第25回上海国際映画祭で最優秀監督賞・最優秀男優賞を受賞した『来し方 行く末』(4月25日公開)より、撮影現場での猫との交流を描いた特別映像と、新場面写真が解禁された。

本作は、弔辞作家の日常というユニークな題材を軸に、人々の人生模様や死生観を繊細に織り込んだヒューマンドラマ。
主演は、国民的人気俳優のフー・ゴー。同居人のシャオイン役は、本作がフー・ゴーと三度目の共演となるウー・レイ。
監督は、卒業制作『Oxhide (英題)』(05/原題:牛皮)で、第55回ベルリン国際映画祭でカリガリ映画賞と国際映画批評家連盟賞を受賞したリウ・ジアイン。長年の思索を重ねて熟成させた14年ぶりの待望の新作となる。
主人公のウェン・シャンが住む北京郊外の団地には、野良猫が出入りしていて、餌をあげようと猫を探すウェンの姿が印象的に描かれる。当初から脚本には猫が登場していたのだが、ロケハン中に出会った野良猫シャオミーにリウ・ジアイン監督が惚れ込み、そのまま出演が決まった。その後、シャオミーはもともと団地の廊下の部分に住みついていたが、すっかりウェン・シャンの部屋が気に入り、家の中やバルコニーで過ごすことが多くなったという。
解禁された特別映像は、フー・ゴーや撮影スタッフがシャオミーと触れ合う姿や、思いがけずシャオミーの出産を見届けることになった舞台裏が収められている。
映像は、「うちのチームの猫なの」とすっかりスタッフに馴染んだシャオミーが、「今日クランクインよ」とリウ・ジアイン監督に優しく声をかけられ、気持ちよさそうに頭を撫でられる様子から始まる。元々猫好きで、自身でも猫を飼っているフー・ゴーは、撮影現場を自由に歩き回る姿にメロメロで、撮影の合間に餌をあげたり、ハイタッチしたり、「猫ちゃん おかえり」と話しかける様子も映し出される。


映画の撮影終盤に差し掛かった頃、シャオミーが妊娠していることが発覚し、驚くことにそのままセットのウェンの部屋の中のクローゼットで出産をすることになる。出産を見守りながら、「黒が2匹、キジトラが1匹、白黒に三毛もいる」と嬉しそうに語るフー・ゴーは、自ら《猫とチームの奇妙な縁》を記録するためにカメラを担ぐ。映像のラストには、彼が撮影した出産後の母猫と子猫の姿が映し出される。
なお、撮影後、シャオミーと子猫たちは保護猫のボランティア団体に預けられ、新しい家族を見つけるためのサポートを受けることになった。シャオミーの特別映像は映画のエンドクレジットにも組み込まれているので注目だ。
併せて解禁された場面写真は、家の前で猫に餌をあげようとするも、なかなか姿を見せてもらえないウェン・シャンと、すぐに猫が寄ってくる依頼人の女性ジンスイ(チー・シー)の対照的な様子を捉えた微笑ましい姿が写し出されている。

ストーリー
主人公のウェン・シャンは大学院まで進学しながら、脚本家として商業デビューが叶わず、不思議な同居人シャオインと暮らしながら、今は葬儀場での〈弔辞の代筆業〉のアルバイトで生計を立てている。丁寧な取材による弔辞は好評だが、本人はミドルエイジへと差し掛かる年齢で、このままで良いのか、時間を見つけては動物園へ行き、自問自答する。同居していた父親との交流が少なかった男性、共に起業した友人の突然死に戸惑う会社員、余命宣告を受けて自身の弔辞を依頼する婦人、ネットで知り合った顔も知らない声優仲間を探す女性など、様々な境遇の依頼主たちとの交流を通して、ウェンの中で止まっていた時間がゆっくりと進みだす。
『来し方 行く末』
出演:フー・ゴー[胡歌]、ウー・レイ[呉磊]、チー・シー[斎溪]、ナー・レンホア[娜仁花]、ガン・ユンチェン[甘昀宸]
監督・脚本:リウ・ジアイン[劉伽茵]
2023年/中国/中国語/119分/カラー/1:1.85/5.1ch 原題:不虚此行 字幕:神部明世
配給:ミモザフィルムズ
(c)Beijing Benchmark Pictures Co.,Ltd
公式サイト:https://mimosafilms.com/koshikata/
2025年4月25日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
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