『落下の解剖学』第96回アカデミー賞(R)で主演女優賞に初ノミネート!ザンドラ・ヒュラーの圧巻の独白シーン映像解禁

落下の解剖学

第96回アカデミー賞(R)で作品賞含む5部門にノミネートされている『落下の解剖学』(2月23日(金・祝)公開)より、本編特別映像が解禁された。

人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラに殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子だけ。事件の真相を追っていく中で、夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ〈真実〉が現れるが――。

解禁された映像は、第96回アカデミー賞(R)で主演女優賞に初ノミネート、カンヌで国際批評家連盟賞を受賞した『ありがとう、トニ・エルドマン』(16)など、演技派で名高いザンドラ・ヒュラーの圧巻の独白シーンを捉えたもの。

夫への殺害容疑を向けられた人気作家のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)へ向け、法廷で次々と繰り出される関係者の証言。一方的にサンドラに不利な証言が繰り広げられる中、彼女は堪らず想いを口にし始める。「あなたは法廷に立ち、個人的な意見ながらも言い切ってる」「夫がどんな人間で、私たちの問題が何かを。ですが、あなたの言うことは単に全体の一部にしかすぎません」――サンドラはドイツ出身だが、夫の母国フランスで暮らしており、フランス語は得意ではない。つまり裁判では第二外国語である英語で気持ちを伝えていくしかない。怒り、悲しみ、苛立ち――沸き立つ複雑な感情を抑え込みながらもはっきりと、母国語ではない英語で吐き出していくその表情には、彼女の切実さ、言葉の壁を乗り越え自らを理解してもらおうとする必死さが滲み出ている――が、果たして、この彼女の主張は事実なのか?

そもそもサンドラは、フィクションとノンフィクションを交錯させ、リアリティのある物語を作り上げベストセラーを頻発する作家だ。彼女の知的なポーカーフェイスの下には、どんな本心が隠されているのか。観る人全てを、疑心暗疑の渦へと引き摺り込んでいくようなシーンとなっている。

ザンドラ・ヒュラーと同じく、本作で米国アカデミー賞(R)初ノミネートを果たしたのは、ジュスティーヌ・トリエ。作品賞、監督賞、脚本賞など3部門でのノミネーションを果たしたが、特に、歴代のアカデミー賞(R)監督部門においては、女性はこれまで合計7人しかノミネートされておらず、今年のノミネートによりアカデミー賞(R)史上8人目という快挙を達成した。ノミネーションの一報を受けたジュスティーヌ・トリエは「脚本を書いているとき、この映画は、とても素晴らしい映画になると確信していました」「直感に従って挑戦的な作品を作り続けることは可能なんだと自分に言い聞かせ続けている」と振り返りながら「一日中泣いていたい。いつも泣かないのに、これはあまりに大きなことだったので、今日は泣いてしまいました」と、さめやらぬ感動を伝えている。

本作は、第76回カンヌ国際映画祭で<最高賞>パルムドールを受賞、第81回ゴールデン・グローブ賞では、並み居る競合を抑え、脚本賞と非英語作品賞の2部門を獲得。第96回アカデミー賞(R)では、作品賞、監督賞(ジュスティーヌ・トリエ)、脚本賞(ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ)、主演女優賞(ザンドラ・ヒュラー)、編集賞の5部門で見事ノミネートを果たし、本国フランスでも瞬く間に動員130万人超えの大ヒットを記録している。

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