第69回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した「By the Grace of God」が、邦題を『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』とし、2020年7月に公開することが決定した。
フランスでは今現在も裁判が進行中の「プレナ神父事件」。
一人の勇気ある告発者から端を発した児童への性的虐待事件は、結果的に80人以上もの被害者が名乗りをあげ、プレナ神父が教区を変えながら長年にわたって信者家庭の少年たちに性的暴力を働いていたという驚くべき事実が白日の下にさらされた。
フランスのみならずヨーロッパを震撼させたこの衝撃の事件に、今やフランス映画界のトップにして最先端に立つフランソワ・オゾン監督が、挑む。
物語は、何十年経ってもなお、虐待のトラウマに苦しむ男たちが告発するまでの<葛藤>と、社会や家族との軋轢など告発したことによる<代償>、それでも告発によって確かに生まれた<希望>を紡ぎ出す。
人生を破壊する性的虐待という暴力の恐ろしさと、そこから再生していく人間の力強さ、そしてそれを支える家族の愛が描き出され、まさに人間という存在の光と闇が、ここにある。
★第25回 リュミエール賞 5部門ノミネート
(作品賞/男優賞:スワン・アルロー/脚本賞/撮影賞/音楽賞)
★第45回 セザール賞 7部門8ノミネート/助演男優賞受賞
(作品賞/監督賞/主演男優賞:メルヴィル・プポー/助演男優賞:スワン・アルロー、ドゥニ・メノーシェ/助演女優賞:ジョジアーヌ・バラスコ/脚本賞/編集賞)
ストーリー
妻と子供たちと共にリヨンに住むアレクサンドルは、幼少期に自分を性的虐待したプレナ神父が、いまだ子供たちに聖書を教えていることを知り、家族を守るため過去の出来事の告発を決意する。最初は関りを拒んでいたフランソワ、長年一人で傷を抱えてきたエマニュエルら、同じく被害にあった男たちの輪が徐々に広がっていく。しかし、教会側はプレナの罪を認めつつも、責任は巧みにかわそうとする。アレクサンドルたちは信仰と告発の狭間で葛藤しながら、沈黙を破った代償──社会や家族との軋轢とも戦わなければならなかった。果たして、彼らが人生をかけた告発のゆくえは──?
作品タイトル:『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
出演:メルヴィル・プポー、ドゥニ・メノーシェ、スワン・アルロー、ジョジアーヌ・バラスコ、エレーヌ・ヴァンサン
監督/脚本:フランソワ・オゾン『しあわせの雨傘』』『彼は秘密の女ともだち』『2重螺旋の恋人』
2019年/フランス/2時間17分/カラー/ビスタ/5.1ch
原題:Grace a Dieu
日本語字幕:松浦美奈
映倫区分:G
提供:キノフィルムズ
配給:キノフィルムズ/東京テアトル
公式サイト:www.graceofgod-movie.com
コピーライト:(c)2018-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-MARS FILMS–France 2 CINÉMA–PLAYTIMEPRODUCTION-SCOPE
7月、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開