『少年の君』主演チョウ・ドンユイのオフィシャルインタビュー解禁!「今までで一番難しい役」丸坊主になった秘話も

香港代表として第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた『少年の君』(7月16日(金)公開)より、主演を務めた女優チョウ・ドンユイのオフィシャルインタビューが解禁された。

中国国内では諸般の事情により殆ど宣伝が行われないまま公開されたにもかかわらず、250億円近い興行収入を叩き出す大ヒット、青春映画ジャンルとしてみれば歴代1位の記録を樹立した本作。監督を務めたのは、『インファナル・アフェア』シリーズへの出演で知られる俳優・監督のエリック・ツァンの息子で、デビュー作から高い評価を獲得してきた俊英デレク・ツァン

中国で「13億人の妹」の愛称で親しまれる人気女優チョウ・ドンユイと、国民的アイドルにして本作で演技派俳優としての地位を確立したイー・ヤンチェンシーを主演に迎え、スリリングかつ繊細な美しき傑作を作り上げ、遂に監督作として初めて日本で全国劇場公開が決定した。

中国でも問題視されている「いじめ」と「受験戦争」。チョウ・ドンユイが今回演じたチェン・ニェンはまさに苛烈な受験戦争の真っ只中でいじめにあっている孤独な少女。「今までで一番難しい役だった。他の作品と違いすぎて考えが追いつかないの。手探りで演じる感じよ。ニェンの心の変化を表現するのが難しかった。」と撮影を振り返り苦労をにじませた。さらに「彼女は受験が終われば母親を楽にできると自分に言い聞かせてたの」とチェン・ニェンの葛藤を説明し、「臆病さも夢も言い訳にしてはならない」とチェン・ニェンが見せる強さについても言及した。

プロデューサーのジョジョ・ホイは「心に傷を持つチェン・ニェンを演じるために、本来彼女が持つ空気感を消してもらった」と話す。チョウ・ドンユイが主演を務め、中華圏を代表する映画賞・金馬奨では主演女優賞をW受賞した『ソウルメイト/七月と安生』(公開中)でも監督を務めたデレク・ツァンも「今まで見たことのない彼女を見られるはずだ」と太鼓判を押す。

監督については「演技がよくても歩き方を注意されたり、役との違いを指摘される。毎日手探りで監督が助けてくれた、プロデューサーもね」と感謝するチョウ・ドンユイ。「真面目な制作チームで、仲良くなっても甘えやごまかしは利かない」と、撮影クルーへも大きな信頼を寄せている。ポスターや予告編からも分かるように、彼女は実際に頭を刈り上げて丸坊主になるが「丸刈りにすると聞いた時、私は困ったふりをして“やるなら、みんなで”」と冗談めかして言ったところ、本当にスタッフが一緒に丸刈りにしたエピソードを披露、撮影現場の団結力の強さを教えてくれた。

また本作が、香港アカデミー賞ともいわれる香港電影金像奨では作品賞・監督賞・主演女優賞を含む8冠を達成したほか、これまで実に57の映画賞を獲得。遂には第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされるなど、圧倒的称賛を受けていることについては、「多くの賞を手にできたのはみんなのおかげよ。みんなと一緒なら何でも乗り越えられる」と真っ先に監督やスタッフへの感謝を口にした。

中国でも問題視されている「いじめ」「受験戦争」「ストリートチルドレン」を大きなテーマとして、人気女優チョウ・ドンユイがこれまで見せたことのない体当たりの熱演が国内外で高い評価を受け、数多くの賞を受賞するなど世界中で絶賛された『少年の君』は7月16日(金)公開。

ストーリー
進学校に通う高校3年生のチェン・ニェン。大学進学のための全国統一入学試験を控え殺伐とする校内で、ひたすら参考書に向かい息を潜めて卒業までの日々をやり過ごしていた。そんな日々の中、同級生の女子がクラスメイトのいじめを苦に、校舎から飛び降り自らの命を絶った。少女の死体に無遠慮に向けられる生徒たちのスマホのレンズ、その異様な光景に耐えきれなくなったチェン・ニェンは、遺体にそっと自分の上着をかけてやる。しかしそのことがきっかけで、激しいいじめの矛先はチェン・ニェンへと向かうようになってしまう。彼女の学費のためと犯罪スレスレの商売に手を出している母親以外に身寄りはなく、頼る者もないチェン・ニェン。同級生たちの悪意が日増しに激しくなる中、下校途中の彼女は集団暴行を受けている少年を目撃し、とっさの判断で彼シャオベイを窮地から救う。辛く孤独な日々を送る優等生の少女と、ストリートに生きるしかなかった不良少年。二人の孤独な魂は、いつしか互いに引き合ってゆくのだが…。

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