第97回アカデミー賞『エミリア・ペレス』が2部門受賞 ゾーイ・サルダナは助演女優賞を獲得

映画『エミリア・ペレス』(3月28日公開)が、日本時間3月3日に実施された第97回アカデミー賞(R)授賞式にて助演女優賞(ゾーイ・サルダナ)と歌曲賞(「El Mal」)を受賞した。

エミリア・ペレス

第97回アカデミー賞(R)2部門受賞
助演女優賞:ゾーイ・サルダナ
歌曲賞:「El Mal」

女性として新たに生きることを決意したメキシコ最恐の麻薬王と、彼女との出会いで運命を切り開いていく3人の女性たちの姿を、ジャック・オーディアール監督がミュージカル仕立てで描いた本作。

出演するのは、ハリウッド超大作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのゾーイ・サルダナ、主演でカンヌ国際映画祭において、トランスジェンダーの俳優として初めて女優賞を受賞したカルラ・ソフィア・ガスコン、全米の若者から支持を集めるセレーナ・ゴメス、そして国際的に活躍するメキシコ出身のアドリアーナ・パス。

第77回カンヌ国際映画祭では、異例となる4人での女優賞受賞を果たし、審査員長を務めた『バービー』のグレタ・ガーウィグ監督は「4人はそれぞれが秀でていたが、 一緒になると超越していた」と称賛した。

監督と脚本を手掛けたのは『ディーパンの闘い』でカンヌ映画祭パルムドール、『ゴールデン・リバー』でヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞したフランスの名匠ジャック・オーディアール。72歳のベテラン監督とは思えない瑞々しい感性で新境地を切り開き、破天荒なストーリーを圧巻のミュージカル・エンターテインメントへと昇華させた。

制作を務めるのは、フランスのラグジュアリーブランド サンローランより誕生した映画制作部門サンローラン プロダクション。クリエイティブ・ディレクター アンソニー・ヴァカレロがサンローランのために構想し、ラグジュアリーブランドとして初めて本格的な映画制作を行うことを発表した本部門は、これまでウォン・カーウァイやペドロ・アルモドバル、ジャン=リュック・ゴダールら巨匠監督とのタッグによる作品を次々と発表。

そして、長編第一作目となる本作で大躍進。今年度のアカデミー賞(R)では、候補作品の中で最多となる12部門13ノミネートを果たすだけでなく、“非英語映画歴代最多ノミネート”という快挙を達成し、2部門で受賞を果たした。

本作で、第82回ゴールデングローブ賞のほか、第30回クリスティクス・チョイス・アワード、第78回英国アカデミー賞、第31回全米映画俳優組合賞(SAG賞)など、数々の映画賞で助演女優賞を総なめし、助演女優賞プレゼンターのダヴァイン・ジョイ・ランドルフからは、「あなたは私たちを旅に連れて行ってくれました、恐れを知らず、観ていて心から感動しました」と評されたゾーイ・サルダナは、今回が初のオスカー受賞。

スピーチでは涙ながらに喜びを爆発させ、「お母さん!!今日は母が、家族全員が来ています。本当に光栄です。アカデミー、ありがとうございます。女性の、リタのような静かなる存在に注目してくれました。候補者の方、コミュニティの皆様、ありがとうございました。ジャック・オーディアール、私に興味をもってくれたこと、心から感謝しています。キャスト・クルーの皆さんとこの賞を共有したいです。サポートをありがとうございました。私がこれまでやってきたことはすべて皆さんのおかげです。私の祖母は、1961年にこの国にやってきました。私は移民の両親の誇り高き娘です。夢を抱え続け、一生懸命に仕事をしてきました。そして、ドミニカ共和国国籍で初めてアカデミー賞で受賞しましたが、これが最後ではないと信じています。私がこのような賞を手にすることができるということ、スペイン語で演じるという役割をもったこと、私の祖母は光栄に思ってくれると信じています。ありがとうございました」と自らのルーツと、スペインの女性を演じるという本作での役割を重ねて万感の思いを語った。

また、ゾーイ・サルダナと主演のカルラ・ソフィア・ガスコンが歌う「El mal」が歌曲賞を受賞。音楽を担当したフランスのクレモン・デュコルとカミーユも初のオスカーに輝いた。

ストーリー
弁護士リタは、メキシコの麻薬カルテルのボス、マニタスから「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼を受ける。リタの完璧な計画により、マニタスは姿を消すことに成功。数年後、イギリスで新たな人生を歩むリタの前に現れたのは、新しい存在として生きるエミリア・ペレスだった…。過去と現在、罪と救済、愛と憎しみが交錯する中、彼女たちの人生が再び動き出す――。

『エミリア・ペレス』
出演:ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメス、アドリアーナ・パス
制作:サンローラン プロダクション by アンソニー・ヴァカレロ
監督・脚本:ジャック・オーディアール
配給:ギャガ
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3月28日(金)新宿ピカデリーほかにて全国公開!

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