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注目ポイント3か条で徹底解剖『皮膚を売った男』赤ペン瀧川の解説動画解禁!画家・大竹伸朗ら著名人のコメントも到着

第77回ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門で主演のヤヤ・マヘイニが男優賞を受賞したほか、東京国際映画祭でも正式出品され、さらに第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた話題作『皮膚を売った男』(2021年11月12日(金)公開)の解説動画が解禁された。さらに著名人からのコメントも到着した。

主人公サム(ヤヤ・マヘイニ)は、当局の監視下にあり国外へ出られなくなってしまう。海外で離れ離れになってしまった恋人に会うためなんとかして出国したいと考えていた彼は偶然出会った芸術家からある提案を受ける。それは、背中にタトゥーをし、彼自身が”アート作品”となることだった…。芸術品となれば大金を得ることができ、展覧会の度に海外にも行ける。恋人に会うためオファーを受けたサムだったが、次第に精神的に追い詰められてゆく。高額で取引されるサムを待ち受ける運命とは…。

今回解禁された動画では、数々の映画作品、話題のドラマ解説などで人気の赤ペン瀧川が、本作を注目ポイント3か条から徹底解剖

「これが、まあ、めちゃくちゃ面白かった!」と本作を絶賛する赤ペン瀧川は、そのあらすじを一般の人なら体験するはずもない波乱万丈なストーリーで人生が激変した男の物語と説明、すかさず「そんな人間現実にはいないわ。」と的確なつっこみまで披露。カウテール・ベン・ハニア監督が着想を得たアーティスト ヴィム・デルボアの紹介も丁寧に解説している。

さらには「見逃さないでほしい!注目ポイント3か条」と題して、本作を読み解く重大なキーポイントをわかりやすく解説している。そして、「恵まれた人間と呪われた人間との、恐ろしく残酷な世界の縮図。主人公サムが辿り着く結末をぜひ劇場で見届けて頂きたいと思います!」と締め、さらに興味が高まる動画となっている。

また今回、日本を代表する画家のひとりとして名を馳せている大竹伸朗、数々のファッションブランドとコラボを果たし度々話題な現代美術作家の加賀美健、第19回「このミステリーがすごい!大賞」文庫グランプリを受賞し、今年4月にデビュー作「甘美なる誘拐」を発表した作家・平居紀一、お笑い芸人としても活躍するほか、独特の作風で画家としても定評のあるレイザーラモンHG、同じくお笑い芸人だが迫力のあるイラストでSNS等で話題を呼んでいるミサイルマン岩部彰西代洋、第24回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家の茜灯里、作家や映像プロデューサーと幅広く活躍する亀野仁、作家の北原真理、同じく作家の城戸喜由、現代アートを中心に様々なジャンルの展覧会を開催している森美術館館長の片岡真実といった著名人から、以下のコメントが寄せられている。

目次

コメント一覧(敬称略)

大竹伸朗(画家)
最先端芸術界のなんともやり切れない空気の中、サムの笑顔がふと浮かびその「無意味」が「絵を描く」ことの喜びに色を灯す…それが救い。

◆加賀美健(現代美術作家
アートは自由なものだなんて言葉を良く聞きますが実は不自由なものなんじゃないか? 
不自由だからこそ面白いものなのか?自由って何だろう? 

◆平居紀一(作家/このミス文庫グランプリ受賞)
国家と自由、自由と芸術、芸術と市場、そしてすべてを支配するシステム。
精緻なストーリーの導く驚愕のラスト。逃れる道はある、のか

◆レイザーラモン HG(お笑い芸人)
アートは際限がなく、「これはアートだ」と言ったもん勝ちだと思う。観ないとセイでしょう~。
あと主人公の背中の筋肉は程よく隆起し、シンメトリーが取れていて僕にとってはアートでした!

