第25回上海国際映画祭で最優秀監督賞・最優秀男優賞を受賞した『来し方 行く末』より、脚本風アナザービジュアル4種が解禁、あわせて一足先に作品を鑑賞した著名人総勢10名より推薦コメントが到着した。

本作は、弔辞作家の日常というユニークな題材を軸に、人々の人生模様や死生観を繊細に織り込んだヒューマンドラマ。
主演は、国民的人気俳優のフー・ゴー。同居人のシャオイン役は、本作がフー・ゴーと三度目の共演となるウー・レイ。
監督は、卒業制作『Oxhide (英題)』(05/原題:牛皮)で、第55回ベルリン国際映画祭でカリガリ映画賞と国際映画批評家連盟賞を受賞したリウ・ジアイン。長年の思索を重ねて熟成させた14年ぶりの待望の新作となる。
名匠ジャ・ジャンクー(『長江哀歌』『新世紀ロマンティクス』)やディアオ・イーナン(『薄氷の殺人』)も絶賛する、柔らかで洗練された確かな力を感じさせる本作は、第25回上海映画祭で最優秀監督賞と最優秀男優賞(フー・ゴー)を受賞した。
この度解禁されたのは、劇中の台詞を脚本風にあしらったアナザービジュアル4種。友人、同居人、依頼主との何気ないやりとりを切り取ったこれらのビジュアルは、何気なく過ぎていく日々の中にこそ、特別な瞬間があることを静かに浮かび上がらせる。
本作の監督を務めるリウ・ジアインは、チャン・イーモウ、ジャ・ジャンク―など多くの映画人を輩出してきた名門大学・北京電影学院で脚本家の准教授としても教鞭をとる人物。自身のキャリアを投影させるように生み出されたウェン・シャンというキャラクターを通じて、創作にまつわる葛藤や現実との折り合いを映し出し、物語に静かな奥行きを与えている。
「煙と火の屋上」篇
葬儀場の屋上で、ウェンは友人と煙草を吸いながら他愛もない会話を交わす。友人はふと、「煙草を吸う自分たちを表す言葉がある 人の世の煙と火」だと呟く。ウェンは「勝手な解釈をするな。でも言いたいことは分かるよ」と返す。

「最期の会話」篇
余命宣告を受けた女性の弔辞を書くため、ウェンは彼女の家を訪れる。彼女の体調を心配しながらも、軽い口調で「僕より顔色がいいじゃないか」と言うウェンに対して、依頼主の女性は微笑みながら、「そうね、ただがんがあるだけ」とユーモアを込めて返す。

「深夜の執筆」篇
遅くまでパソコンに向かって執筆を続けるウェンを同居人が見つめている。同居人の「君は普通を美化してる」という確信を突くような一言に苛立ったウェンは「なぜ、つきまとう?」と返す。

「電話越しの冗談と本音」篇
ウェンは葬儀場の友人と電話で話している。友人に「お前は“鼠眉”だが、実は大物かもしれん」と言われ、「“鼠眉”って?」と意味を尋ねると、友人は「“気弱でダメな奴”って意味だよ」と答える。

