異色の政治活動家、鈴木邦男の素顔に迫るドキュメンタリー映画『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』が、2月上旬よりポレポレ東中野にて公開することが決定した。
生長の家の信者の家に育ち、早稲田大学では左派学生と闘った生粋の右翼活動家・鈴木邦男。17歳の時、愛国党党員だった山口二矢が、当時の日本社会党委員長を刺殺する映像に衝撃を受け、「愛国」に身を捧げることに目覚めたという鈴木。大学時代には、今の日本会議の前身となる全国学協の代表にまで登りつめるもまもなく失脚。その後、自らが右翼運動に引き入れた早稲田大学の後輩、森田必勝が25歳にして三島由紀夫とともに自決したことに衝撃を受け、政治団体・一水会を立ち上げる。政治的・思想的な挫折と葛藤を繰り返す中で見えてきたのは、自らが訴えてきた「愛と正義」、「愛国心」でさえも疑い、そして異なる意見や価値観を持つ人たちの言葉に耳を傾けることだった。
出演しているのは、右翼活動を共にしたことがある雨宮処凛や、一水会代表の木村三浩。そして映画監督でもあり赤軍とも関係が深い足立正生。北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の蓮池透。元オウム真理教の上祐史浩。そして、松本麗華や鈴木を助ける邦男ガールズと呼ばれる女性たち…。
現在、76歳の鈴木は、異なる意見や価値観を持つ様々な人たちといまだに交流を続けている。カメラは2年間、鈴木の思想遍歴を辿りつつ、彼らと交流する姿を捉えていく。本作は、数奇な運命を生き抜いてきた鈴木邦男の素顔に密着したドキュメンタリー映画だ。
【鈴木邦男からのメッセージ】
「ここに私のすべてが映っている。いや、私の知らなかった私がここにいる」
【監督からのメッセージ】
「若松孝二監督が突然、亡くなった時、誰も監督についてのドキュメンタリー映画を作っていなかったことをとても残念に思いました。60年代、70年代という激動の時代を知っている人たちもすでに70代、80代になっています。今、この時代を生きた人たちを記録しなければ、この時代は忘れられてしまうという強い焦燥感を感じ、この作品の制作にとりかかりました。鈴木邦男さんの人生を見ていくと、日本の戦後の政治の流れが見えてきました。鈴木さんの人生を記録に残すことは、戦後の日本を検証し、そしてこれからの日本の行き先を考える上で、とても重要だと思います」
作品タイトル:『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』
出演:鈴木邦男、雨宮処凛、蓮池透、足立正生、木村三浩、松本麗華、上祐史浩他。
製作・監督・撮影・編集:中村真夕
共同プロデューサー:山上徹二郎
協力:椎野企画、ロフトプロジェクト、ウエイブ
制作・配給協力:シグロ
78分/HD/カラー/2019年
配給:オンファロスピクチャーズ
コピーライト:(C)オンファロスピクチャーズ
ポレポレ東中野にて2019年2月上旬より公開!