“世界中のすべての金を手にした”と言われた【世界一の大富豪】石油王ジャン・ポール・ゲティ。1973年に発生し、1700万ドル(当時のレートで約50億円)の身代金を要求された彼の孫の誘拐事件を巨匠リドリー・スコットが映画化した『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)』の邦題が、『ゲティ家の身代金』に決定し、公開日が5月25日(金)と発表された。それに併せて日本版ポスターが初公開となった。
1700万ドルという破格の身代金を要求されるも、50億ドル(当時のレートで約1.4兆円)の資産を持つゲティがその支払いを拒否したことが有名で、日本の新聞、週刊誌でも大きく報道された。しかしこの事件の裏側で、誘拐犯と身代金を拒むゲティの間で戦い続けた人質の母親がいたことはあまり知られていない。離婚で一族を離れていた”一般家庭の母”は、いかに2つの強敵に立ち向かったのか。実話に基づく、華麗で異常な傑作サスペンスが誕生した。
誘拐されたポールの母親アビゲイル・ハリス(以下ゲイル)を演じるのは、『ブルーバレンタイン』『マリリン7日間の恋』でアカデミー賞(主演女優賞)にノミネートされた実力派ミシェル・ウィリアムズ。誘拐犯とゲティという2 つの敵と闘う勇敢な“普通の母”を演じている。また、ゲティに誘拐犯との交渉のために雇われ、次第にゲイルを助ける存在となっていく元CIA のフレッチャー・チェイスを演じるのは、『ディパーテッド』『テッド』と、コミカルからシリアスな役までその幅広い演技力に定評のあるマーク・ウォールバーグ。さらに、その圧倒的な存在感で世界一の大富豪・ジャン・ポール・ゲティを演じたのは、『人生はビギナーズ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞した名優クリストファー・プラマー。
当初、ゲティの役はケヴィン・スペイシーが演じるはずだったが、セクハラ疑惑の発覚により、2017年11月に降板。映画は既に完成、全米公開は1 ヶ月後に控えていたが再撮影を決行し、急遽クリストファー・プラマーがキャスティングされ1週間後には撮影を開始。その2週間後には映画を完成させ、アカデミー賞(助演男優賞)、ゴールデングローブ賞(監督賞、主演女優賞、助演男優賞)、英国アカデミー賞(助演男優賞)にノミネートされるという史上空前の快挙を果たすこととなる。クリストファー・プラマーは本作で自らが持つアカデミー賞演技部門ノミネートの歴代最高齢記録を更新した。そして、この豪華役者陣を束ねるのは、『エイリアン』『ブレードランナー』『オデッセイ』『グラディエーター』などハリウッドで数々の金字塔を打ち立ててきた巨匠リドリー・スコット監督。再撮影を即座に決断し、お蔵入りも危惧された本作を救った手腕はリドリー・スコットにしか出来ない離れ業であり、役者陣の協力があってこその大逆転劇となった。
息子を救うため、“普通の母”が戦うのは、誘拐犯と世界一の大富豪
また、この度お披露目されたポスターは、多くの報道陣に囲まれたゲイルとチェイスの背後に、2 人の大きな壁として君臨するジャン・ポール・ゲティを捉えたポスター。誘拐犯だけでなく、もう一人の大きな敵とも戦うこととなったゲイルの気丈に振る舞う姿とそれを側で支えるチェイス、その背後に佇む大富豪ゲティが優美でどこか哀愁漂う表情で一点を見つめる姿が印象的だ。息子を救うために闘うゲイルの背後で光るフラッシュが、希望の光を求める彼女の心を反映しているようで、陰が覆うゲティと対照的で、この異常な事件の顛末が非常に気になる仕上がりだ。
リドリー・スコットが再撮影をしてまで描きたかった本作。豪華役者陣による極上なサスペンスに酔いしれていただきたい。
ストーリー
“世界中のすべての金を手にした”といわれる大富豪ゲティ。17歳の孫ポールが誘拐され1700万ドルという破格の身代金を要求されたゲティは、こともあろうことかその支払いを拒否。彼は大富豪であると同時に稀代の守銭奴だったのだ。離婚によりゲティ家を離れ一般家庭の人間となっていたポールの母ゲイルは、息子のために誘拐犯のみならず【世界一の大富豪】とも戦うことに。警察に狂言誘拐を疑われ、マスコミに追い回され、疲弊していくゲイル。一方、一向に身代金が払われる様子がないことに犯人は痺れを切らし、ポールの身に危険が迫っていた。それでもゲティは頑なに支払いを拒む。愛する息子を助け出すため、母は一か八かの賭けに出るのだった…。
作品タイトル:『ゲティ家の身代金』
監督:リドリー・スコット
出演:ミシェル・ウィリアムズ/クリストファー・プラマー/ティモシー・ハットン/ロマン・デュリス/チャーリー・プラマー/マーク・ウォールバーグ
脚本:デビッド・スカルパ
原作:「ゲティ家の身代金」ジョン・ピアースン著(ハーパーコリンズ・ジャパン刊)
配給:KADOKAWA
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5月25日(金)全国公開