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【レポート】『遠いところ』沖縄での凱旋上映に花瀬琴音、石田夢実、佐久間祥朗、工藤将亮監督が登壇!公開日も発表

遠いところ

沖縄のコザを舞台に、幼い息子と夫との3人暮らしをする17歳の主人公・アオイが、社会の過酷な現実に直面する姿を描く映画『遠いところ』が、7月7日(金)より全国順次公開、6月9日(金)より沖縄先行公開される

この度、作品の舞台である沖縄で開催された「島ぜんぶでおーきな祭-第15回沖縄国際映画祭」の特別招待作品として、4月16日(日)テンブスホールにて公式上映が行われ、上映後満席の劇場で観客の拍手喝采の中、キャスト・監督が登場し舞台挨拶が実施された。

主人公アオイを演じたのは、これが映画初主演となる花瀬琴音。撮影前の1ヶ月間、実際に沖縄で生活し、東京生まれ・東京育ちである彼女が、沖縄在住の方々から見ても、違和感なく“沖縄で生まれ育った若者”に見えるアオイを体現。アオイの友人役・海音役には映画初出演となる石田夢実、アオイの夫・マサヤ役には『衝動』(21)の佐久間祥朗など、花瀬と同様に撮影1ヶ月前から現地に入り、沖縄・コザで実際に生活することによって体感したリアルな感覚は、各々が演じる役に反映されている。

監督は、長編デビュー作『アイムクレイジー』(19)で、第22回富川国際ファンタスティック映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)に輝いた工藤将亮。長編映画3作目のオリジナル映画『遠いところ』は、4年に渡り沖縄で取材を重ね脚本を執筆、オール沖縄ロケで撮影を実施した。

日本での公開を前にして、映画は海外映画祭で高く評価され、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で最高賞を競うコンペティション部門に日本映画として10年ぶりに正式出品。上映後は約8分間にわたるスタンディング・オベーション。さらに、第23回東京フィルメックス[コンペティション部門 観客賞受賞]、第44回カイロ国際映画祭[インターナショナル・パノラマ部門]、第53回インド国際映画祭(ゴア)[シネマ・オブ・ザ・ワールド部門]、ヨハネスブルグ映画祭でもその映画は高く評価された。

この度の舞台挨拶で、主演の花瀬は「撮影の時から沖縄の皆さんに見ていただきたいと思って一生懸命やってきました。エンドロールの名前の多さでも感じていただけるように沖縄の皆さんにたくさん協力してもらって完成した映画なので、(今日の上映会が)本当に嬉しいです。いろいろな感情が溢れ出ています。」、石田は「撮影の時から沖縄の方々に本当にお世話になって友達もたくさんできました。今日のレッドカーペットの時にみんなにおかえりって言ってもらえて嬉しかったです。」と二人とも緊張しながらも嬉しそうな表情。

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4年に渡り本作の取材を沖縄で続け、全編オール沖縄ロケにこだわった工藤監督は、凱旋での舞台挨拶に「(撮影中は)沖縄の皆さんにお世話になって家族のように扱ってもらいました。こうやって今やっと沖縄の皆さんに見ていただいていることに感無量というか、ドキドキしています」と感慨深い様子。

役作りに関して聞かれた花瀬は、「1カ月半の撮影の前に、1カ月間沖縄で暮らしました。アオイとおなじ境遇の方や、おじい、おばあに話を聞かせてもらったりしました。撮影も行った(アオイたちの)荒れた家に実際に住んでいて、環境はあまり良いとは言えませんが、大家のおじいがいつも優しく声をかけてくれました。」と、アオイに近づくために沖縄で暮らしていたことも明かした。

佐久間は「僕もマサヤと同じく工事現場でアルバイトをさせてもらいました。現場で仲良くなった方に『嫁と子供に』とコンビニでカップラーメンやお菓子をいただき、佐久間本人とマサヤとの境界線が分からなくなったりしました。」と当時を思い出したところで、工藤監督が「現場がきつすぎて逃げたよね?連絡が来て探しに行きました」と暴露。佐久間さんが劇中のマサヤと同じく仕事から逃げたしたことを明かされ、MCを務めた初恋クロマニヨンズから「マサヤを演じるための役作りですよね!」とフォローが入り、佐久間は苦笑いで頷いていた。

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本作で女優初挑戦となる石田からは、「この作品が女優としてのデビュー作だったので、役作りってなんだろうということから始まりました。最初は花瀬さんについていって、一緒に取材をしたりしたのですが、途中からは自分で色々な方に話を聞いたりして、様々な方の要素から海音を形作らせてもらっていきました。」と当時の様子を振り返ると、工藤監督から「みんなには台本を事前に渡していないんです。(役として)生活をしてもらって、前日、もしくは当日に台本を渡すという撮影のスタイルでした」と、撮影方法を語ると、場内は驚きに包まれた。

最後に工藤監督から沖縄での先行公開が6月9日(金)、東京をはじめとした全国地域での公開が7月7日(金)に決定したことが発表され、「沖縄の物語なので、少しでも心が動いていただいた方にはぜひ発信していただきたいです。みんなで問題を考えてもらうきっかけになればと思っています。」と語り、大きな拍手の中舞台挨拶は幕を閉じた。

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ストーリー
沖縄県・コザ。
17歳のアオイは、夫のマサヤと幼い息子の健吾(ケンゴ)と3人暮らし。
おばあに健吾を預け、生活のため友達の海音(ミオ)と朝までキャバクラで働くアオイだったが、建築現場で働いていた夫のマサヤは不満を漏らし仕事を辞め、アオイの収入だけの生活は益々苦しくなっていく。
マサヤは新たな仕事を探そうともせず、いつしかアオイへ暴力を振るうようになっていた。
そんな中、キャバクラにガサ入れが入り、アオイは店で働けなくなる。
悪いことは重なり、マサヤが僅かな貯金を持ち出し、姿を消してしまう。
仕方なく義母の由紀恵(ユキエ)の家で暮らし始め、昼間の仕事を探すアオイだったがうまくいかず、さらにマサヤが暴力事件を起こし逮捕されたと連絡が入り、多額の被害者への示談金が必要になる。
切羽詰まったアオイは、キャバクラの店長からある仕事の誘いを受ける―

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作品タイトル:『遠いところ』
出演:花瀬 琴音
石田 夢実、佐久間 祥朗、長谷川 月起 /松岡 依都美
監督・脚本:工藤 将亮
エグゼクティブプロデューサー:古賀 俊輔
プロデューサー:キタガワ ユウキ
アソシエイトプロデューサー:仲宗根 久乃
キャスティング:五藤 一泰
撮影:杉村 高之
照明:野村 直樹
サウンドデザイン:木原広滋、伊藤 裕規
音楽:茂野 雅道
美術:小林 蘭
共同脚本:鈴木 茉美
配給:ラビットハウス

公式サイト:https://afarshore.jp
公式Twitter:https://twitter.com/afarshore_jp
コピーライト:(C)2022 「遠いところ」 フィルムパートナーズ

7月7日(金)より全国順次&6月9日(金)より沖縄先行公開

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