『消滅世界』の主人公・雨音に蒔田彩珠が決定 村田沙耶香によるベストセラー小説を映画化

村田沙耶香のベストセラー小説を映画化した『消滅世界』の主人公・雨音に蒔田彩珠の出演が決定した。

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村田沙耶香による原作「消滅世界」は、現在累計170万部を超える芥川賞受賞作「コンビニ人間」直前の2015年12月に刊行された長編小説。超少子化の先-「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちを描いた本作は、「常識」という枠の中でもがく現代の私たち自身を映し出した合わせ鏡のような作品だ。

来たる4月15日に英語版の刊行も決定し世界的注目を浴びる原作を、MTV出身で、RADIOHEAD、OASISなど国内外様々なアーティストのライブやミュージックビデオ、CM、ショートフィルム、大河ドラマのドキュメンタリーなど多岐にわたるフィールドで活躍する映像ディレクター・川村誠が脚本とともに映像化に挑む。川村は、本作が長編映画の監督デビュー作となる。

今回、主人公として出演が発表となった蒔田は、ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」(2012)をきっかけに、映画『三度目の殺人』(2017)、第71回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品『万引き家族』(2018)など是枝裕和作品の常連に。河瀨直美監督の『朝が来る』(2020)では中学生で母となった難役も熱演し、「第44回日本アカデミー賞」新人俳優賞受賞をはじめ数々の賞を獲得。さらに、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(2021)や、日曜劇場「御上先生」(2025)にも出演している。

蒔田は「この物語を、初めはSFと感じる人が殆どなのではないでしょうか。私自身も、ありえない世界、経験するはずもない気持ちをどう表現するか、壮大なファンタジーをリアルに演じるには、と難しさを感じていましたが、そんな心配は必要ありませんでした。どんどん物語に引き込まれ世界観が変わっていき、これは未来の現実?とまで考えてしまいそうになる自分が怖くなりました」とコメント。

蒔田の起用理由を川村は「兼ねてより俳優としての蒔田さんの存在感と演技力に底知れないポテンシャルを感じていた」と明かし、蒔田は「今、当たり前と思っている現実は作られたものであり、貫いているつもりの自己も危ういのではないか。脳内が刺激され、人生について深く考えさせられます。観てくださったみなさんの感想が楽しみな作品です」と期待を寄せた。

コメント全文

蒔田彩珠
この物語を、初めはSFと感じる人が殆どなのではないでしょうか。
私自身も、ありえない世界、経験するはずもない気持ちをどう表現するか、壮大なファンタジーをリアルに演じるには、と難しさを感じていましたが、そんな心配は必要ありませんでした。どんどん物語に引き込まれ世界観が変わっていき、これは未来の現実?とまで考えてしまいそうになる自分が怖くなりました。
今、当たり前と思っている現実は作られたものであり、貫いているつもりの自己も危ういのではないか。
脳内が刺激され、人生について深く考えさせられます。
観てくださったみなさんの感想が楽しみな作品です。

川村誠
観る者が彼女から目を離せなくなる、
シーンを支配してしまうような引力―
兼ねてより俳優としての蒔田さんの存在感と演技力に
底知れないポテンシャルを感じていました。
等身大の二十代女性の自然体の中に、
全ての村田作品の主人公から受け取れる
「自らに刃を向けるような内省」を体現できる俳優。
探し求めていたのはこの方だと、初対面で直感しました。
現場に入り、物語を深いところで理解しながら
感じたままに演じるその姿からは、
一種の”憑依力”のようなものを感じました。
確かに雨音はそこに存在しました。
主人公のこの表情、この感情を描くために映画を撮ったのだ、
と思える瞬間が幾度となく訪れました。
非常に難しいこの役柄に挑んでくださった事に
心から感謝しています。
撮影現場で自分が目の前で感じた「演技で心揺さぶられる感覚」
―その衝撃と感動を、スクリーンで味わって頂ける日が
今から待ち遠しいです

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「消滅世界」原作書影
(C)2024 air vision networks


ストーリー
人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か、二次元キャラというのが常識に。そんな世界で「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。

『消滅世界』
出演:蒔田彩珠
監督・脚本:川村誠
原作:「消滅世界」(村田沙耶香著/河出文庫)
配給:NAKACHIKA PICTURES

2025年秋に全国公開

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