空音央監督『HAPPYEND』に李相日監督、三浦透子、後藤正文ら著名人のコメントが到着 本編映像も解禁

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映画『HAPPYEND』(10月4日()公開)をひと足早く鑑賞した著名人からのコメントと、本編映像が解禁された。

本作は、短編映画『The Chicken』、コンサートドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』で世界中の映画祭から注目を集めた空音央監督の長編劇映画デビュー作。先日行われたヴェネツィア国際映画祭ではオリゾンティ・コンペティション部門へ正式出品されたほか、トロント国際映画祭、ニューヨーク映画祭、釜山国際映画祭、ロンドン映画祭での上映も決定している。

そんな本作に、先日解禁された90秒予告に収められた濱口竜介監督のコメントをはじめ、李相日監督、俳優の三浦透子、ミュージシャンの後藤正文ら著名人からのコメントが到着。

あわせて解禁された本編映像では、主人公のユウタ(栗原颯人)とコウ(日高由起刀)がいつもの仲良しメンバーのアタちゃん(林裕太)、ミン(シナ・ペン)、トム(ARAZI)と夜の学校に忍び込み、音楽機材が置いてあるいつもの溜まり場へ。クラブでDJがくれた音源データを使ってユウタとコウが順番にDJをする。ノリノリの2人と共にアタちゃんが踊り、トムとミンも楽しげな様子で、5人の仲の良さがうかがえるシーンとなっている。

林以外の4人が演技初挑戦となった本作。クランクイン前にはメインキャストを中心としたワークショップが実施された。空監督は、生徒役の5人について「運命的な出会い。第一印象で彼らしかいないと思った」「撮影に入る前に5人の関係性を築くというのがすごく大事でした」と振り返っている。実際に、ワークショップの後に5人が自主的に本読みをして集まったり、一緒にご飯を食べたりしているうちに、何年も前からの友達のような関係性が深まっていったという。

また監督は「5人のメインキャラクターは、それぞれ僕や、友人の要素をシャッフルさせて作り上げた部分があります」と自分自身や親しい友人たちがモチーフになっているとも明かしている。

コメント全文(順不同・敬称略)

見終えた後もずっと『HAPPYEND』の登場人物たちが自分の中を生きている。
遥かな未来への予感を抱かせる、空音央と若者たちの出発点。
濱口竜介(映画監督)

ほろ苦い青春を体現する俳優たちの瑞々しい存在感に、郷愁と温もりを感じた。
同時に、この世界を覆う暗雲と、いつまでも排他的な人間の本性に戦慄が走った。
言葉にならない感情や、目には見えない空気が鮮明に映し出されていた。
まるで、エドワード・ヤンが蘇ったかのような錯覚を覚えた。
李相日(映画監督)

素直に絡まり合う登場人物たちの心体が美しい。
繊細な迷いも、ちょっと乱暴な思いやりも、今の私にはあまりにも眩しかった。
疑問も願いも諦めたくないと、勇気を貰える映画でした。
三浦透子(俳優)

大人になるということは、社会の不条理をすべて受け入れて、これが世間だと居直ることではない。
映画のなかの彼らが僕を見ている。僕は彼らの傍に立って、同じ目で社会に対峙したい。
私たちの姿勢や態度を、静かに、だけど鋭く、見つめ直されるような、眼差しの映画。
後藤正文(ミュージシャン)

高校生の時に、敷かれたレールの外に気づいた時のことを思い出した。
自分が社会に属していて、やりたいこと、やるべきこと、友達、家族。それらについて同時に考えないといけない。
下から這ってくるような焦燥感を初めて感じた。
そしてそれを繰り返す度、何かを作ることに意義があると信じることができる。
何年経っても見るたびに現実を突きつけてくれる作品に育っていくと思います。
Licaxxx(DJ)

「抵抗」とはどこから来るのか。
「うまくやる」という仮面をいつまで被り続ければいいのか。
友情とは立つ場所によって見え方が変わるもの。
腐敗する権力に生活という未来を剥ぎ取られている日本で、この作品は未来でなく今なのです。
SIRUP(シンガーソングライター)

