誰もが一度はその作品を手にしたことのある作家・吉本ばなな。国内はもちろん、翻訳された数多くの小説は海外でも高い人気を誇り、世界中の読者を魅了している。
インタビューで吉本ばななは、『これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。』――著者自らがそう語る最高傑作、「デッドエンドの思い出」が待望の映画化。映画『デッドエンドの思い出』は2019年2月16日(土)に劇場公開となる。また、10月4日~10月13日の期間で開催される釜山国際映画祭での上映が決定している。
本作は韓国と日本を舞台にし、日韓共同製作で紡ぐ物語。主人公ユミは、遠距離恋愛中の婚約者を追いかけて韓国から名古屋へやって来る。しかし久々に再会できると思っていた彼のアパートで出会ったのは、彼に寄り添うように存在していた彼の母親に似た女性だった。彼の裏切りに絶望し、あてもなく名古屋の街をさまようユミが行きついた先は、エンドポイント(=行き止まり)という名の古民家カフェ&ゲストハウス。そこでユミは、周囲を明るく照らすオーナー西山や、カフェに集うちょっぴりおせっかいな常連客たちに出会う。人生の終末を感じてしまうほどの絶望感の中、彼らとの何気ない時間の中でユミは少しずつ自分を取り戻していく。
主人公・ユミを演じたのは、韓国のアイドルグループ少女時代のチェ・スヨン。ユミを暖かく見守り、癒し、同時に自分の過去を清算していこうとするカフェのオーナー・西山に、名古屋発エンターテイメントグループ、BOYS AND MENの田中俊介。
本作でメガホンをとったのは、本作が長編デビューとなるチェ・ヒョンヨン監督。監督は、学生時代、日本文学と映画学を韓国でダブル専攻。2009年に制作した短編映画「The after…」が国内外の映画祭で高く評価され、2010年にはあいち国際女性映画祭のワークショップに招待され、円頓寺商店街を舞台にした短編映画「お箸の行進曲」を監督した。名古屋での撮影は2度目となる。
人は絶望感をいただいた時、人生のエンドポイントに来てしまったような気持ちになる。でも、そこは終点ではなく出発点だと気づいた時、新たな道がみえてくる。誰にでも訪れる絶望感と同じように、再生への希望も誰にでも訪れる。そんなメッセージを優しく綴った物語が誕生した。
ストーリー
30歳を目前にしたごく普通の日々を送っていた韓国人女性・ユミ(チェ・スヨン)。ひとつだけ気にかかっている事があるとすれば、仕事で名古屋へ行ってしまった婚約者テギュとの未来だった。そんなユミはふと思い立ち、テギュに会いに名古屋へと向かう。久々の再会を待ちわびていたユミが、テギュのアパートで見たのは、見知らぬ女性の姿だった。突然知らされたテギュの裏切りに絶望し、あてもなく街をさまようユミ。そんな彼女がたどり着いたのは、エンドポイントという名のゲストハウスを兼ねた古民家カフェだった。エンドポイントのオーナー・西山(田中俊介)は不思議な存在感でユミに寄り添い、カフェに集うちょっぴりおせっかいな常連客たちも傷ついたユミの心をゆっくりと癒していく。そして西山の心の傷に触れた時、ユミの中で確実に何かが変わり始めた……。
作品タイトル:『デッドエンドの思い出』
出演:チェ・スヨン(少女時代) 田中俊介(BOYS AND MEN) 他
監督:チェ・ヒョンヨン
原作:よしもとばなな『デッドエンドの思い出』(文春文庫刊)
配給:アーク・フィルムズ
コピーライト:(c)2018 「Memories of a Dead End」 FILM Partners
2019年2月16日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2月2日(土)シネマスコーレにて、名古屋先行公開