第39回インディペンデント・スピリット賞でジョン・カサヴェテス賞を受賞した、米インディペンデント映画『FREMONT(原題)』が、『フォーチュンクッキー』の邦題で6月27日より公開となることが決定。日本版ポスタービジュアルも解禁された。

カリフォルニア州フリーモントにあるフォーチュンクッキー工場で働くドニヤは、アパートと工場を往復する単調な生活を送っている。母国アフガニスタンの米軍基地で通訳として働いていた彼女は、基地での経験から、慢性的な不眠症に悩まされている。ある日、クッキーのメッセージを書く仕事を任されたドニヤは、新たな出会いを求めて、その中の一つに自分の電話番号を書いたものをこっそり紛れ込ませる。すると間もなく1人の男性から、会いたいとメッセージが届き…。
フォーチュンクッキーをきっかけに、孤独な女性が新たな一歩を踏み出す姿をオフビートなユーモアを交えて描いた本作は、アメリカのインディペンデント・シーンを索引し、世界中の映画ファンを魅了し続けるジム・ジャームッシュや、フィンランドの名匠アキ・カウリスマキの作品を彷彿とさせながら、「アメリカのインディペンデント映画を刷新した」(Los Angeles Times)と話題を呼び、映画批評サイト Rotten Tomatoesでは批評家たちから98%の支持を得た。
監督はロンドン・フィルム・スクールで映画を学んだババク・ジャラリ。前作『Land(原題)』(18)が第68回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に出品されるなど、着実にキャリアを築いてきた。
主人公ドニヤを演じるのは、本作で映画初出演ながら主演を飾ったアナイタ・ワリ・ザダ。ドニヤと同じくアフガニタン出身で、国営放送のテレビ局のジャーナリストだった彼女は、役への熱意で見事公募から選ばれ、「心を打つ演技」(The Times)と批評家から称賛された。
キーパーソンを演じるのはジェレミー・アレン・ホワイト。大人気ドラマシリーズ「一流シェフのファミリーレストラン(原題:The Bear)」(22-)でブレイクを果たし、同作で3年連続となるゴールデングローブ賞テレビ部門の主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。『アイアンクロー』(23)では、プロレス界の伝説フォン・エリック一家の四男を演じ、最新作ではロック界の重鎮ブルース・スプリングスティーンを演じることが報じられるなど、数々の話題作も待機中だ。本作の脚本を気に入りキャスティングされたジェレミーは、心優しい自動車整備士のダニエル役を演じ、物語に華を添えている。
今回解禁された日本オリジナルとなるポスターには、「わたしの殻をやぶるとき」というフォーチュンクッキーにちなんだキャッチコピーが添えられ、ドニヤとダニエルが見つめ合うシーンが切り取られている。クッキーにしのばせたドニヤの特別なメッセージをきっかけに動き出す、甘くてほろ苦い運命の行方に注目だ。

『フォーチュンクッキー』
出演:アナイタ・ワリ・ザダ、グレッグ・ターキントン、ジェレミー・アレン・ホワイト
監督:ババク・ジャラリ
脚本:カロリーナ・カヴァリ、ババク・ジャラリ
2023年/アメリカ/英語、ダリー語、広東語/91分/モノクロ/1.37:1/5.1ch
原題:FREMONT
字幕:大西公子
配給:ミモザフィルムズ
(C) 2023 Fremont The Movie LLC
公式サイト:https://mimosafilms.com/fortunecookie/
2025年6月27日(金)よりシネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、ホワイトシネクイント、アップリンク吉祥寺ほか全国公開