あえて情報を入れないままぼーっと観始めたら、青春映画の傑作だったという不意打ちの喜びを味わえました。
今振り返ると尊いとさえ感じるあの頃特有の気怠さが、自然且つ丁寧に完璧に表現されていて、
最初から最後まで目が離せませんでした。
大橋裕之(漫画家)

契約した覚えがない。
「違法」の範囲を権力者たちが決定すること。根拠のない神話によって「日本人」が決定されること。
国家が軍隊や警察という暴力装置を持つことができること。 一方的に提示される暴力的な条件の全てを、生まれてこの方一度たりとも承認した覚えがない。
それはなんとなく許されているだけで、抗い難いもののように演出されているだけだ。
それを許しているものの正体はなんなのか?
――映画はあなたに問うている。
春ねむり(ミュージシャン)

この映画を「青春映画」なんて言葉でごまかしたくない。
問うこと、抵抗すること、傷つくこと、傷つけること、もがきながらも、すでにつねにともに生きている「あなた」を見つけること。
これはわたしたちの暮らす社会の話であり、生の話である。
永井玲衣(哲学者・作家)

坂本龍一の最後の演奏を記録した美しい作品でデビューした空音央監督の長編劇映画第一作は、瑞々しくも大胆な青春群像映画だった。
ここには『キッズ・リターン』の北野武と『牯嶺街少年殺人事件』のエドワード・ヤンがいる。
「幸福な結末」というタイトルの、はじまりの物語。
佐々木敦(批評家)

監視社会も、汚職政治も、どうしたら変えられるのだろうか。
「しょうがない」で、本当に諦めていいのか。
今の日本が、そして世界が必要としている作品。
竹田ダニエル(ジャーナリスト、研究者)

権力に監視され、分断と弾圧が社会を侵す未来。
諦念に生きる若者が選ぶのは、享楽か反抗か――
才能と主張がここまで統合した映画があるのか。
軋む時代の音に乗って響く、次代を鳴らす傑作。
SYO(物書き)

デモに行って嘲笑われたことがある。差別に反対して叩かれたこともある。
そんなどうしようもない現実の写し鏡となるこの映画の中で、ルーツも思想も異なる子どもたちが他者を想像することを学んでいく。
今我々が生きる悲しみと怒りの世界にだって、きっとまだハッピーエンドに続く道は残されているはずだ。
この子どもたちのこれからのように。
ISO(ライター)

ストーリー
ユウタとコウは幼馴染で大親友。仲間たちと音楽を聴いたり悪ふざけをしながら毎日を過ごしていた。高校3年のある晩、こっそり忍び込んだ学校でユウタはとんでもないいたずらを思いつく。翌日いたずらを発見した校長は激昂し、学校に四六時中生徒を監視するAIシステムを導入する騒ぎにまで発展。この出来事をきっかけに、大学進学を控えるコウは自らの将来やアイデンティティについて深く考えるようになる。その一方で、変わらず楽しいことだけをしていたいユウタ。2人の関係は次第にぎくしゃくしはじめ…。

第81回ヴェネツィア国際映画祭 オリゾンティ・コンペティション正式出品

HAPPYEND
出演:栗原颯人 日高由起刀 林裕太 シナ・ペン ARAZI 祷キララ 中島歩 矢作マサル PUSHIM 渡辺真起子/佐野史郎
監督・脚本:空 音央
撮影:ビル・キルスタイン
美術:安宅紀史
音楽:リア・オユヤン・ルスリ
サウンドスーパーバイザー:野村みき
プロデューサー:アルバート・トーレン、増渕愛子、エリック・ニアリ、アレックス・ロー、アンソニー・チェン
製作・制作: ZAKKUBALAN、シネリック・クリエイティブ、Cinema Inutile
日本・アメリカ/2024/カラー/DCP/113分/5.1ch/1.85:1 【PG12】
配給:ビターズ・エンド
(C) 2024 Music Research Club LLC

公式X:https://x.com/HAPPYEND_mv
公式Instagram:https://www.instagram.com/bitters_end/

10月4日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開

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