これらのシーンは、何気ない日常の瞬間を切り取りながらも、その中に潜む深い意味や本音を浮かび上がらせ、人生の複雑さや静かな美しさが感じられる。これら4種のアナザービジュアルは、上映劇場にてランダムで掲出される。
さらに、一足早く本作を鑑賞した、カツセマサヒコ、小沼理、千種創一、岡本真帆、小林慎太郎ら作家や歌人をはじめ、周防正行、リム・カーワイ、野崎浩貴ら映画監督・映像作家、佐野弘樹、細川岳ら俳優など、総勢10名から推薦コメントが寄せられた。
コメント一覧
停滞している人生とやるせない日々に、
ほんの少し、光を見せる。
こういう作品を待ち望んでいた気がします。
カツセマサヒコ(小説家)
北京郊外の素朴な光と、そこに生きる人の表情が美しい映画。
いなくなった人を思い出すとき、心に浮かぶのは案外、ささいな事柄だったりする。
弔辞作家のウェンと依頼主の会話は、人生がそうした無数の細部から成り立っていることを静かに思い出させてくれる。
小沼理(文筆家)
書く。聞く。知る。悼む。悔やむ。弔う。想う。探す。死ぬ。遺す。続ける。見つける。生きる。創る。
それら全てが、夕方の穏やかな波のように、ひたひたと胸に打ち寄せてくる。これはそれぞれの号泣のあとの物語だ。
千種創一(歌人・詩人)
悲しみはいつも、少し遅れてやってくる。その人がいないことに向き合い、思い返すうちに、これまで受け取ったものがゆっくりと見えてくるーーそんな柔らかく静かな気づきが、わたしの中にも残りました。
岡本真帆(歌人・作家)
誰かの想いに触れることで、自らの想いにも触れる。
誰かのために綴った言葉が、めぐりめぐって自分のもとへ届く。
代筆を生業とする者は、そうやって他者と自分の間をただよう。
そのさまが細やかに描かれていて、同業として嬉しくもあり、切なくもあった。
小林慎太郎(代筆屋・歌人)
人が生きていくためには物語が必要だ。弔事は亡き人の物語だが、亡き人のためのものではない。亡き人を送る人たちのための物語だ。
もしかしたら「映画」もまた、この世に生きる誰かのための「弔事」なのかもしれない。
周防正行(映画監督)
『来し方 行く末』は、どこかの時空を彷徨って、やっと届いた手紙を紐解いてじっくり読んだあと、
いろいろな複雑な心境が湧いてくるような映画だ。
そして、見終わって、涙を堪えきれず、「生きていてよかった」と思った。
リム・カーワイ(映画監督)
動物園に行くと観察しているようで観察されていると常々感じます。
誰かへのまなざしは自分へのまなざし。そしてそれを見つめるまなざし。
なんとも愛おしかったです。
野崎浩貴(映像作家)
だれもが孤独に闘い彷徨っている。
死は誰しもに訪れるものではあるが、深い悲しみだけが残るものではない。
そっと寄り添う彼の弱さと優しさに、見終えた今も心が震えている。
佐野弘樹(俳優)
死んだ誰かについて話す人たちはどこかぶっきらぼうだったり楽しそうだったり様々だ。
語り手の言葉には実感があり、表情やエピソードが素晴らしく豊かでいつのまにか身体が暖かい。
映画って不思議だ。
もうすこし、自分の人生を丁寧に生きたいと思った。
細川岳(俳優)
<順不同・敬称略>
ストーリー
主人公のウェン・シャンは大学院まで進学しながら、脚本家として商業デビューが叶わず、不思議な同居人シャオインと暮らしながら、今は葬儀場での〈弔辞の代筆業〉のアルバイトで生計を立てている。丁寧な取材による弔辞は好評だが、本人はミドルエイジへと差し掛かる年齢で、このままで良いのか、時間を見つけては動物園へ行き、自問自答する。同居していた父親との交流が少なかった男性、共に起業した友人の突然死に戸惑う会社員、余命宣告を受けて自身の弔辞を依頼する婦人、ネットで知り合った顔も知らない声優仲間を探す女性など、様々な境遇の依頼主たちとの交流を通して、ウェンの中で止まっていた時間がゆっくりと進みだす。
『来し方 行く末』
出演:フー・ゴー[胡歌]、ウー・レイ[呉磊]、チー・シー[斎溪]、ナー・レンホア[娜仁花]、ガン・ユンチェン[甘昀宸]
監督・脚本:リウ・ジアイン[劉伽茵]
2023年/中国/中国語/119分/カラー/1:1.85/5.1ch 原題:不虚此行 字幕:神部明世
配給:ミモザフィルムズ
(c)Beijing Benchmark Pictures Co.,Ltd
公式サイト:https://mimosafilms.com/koshikata/
2025年4月25日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
関連記事
■ 『来し方 行く末』新場面写真解禁 ムビチケ購入者特典も明らかに
■ 映画『来し方 行く末』フー・ゴー、ウー・レイの新場面写真公開
■ フー・ゴー×ウー・レイ『来し方 行く末』4月公開 弔辞の代筆業を通じて成長する主人公を描くヒューマンドラマ