アニエス・ヴァルダ&JR共同監督『顔たち、ところどころ』インディペンデント・スピリットアワードを受賞!

顔たち、ところどころ

名匠アニエス・ヴァルダとアーティストJRの共同監督作『顔たち、ところどころ』 が、 第33回インディペンデント・スピリット・アワード最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。
インディペンデント・スピリット・アワードは毎年アカデミー賞の授賞式前日にLAで開催される、その名のとおり「インディペンデントスピリット」を持った作品に贈られる賞。70分以上の長編、2000万ドル以下で作られた作品が対象となる。

監督のアニエス・ヴァルダとJRの受賞コメント(抜粋)

JR「今日はダンボールじゃなくて、本物のアニエスのとなりにいられてうれしいです。最初から映画を作ろうとしていたわけではなく、アニエスと出会ってすぐに意気投合して友情が芽生え、旅に出ることにしたんです。今日ここで映画として認識されて、みなさんとこの旅をご一緒できたこと、うれしく思います。まさにインディペンデントな状況で始まったこのプロジェクトは、みんながオンラインでお金を送ってくれ、支援をしてくれ、プロデューサーが付き…という感じで進んでいきました。ありがとう!」

ヴァルダ「 独立していることが尊重されるこの場にいられて、いい気分です 。”少ないお金で作られた映画”部門でも受賞できたと思うわ!」

JRのコメントにあるように、アカデミーにノミネートされた人々が集うランチパーティではJRと共にダンボール製等身大パネルのアニエス・ヴァルダが参加したことが大きな話題を呼んだが、本授賞式にはヴァルダ、JRとも本人が登場した。

「ヌーヴェル・バーグの祖母」とも呼ばれる女性映画監督の先駆であり、2015年にはカンヌ国際映画祭で史上6人目となるパルム・ドール名誉賞を受賞したアニエス・ヴァルダ。そして、一般の人が自分のポートレートをプロジェクトのホームページに送り、大きなポスターになって返送されてきた写真を好きな場所に貼る、という参加型アートプロジェクト『InsideOut(インサイド・アウト)』で知られるフランス人アーティストJR(ジェイアール)。
『顔たち、ところどころ 』は、そんなふたりがフランスの田舎を旅しながら、村々に住む市井の人々と接し作品を一緒に作り残していくロード・ムービースタイルのハートウォーミングなドキュメンタリー。

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辛口批評サイトとして知られる「ロッテン・トマト」では3月5日現在、100%という驚異の満足度を記録。第70回カンヌ国際映画祭にて最優秀ドキュメンタリー賞ルイユ・ドール(金の眼賞)、同年の第42回トロント国際映画祭では最高賞にあたるピープルズ・チョイス・アワード(観客賞)のドキュメンタリー部門を受賞。第43回セザール賞ではドキュメンタリー部門にノミネート等、世界の映画祭を席巻している。
監督のアニエス・ヴェルダはこれまで米国アカデミー賞にはノミネートされたことはなく、外国語映画賞に選出されたこともなかったが、60年以上にも渡る映画作りの功労が認められ、2017年9月に「アカデミー名誉賞」を受賞した。

作品タイトル:『顔たち、ところどころ』
出演:アニエス・ヴァルダ、JR
監督・脚本・ナレーション:アニエス・ヴァルダ、JR
(2017年/フランス/89分)
音楽:マチュー・シェディッド(-M-)
配給・宣伝:アップリンク

コピーライト:(c)Agnes Varda-JR-Cine-Tamaris, Social Animals 2016

2018年9月、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開

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