キム・ヘス、イ・ジョンウンが初共演を果たし、新鋭パク・チワン監督とタッグを組んだ映画『ひかり探して』の日本版ビジュアルが完成した。
遺書を残して絶壁から消えた少女、人生の淵に立ちながら事件を追跡する女刑事、そして少女に関わる声なき目撃者―。
本作は、逆境や絶望の淵に立つ女性たちが選んだ選択について描いた物語であり、見る者に勇気と希望の光を指し示してくれる温かなヒューマンドラマである。
韓国を代表する実力派俳優のキム・ヘスは刑事ドラマの傑作として知られる「シグナル」の演技で百想芸術大賞の最優秀演技賞を受賞し、1,000万人動員を記録した映画『10人の泥棒たち』、『国家が破産する日』への出演で国民的俳優の地位を確立した。
本作で、自ら信じていた人生が壊れてしまった女性を表現するために、ノーメイクで撮影に臨んだキム・ヘスは、「いくつかのシナリオの中で、まるで映画のように『私が死んだ日』(原題)の題名が目に焼き付いた。ジャンルが何なのか、どんな役なのかを知る前に、私はこの映画への出演が運命のように感じた」と出演を快諾。
シナリオ執筆中から理想の主演女優として念頭に置いていたキム・ヘスの出演参加が信じられなかったというパク・チワン監督。完成後には関係者を前に「絶望の底にいても、人生をあきらめない“ヒョンス”という人物に完全に同化していた」とキム・ヘスへの賛辞を惜しまなかった。
そして、「ミスターサンシャイン」「まぶしくて」「他人は地獄だ」「椿の花が咲く頃」等のドラマでの強烈なシーンスティラーであり、2019年カンヌ映画祭と米アカデミー賞を総なめした映画『パラサイト半地下の家族』ではアメリカ俳優組合賞映画部門アンサンブル賞をはじめ、多数の助演女優賞に輝いた名優イ・ジョンウンが、本作では事故で声を失った目撃者役を演じた。
「コミュニケーションの一番の手段である言葉を取り払って、セリフなしのアクションと表情だけで感情表現するのは難しかったが、沢山のことが学べるやりがいのある役だった」と語る。
休憩時間にスタッフとは表情と身振りだけでコミュニケーションに努めるなど、セリフを排して感情のディテールを伝える訓練をしていたという。意外にも、本作でキム・ヘスと初共演となった。
一方、子役時代から高い演技力が注目されていたノ・ジョンイが事件の核となる失踪した少女セジン役を演じた。パク・チワン監督が「とても老練な俳優」と評価したノ・ジョンイは感情の振幅が大きいキャラクターを自然に演じることに徹している。さらに話題のドラマ「椿の花咲く頃」「愛の不時着」など出演する作品ごとに躍動感あふれる演技で物語のスパイス的な役割を果たす実力派俳優キム・ソニョンが、主人公ヒョンスの側で彼女の傷を癒す友人ミンジョンに扮し、映画に温かみを加えている。
そして映画とドラマ、バラエティー番組にまで出演する多才な俳優イ・サンヨプがセジンの保護観察を担当した刑事ヒョンジェ役を熱演しているのも見逃せない。セジンが信頼を寄せる継母チョンミ役を演じるムン・ジョンヒもまた、短い登場でも印象的な熱演を繰り広げ、演技派俳優としてドラマに華を添える。
女子高生の悩みと成長譚を温かい視線で描き出した短編『女子高生だ』が、第10回ソウル国際女性映画祭で最優秀賞を受賞し、その演出力が立証された新鋭パク・チワン監督。長編デビュー作となる本作は、シナリオ初稿から8年を経過して完成した。
「人と人との関わりが、生きる希望となる物語を描きたかった」と語るパク・チワン監督は、絶壁から消え去った少女とその痕跡を追跡する女性刑事、そして彼らと関わる島の住民まで、それぞれ人生の崖っぷちに立たされた女性たちの見えない連帯をきめ細かく深みのあるものにした。
2021年に開催された韓国のゴールデン・グローブ賞と呼ばれる第57回百想芸術大賞で、『夏時間』や『サムジンカンパニー1995』などをおさえて、映画部門の脚本賞に輝いた。まさに将来を嘱望される映画監督の一人となったパク・チワン監督の今後から目が離せない。
ストーリー
台風が吹き荒れるある日の夜、遺書を残し離島の絶壁から身を投げた少女。休職を経て復帰した刑事ヒョンスは、少女の失踪を自殺として事務処理するため島に向かう。少女の保護を担当した元刑事、連絡が途絶えた少女の家族、少女を最後に目撃した聾唖の女、彼らを通じて少女がとある犯罪事件の重要参考人だった事実を知ったヒョンスは、たった一人孤独で苦悩していた少女の在りし日に胸を痛める。捜査を進めていくにつれ、自身の境遇と似ている少女の人生に感情移入するようになり、上司の制止を振り切って、彼女は次第に捜査に深入りして行く…。
作品タイトル:『ひかり探して』
出演:キム・ヘス、イ・ジョンウン、ノ・ジョンイ、キム・ソニョン
監督・脚本:パク・チワン
製作:ワーナーブラザーズピクチャーズ
制作プロダクション:オスカー10スタジオ、ストーリー・ポン
2020年|韓国映画|116分|カラー|5.1ch|DCP|英題:The Day I Died: Unclosed Case|
原題:내가죽던날|字幕翻訳:根本理恵
配給:スモモ、マンシーズエンターテインメント
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