吉田修一の小説を江口のりこ主演、森ガキ侑大監督で映画化した『愛に乱暴』(2024年8月公開)が、チェコのカルロヴィ・ヴァリ映画祭コンペ部門に出品されることが決定した。あわせて、場面写真も解禁された。
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始め…。
今回、本作の出品が決定した第58回カルロヴィ・ヴァリ映画祭は、チェコ共和国の首都プラハから車で90分ほどの距離にあるカルロヴィ・ヴァリで6月末から7月頭にかけて開催される。主要国際映画祭の中ではカンヌ、ロカルノと並び、ヴェネツィアに次ぐ長い歴史を持つ中・東欧最大規模の映画祭で、本作はメインコンペティション「クリスタル・グローブコンペティション部門」で選出された。
同映画祭の最高賞であるクリスタル・グローブ受賞作には、ジャン=ピエール・ジュネの『アメリ』や巨匠ケン・ローチの『ケス』などがあり、歴史ある映画祭で『愛に乱暴』はワールドプレミアを迎えることとなる(※なお、1958年に家城巳代治監督『異母兄弟』(57)がコンペ作品の中からクリスタル・グローブ賞に輝いて以来、日本作品は受賞はしていない)。
出品決定の連絡を受け、主演の江口は「数ある映画の中から選んで頂けたことに感謝いたします。日本から遠く離れたチェコで、観客の皆様がどのような反応をなさるのか楽しみです」、森ガキ監督は「歴史ある映画祭のコンペで争うことは容易なことではないですが、世界と戦ってくれる作品になっている事は間違いないと自負しております。この映画が世界に羽ばたき、より多くの人の心の中で絶えず生きていくことを切に願っております」と喜びを語っている。
あわせて解禁された場面写真には、江口扮する主人公・桃子が先に眠りについた夫の真守(小泉孝太郎)の手を切ない表情で触れる姿や、義母の照子(風吹ジュン)のごみ捨てを肩代わりする様子、日常の中でふと心に陰りが射す瞬間・台所で物思いにふける桃子や帰宅途中の浮かない表情の真守を切り取ったカット、そして女性(馬場ふみか)を挟んで一触即発の一幕まで、愛ある日常にひたひたと不穏が迫りくるシーンの数々が捉えられている。
コメント(敬称略)
森ガキ侑大(監督)
ようやくワールドプレミアとして『愛に乱暴』が世界の方々にお披露目できることを嬉しく思います。
そして、カルロヴィ・ヴァリ映画祭という歴史ある映画祭のコンペ部門に選んでもらえたことはとても光栄ですし、本当にこの映画が報われた気がします。この映画が世界に羽ばたき、より多くの人の心の中で絶えず生きていくことを切に願っております。映画と一緒に世界の旅ができることにも幸せを感じております。
江口のりこ(初瀬桃子 役)
江口のりこです。この度は、歴史ある映画祭で『愛に乱暴』が上映されること、大変嬉しく思います。数ある映画の中から選んで頂けたことに感謝いたします。日本から遠く離れたチェコで、観客の皆様がどのような反応をなさるのか楽しみです。
ストーリー
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、度々表示される不気味な不倫アカウント…。桃子の平穏な日常は、少しずつ乱れ始める。
『愛に乱暴』
出演:江口のりこ
小泉孝太郎 馬場ふみか
水間ロン 青木柚 斉藤陽一郎
梅沢昌代 西本竜樹 堀井新太 岩瀬亮/風吹ジュン
原作:吉田修一『愛に乱暴』(新潮文庫刊)
監督・脚本:森ガキ侑大
脚本:山﨑佐保子/鈴木史子
音楽:岩代太郎
製作幹事:東京テアトル/読売テレビ
制作プロダクション:ドラゴンロケット
制作・配給:東京テアトル
(C)2013 吉田修一/新潮社 (C)2024 「愛に乱暴」製作委員会
公式サイト:www.ainiranbou.com
公式X:@ainiranbou
2024年8月全国ロードショー
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