◆ミサイルマン岩部彰(お笑い芸人)
究極の芸術作品とは?と考えさせられる映画。
本編に出てくる一枚の絵はシーン毎に価値と作品のタイトルが変わる不思議な絵でした。

◆ミサイルマン西代洋(お笑い芸人)
自由な今の日本にいると身近に感じれない紛争、難民問題
そんな中この作品は現代美術と恋愛というフィルターを通してポップに奇抜にお洒落に感じさせてくれた
自由のために背中に背負った「自由」
「自由」が自由を苦しめる。
オシャレなカットもたくさんあって美術館に行ったような上質な時間を味わえた
そしてまさかのエンディング!?
この監督も背中に作品を掘る様な狂気の類いの監督や。
エンディングを見た時のこちらのリアクションすら作品の一部にしてるんちゃうか!?
そっか我々は監督に自分の顔を買われていたのかも(笑)♪

◆茜灯里(作家・科学ジャーナリスト)
チュニジア発、変格ミステリ誕生。シリア難民の背に刻まれた“ビザ”は、幸・不幸のどちらへ導くのか。
ラスト20分間は、ミステリ通でも予想できぬ展開。

◆亀野仁(作家・映像プロデューサー)
社会派でありながら、娯楽性も十二分のエンタメ作品。
この広い幅と深い内容を一本の映画で完璧に表現しているのは、すごい。

◆北原真理(作家)
誰かと共に観たい映画だ。必ず、語りあいたくなる。人生の意味とは。自由とは。持てる者と持たざる者の相克とは。そして、気づく。恋人に逢うために背中を売ったサム・アリは、シリアから遠く離れた極東のこの日本で、今日を生きる私達の似姿でもある。私達も、自分の一部を切り売りして、日々、生きている。流石に、陳列され、オークションにかけられることはないだろう。けれども、時間、体力、能力、容姿、信条、etc.売れるものは何でも売る。
大昔、“人間は、決して、目的のための手段にされてはならない”と語った哲学者がいたけれど、現代の社会で、私達自身が経済的な手段にならずして、どうやって、食べていけるというのだろう。
ねえ、愛する人のために、何を売れる?仕事も家もなかったら、どうやって稼ぐ?映画を見ながら、問い続けていた。世界には、サムのような持たざる人々が、何千万人もいる。祖国を追われ、仕事も住む家もなく、明日、何を食べればいいのかと悲嘆にくれるとき、私には、一体、何ができるだろう。
本当に、すごい映画だった。浅薄な言葉では語りつくせない。最後の場面が、私は一番、好きだ。
人生の意味を売ると豪語するジェフリーと、本当は、最初から人の生きる意味を看破していたのではないかと思わせるサムとの、静かな対話が火花を散らす。「自由の身だな」と言うジェフリーに、「Yes, I am. 今までと同じくね」とサムが返したのに、思わずクスッと笑ってしまったのは、きっと私だけではないだろう。人間性を阻害され、皮膚=外面だけの価値を認められていたサムと、世間(システム)が認める内面の価値は偽物(イミテーション)で、実は外面だけの存在だったジェフリーとの、痛快な、逆転劇である。
カウテール・ベン・ハニアから、スクリーン越しに渡された”魔法の絨毯“は、きっと、どこにも飛んでいけない絨毯だ。何某かの代償を魔物に差し出さずとも、最初から、人は、”自由と愛“を携えている存在なのである。戦乱の地にあっても、流浪の民となっても、それは変わらない。
多くの人に、是非、観てほしい映画である。

◆城戸喜由(作家)
タトゥーを彫ったら何かが変わるだろうか? そりゃ変わるだろう。何が変わる? そう。人間から、アートへと。

◆片岡真実(森美術館館長)
現代アート界や市場の循環構造に、国境、難民差別、人権問題、テロ、フェイクニュースなど世界の今日的課題が絡み合い、そこに古典的な“貫く愛”と人間の多様な欲望が通底する、異色の映画。

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