映画『コムライヤ爺さんのお葬式』 が11月15日(金)より公開される。この度、ポスタービジュアルと予告編、場面写真が解禁された。
2014年に成立した、インドで最も新しい州であるテランガーナ州。その州都ハイダラーバードは、インドでもトップクラスの映画界であるテルグ語映画の本拠地であるにもかかわらず、複雑な歴史的経緯と方言の問題から、テランガーナ地方の住人たちはテルグ語映画の表舞台で活躍する機会に恵まれなかったという。そんな中、テランガーナの文化を映画に取り込もうとする試みが徐々に始まり、作中でテランガーナ方言が採用されたり、土地に根付いた文化を写実的に描いたり、地域が生んだ偉人に光を当てるなどといった作品が作られている。
本作でもキャスト・スタッフの多くがテランガーナ出身者で固められ、監督の出身地であるラージャンナ・シリシッラ県の緑豊かな風景の中で撮影されている。
本作は、テランガーナ州にあるラージャンナ・シリシッラ県コーナラーウペータ村にあるのどかな農村が舞台だ。そこに住む1954年生まれのコムライヤは、口の悪いやもめ男。彼と同居しているのは、長男のアイライヤとその妻スワルーパ、その息子サーイルだった。サーイルは奇妙なベンチャー・ビジネスを試みては失敗を繰り返している青年で、家族には隠しているが借金まみれ。彼はまもなく婚約式を行うことになっており、相手の持参金を借金返済に当てようと目論んでいる。
しかし式の前々日に突然コムライヤが他界してしまう。服喪のため式は延期となり、さらに些細な喧嘩がもとで婚約者とその親族が彼のもとを去り、サーイルは慌てる。彼の叔父・叔母にあたるモギライヤとラクシュミもそれぞれの家族を伴ってやってくる。サーイルは叔母に連れられてやってきた従妹のサンディヤに心を奪われる。
コムライヤの告別式と火葬は滞りなく済み、服喪の最終儀礼に当たる、野辺でのカラス（死者の霊や祖霊が宿るとされる）への供犠へと進む。しかしそこに至るまでの間に、久しぶりに一堂に会した親族たちのエゴの衝突や旧怨のぶり返しなどが噴出し、不穏な空気が高まっていく。
サーイル役を『インパクト・クラッシュ』のプリヤダルシ、サンディヤ役をカーヴィヤ・カリヤーンラームが演じ、監督をヴェーヌ・イェルダンディが務める。
小さな村の奇妙な人々の人間関係、死者の霊との神秘的なコミュニケーションなどが、ビームス・シシローリヨーの手になる美しい音楽とともに描かれる。また本作では、弔問客を前に繰り広げられる伝統芸能ハリカタ、野辺送りに随伴する打楽器ティーンマール、死者に語りかける哀哭歌ブッラ・カタなど、様々な民俗音楽が散りばめられている。
『コムライヤ爺さんのお葬式』
出演：プリヤダルシ カーヴィヤ・カリヤーンラーム コータ・ジャヤラーム アイレーニ・ムラリーダル・ガウド ルーパ・ラクシュミ マイム・マドゥ ケーティリ・スダーカル・レッディ
監督：ヴェーヌ・イェルダンディ
脚本：ヴェーヌ・イェルダンディほか
撮影：アーチャーリヤ・ヴェーヌ
音楽：ビームス・シシローリヨー
編集：マドゥ
製作：ハルシト・レッディ ハルシタ・レッディ
製作会社：ディル・ラージュ・プロダクションズ
Balagam（原題）／2023年／インド／テルグ語／本国認証U（G相当）／129分
字幕：内海千広
配給：インドエイガジャパン
(c)ディル・ラージュ・プロダクションズ
公式サイト：https://indoeiga.co.jp/balagam
2024年11月15日（金）よりシネリーブル池袋、キネカ大森にて公開