『英雄の証明』イランのイケメン俳優アミル・ジャディディが冴えないシングルファーザーを熱演!冒頭映像&監督コメント到着

英雄の証明

第74回カンヌ国際映画祭にてグランプリに輝いた『英雄の証明』(4月1日(金)公開)より、冒頭映像と主演アミル・ジャディディへの監督のコメントが解禁された。

ベルリン、カンヌ国際映画祭にて数々の賞に輝き、『別離』と『セールスマン』で米アカデミー賞外国語映画賞を2度も制した世界的な巨匠ファルハディ。日常の中に生じた小さなひび割れのような出来事が、人生を根底から揺るがす事態に発展していく様を、サスペンスフルかつ情感豊かに描出する傑作を世に送り出し、世界中の観客たちを魅了してきた。

本作では、人間の倫理観を問う普遍的なこのテーマを追求するにあたって、いまや絶大となったSNSやメディアの影響力に着目。主人公の振れ幅の大きな運命を通して、真実というものの曖昧さや、社会に潜む欲望とエゴを現代的な切り口であぶり出す、予測不可能なヒューマン・サスペンスとなっている。

第74回カンヌ国際映画祭にてグランプリとフランソワ・シャレ賞、第93回ナショナル・ボード・オブ・レビュー脚本賞、外国語映画賞などを受賞し、第79回ゴールデングローブ賞非英語映画賞にノミネート、本年度米アカデミー賞国際長編映画賞ショートリストにも選出された。

この度解禁となったのは、刑務所に服役している主人公ラヒムが、休暇のため古代遺跡シラーズで働く義兄へ会いに行く冒頭映像

監督はシラーズを冒頭シーンの舞台に選んだことについて「この映画のテーマ自体がその理由を説明しています。シラーズには数多くの古代の遺跡があります。この都市は、イラン人の重要で輝かしいアイデンティティの痕跡で満ちているのです。シラーズを舞台として選択した最大の理由は、物語と登場人物たちがこの都市でなければ成立し得なかったからです。とは言うものの、副次的な理由として、テヘランの喧騒から距離を置きたかったということもあります」と話している。

英雄の証明

古代の遺跡の足場を登り会いに行ったのは義兄のホセインだった。ラヒムの姿を見たホセインはビックリした様子で「俺が下まで降りて迎えたのに」と声をかける。「2500年前の墓参りは登るだけでキツイな。」と冗談を言うラヒムに、ホセインは嬉しそうにハグをすると、2人は再び階段を降りはじめる。発掘現場の休憩所に腰を下ろしたラヒムは、お茶を勧められ「茶は飲んできた」と言うと、「何を言っている。クセルクセスの墓前で出される茶だぞ」とホセインと楽しそうに会話する。さらに、お金を工面することができる予定だから、借金相手である別れた妻の兄バーラムに返済の話をつけに行くと言う。それを聞いたホセインは「その金を調達できたら、奴に会いに行こう。」と、言うが…。

英雄の証明
アミル・ジャディ

借金で刑務所に服役する主人公ラヒムを演じたイランのイケメン俳優アミル・ジャディディは、俳優の他にテニスプレーとしても活躍している。普段はスポーツ選手に相応しい筋肉に覆われた体だが、今回は役作りのために痩せ、そんな本来の姿を隠し頼りなく冴えないシングルファーザーの役を熱演している。マスコミによって美談の英雄に祭りあげられ、SNSの噂によって立場が一変する難しい役どころを繊細に演じ切った。

監督はアミル・ジャディディの演技について「もちろん私が演出や指導をしましたが、さまざまなシーンでジャディディは驚くほど上手な演技をしていた。作品を見返すと、自分が監督したことを忘れるシーンがある。ジャディディ演じるラヒムがバーラムの店に行って、そこでバーラムの娘といろいろ会話するシーンです。その時の姿があまりにリアルで、それを見ると自分が演出したことを忘れるぐらい感動します。」と、大絶賛している。

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