トロイ・コッツァー製作総指揮『裸足になって』7月公開決定!夢と声を奪われた少女の再生の物語 ―予告編解禁

裸足になって

ムニア・メドゥール監督作『Houria』が、『裸足になって』の邦題で7月21日(金)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショーとなる。本予告と本ポスタービジュアルが解禁された。

北アフリカのイスラム国家、アルジェリア。内戦の傷が癒えきらぬ不安定な社会の中でバレエダンサーになることを夢見るフーリアは、貧しくもささやかな生活を送っていた。しかしある夜、男に階段から突き落とされ大怪我を負い、踊ることも声を出すこともできなくなってしまう。すべてを失い、抜け殻となったフーリア。そんな失意の中、彼女がリハビリ施設で出会ったのは、それぞれ心に傷を抱えたろう者の女性たちだった。「あなたダンサーなのね。わたしたちにダンスを教えて」その一言から始まったダンス教室で、また再び“生きる”情熱を取り戻していく―。

主人公フーリアのダンスは、手話をモチーフにしたコンテンポラリーダンス。言語の壁を超えた肉体表現として、どんな台詞よりも雄弁に私たちにその想いを訴えかける。抑圧された社会の中で、手を携えて立ち上がる女性たちとの交流を通じて、尊い慈愛と生きる力強さを瑞々しく描き出す。

本作を手掛けたのは第72回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された『パピチャ 未来へのランウェイ』のムニア・メドゥール監督。主人公フーリアを体当たりで演じたのは、ウェス・アンダーソン監督『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』で、ティモシー・シャラメらと共演し、キュートな存在感を放ったことも記憶に新しい、アルジェリア出身の期待の新星リナ・クードリ。そして、製作総指揮は『コーダ あいのうた』でろう者の俳優として初めてのアカデミー助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーが務める。

本作の脚本も手がけたムニア・メドゥール監督は「アルジェリア社会を舞台に、現代の問題や、人間と言語の豊かさをもっと掘り下げたいという気持ちがあった」と言う。北アフリカのイスラム国家であるアルジェリアは1990年代に“暗黒の十年”と呼ばれる内戦が勃発、その治安回復と同時に膨大なテロ事件が起き、20年以上が経った今でも癒えない傷が人々の心に隠されているのだ。「『裸足になって』では、事故による変化に苦しむ若いダンサーの物語を語ることで、現在のアルジェリアの歴史に再び踏み込むことにした」「私は元々、ドキュメンタリー映画出身だから、映画でフィクションに書き直すために、自分の記憶の奥や体験に迫るのが好きなの。私自身、事故でかかとを複雑骨折した後、しばらく動けず、長いリハビリをしたことがあって、孤独や寂しさ、障害、そして何よりも再起について語りたいと思っていたのよ」と明かし「フーリアは再生して、最終的にはもっと強い女性、つまり彼女自身になる。耐えることにより偉大になったフーリアのヒロイン像は、傷つきながらも立ち上がるアルジェリアのイメージを想像して出来上がったわ」とコメントしている。

予告編のナレーションは、「ルパン3世」の峰不二子役や「愛の不時着」ユン・セリ役、「鬼滅の刃」墜姫役などを務める声優の沢城みゆき。フーリアのこれからの人生を祝福するような力強いナレーションとなっている。

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