映画『バビロン』100年前の景色を完全再現した“バビロンの世界”誕生の裏側を垣間見る特別映像解禁!―大ヒット上映中

デイミアン・チャゼル監督が、ブラッド・ピットマーゴット・ロビーほか豪華キャストを迎え、再びハリウッドを舞台に描いた夢と音楽のエンタテインメント最新作『バビロン』(公開中)より、特別映像が解禁された。

今からおよそ100年前の1920年代ハリウッド。黄金時代と呼ばれ、サイレント映画全盛からトーキー映画へと移り変わる激動の中、富と名声、野心に彩られた映画業界で夢を叶えようとする男女の運命を描いた本作。『ラ・ラ・ランド』でアカデミー監督賞を史上最年少で受賞したチャゼル監督が、映画作りを志してLAに飛び込んだころからの構想15年にわたる自身の夢を詰め込んだ集大成は、映画史上に輝く超大作たちに匹敵する規模となった。

あらゆるエンタテインメントが急速に発展し、まだ誰も体験したことのない夢と音楽に魅せられた、ゴージャスでクレイジーな狂乱の時代を舞台とした本作では、撮影セットも規格外なものばかり。この度解禁されたのは、第95回アカデミー賞で美術賞にノミネートを果たしている本作の、当時のハリウッドを丸ごと体験できる壮大な撮影セットと、その制作裏話が明かされる特別映像。

最初に撮影を行ったのは、マーゴット・ロビー演じるネリー・ラロイが初めて映画撮影のスタジオに足を踏み入れる野外撮影のシーン。この、キノスコープ・スタジオの撮影所はLA郊外の町ピルーの空き地に一から作られ、当時の実際のオープンエアのスタジオやセットをモデルに再現された。

「荒涼とした風景がサイレント映画時代のハリウッドを思わせる。」と明かすプロダクションデザインのフロレンシア・マーティンは、「監督は最初からこだわっていた。“歴史的に正しく”って。入念に調査して1920年代の街並みを再現したわ。」と史実に則って正確に当時の街並みやセットを再現したそう。実際に、何もない荒れ果てた砂漠のような土地に次々と撮影セットが出来上がっていく様が映像内も映し出されており、「何もない荒れ地にいくつもの撮影セットを作り上げた。複数のサイレント映画撮影が同時進行する光景は普通じゃない」とチャゼル監督も熱弁する。

ジャングルのアクションから料理中のキッチン、そこから突然古代の中国に移り、ロッキー山脈の辺境のバーへと様々なセットが立ち並ぶこのシーンでは、ネリー役を演じたマーゴットも圧倒され「これは映画の中でネリーが黙り込んでしまう数少ない場面の一つよ。初めて映画セットに足を踏み入れ、サーカスのような雰囲気に圧倒されてしまうの。ネリーはかなり混沌としていて、その場で一番クレイジーであることが、いつだってネリーの強みでもある。初めて映画セットに乗り込むと、“やばい、この人たち、私よりクレイジーだ”と思うのよ!」と振り返っている。

少し前までは何もなかった砂漠に、新たな映画の世界と物語が生み出されていくこの撮影方法もリサーチに基づいて忠実に再現されたもので、「フロレンシアは難題を解決してくれた。当時のLAの街だけでなく撮影所も再現したんだ。そこには映画セットもたくさん作った。セット内のセットだよ。」とチャゼル監督は明かす。これだけでも大掛かりな挑戦であることは間違いないが、さらに大きな挑戦だったのは、物語の流れ中で、この木製の骨組みと帆布を使ったオープンエアの映画製作法が、次第に現在のような巨大なサウンドステージと舗装された撮影所に置き換わっていくさまを見せることだった。

チャゼル監督は、「田舎に近い町や村が世界有数の大都市に生まれ変わり、荒っぽく騒々しいコミュニティが巨大企業組織に変貌するという、人間模様のストーリーの下に流れる物語だ」とロサンゼルスという街すらも映画の登場人物だと捉えており、時代の移り変わりと共に変化していく街並みと映画製作法を劇中で再現している。当時の風景が残る街並みや荒野を上手く利用しながらも、映画のセット、ロケーション、デザインは、20年代半ばの泥まみれの草むらから、50年代初頭の張り巡らされた道路や高層ビルにまで及ぶ壮大なものになったとか。

また、サイレント映画の大スターであるチャーリー・チャップリンによって建てられた映画館エース・シアター(現ザ・シアター・アット・エース・ホテル)は、当時の内装がそのまま残されていることで有名であり、本作では映画序盤の非常に印象的な狂乱のパーティーシーンの撮影に使用されたそう。100年の時を超えてなお多くの建築物が現役で残っているLAには、“バビロンの世界”が今なお存在している。「昔のLAに足を踏み入れた気がするよ」と語るプロデューサー、マシュー・プルーフの言葉通り、1920年代、黄金時代と呼ばれたハリウッドを丸ごと体験できる本作を、是非大スクリーンで堪能していただきたい。

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