』『レ・ミゼラブル』『ザ・シンプソンズ』などの映画や小説、ポップカルチャーなどをふんだんに使って、過去300年の世界各国の歴史を“資本”の観点から切り取っている。
本国フランスでの出版から1年後、日本へ上陸した原作本「21世紀の資本」。35か国で翻訳され、300万部という驚異の売り上げを記録した。
「難しい」と言われつつも、その内容は多くの注目を集め、マンガや分かりやすい図を使った解説書も複数出版されている。
本書の中でピケティは、アメリカの経済学者サイモン・クズネッツが提唱した、「成熟した資本主義は平等化する」という理論をひっくり返している。「資本主義は成熟すると中間層が少なくなり不平等になる」と、約700ページに渡って論じた。つまり、土地、預金、株式などの資産を持つ者はますます豊かに、持たざる者はますます貧しくなるということだ。
そして、今回新たに解禁されたのは、その経済論を画面越しの私たちへ向かって雄弁に語りかけるピケティの姿を含む4枚の写真。
日本に住む私たちにも関わっているであろう、貧富の格差。それについての明晰な理論を映画の中で展開するピケティとは、どんな人物なのか?トマ・ピケティは、1971年フランス・クリシー生まれの経済学者。現役のパリ経済学院教授にして、格差研究における世界の第一人者である。世界的な所得分布と資産分布のデータベース構築に尽力し、所得と資産がトップ1%にますます集中している状況を明確に指摘した。それをまとめたのが、原作本「21世紀の資本」というわけだ。
2015年に来日した際、都内で行われた講演会では、「消費増税は正しい方向ではありません。」「インフレを起こしたいのであれば、賃金を増やさなければなりません。」と、日本の金融政策へ物申した。
また、大の映画好きを自称しており、「パリでは暇さえあれば散歩がてら近所の映画館に通っている。少なくとも週に2回、ジャンル問わずだ。」と語っている。本作において彼のそんな一面がよく表れているのは、『プライドと偏見』(05)『ウォール街』(87)をはじめとする、過去の様々な映画のシーンの引用である。それに加えて、コラージュやアニメがふんだんに使われており、“経済”というテーマからは想像できないほど、本編をポップに彩っている。
作品タイトル:『21世紀の資本』
出演:トマ・ピケティ ジョセフ・E・ステイグリッツ
監督:ジャスティン・ペンバートン
監修:トマ・ピケティ
製作:マシュー・メトカルフ
編集:サンディ・ボンパー
撮影:ダリル・ワード
音楽:ジャン=ブノワ・ダンケル
原作:トマ・ピケティ「21世紀の資本」(みすず書房)
2019年/フランス=ニュージーランド/英語・フランス語/103分/カラー/シネスコ/5.1ch
日本語字幕:山形浩生
提供:竹書房
配給:アンプラグド
公式HP:21shihonn.com
コピーライト:(C)2019 GFC (CAPITAL) Limited & Upside SAS. All rights reserved
3月20日(金)より新宿シネマカリテ他全国順次公開
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