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【コラム】『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』”キュン”だけじゃない!優しくて愛おしい日常が詰まった、家族愛の物語

偶然のいたずらでひとつ屋根の下で暮らすことになった二人の恋と、家族の繋がりを描いた映画『いつか、いつも……いつまでも。』が10月14日(金)より全国公開される。

海辺の小さな町で医師として働く主人公・俊英のもとに、ある日彼の憧れていた女性と”ソックリ”な亜子が現れる。胸ときめくも束の間、彼女の”こじらせ女子”っぷりに俊英の理想像はあっけなく砕けるが、図らずも亜子は俊英一家のもとで暮らすことに…。

感情表現が苦手で、そっけない態度の裏に優しさを隠した主人公・俊英を演じるのは、『散歩する侵略者』(17)、「賭ケグルイ」シリーズ(19,21)、『前田建設ファンタジー営業部』(20)、『異動辞令は音楽隊!』や、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の高杉真宙
その主人公の憧れの人と”ソックリ”でありながら、真逆なイメージの亜子には、映画『町田くんの世界』(19)で主演を務め、『コンフィデンスマンJP』シリーズ(20,22)、『ウェディング・ハイ』(22)、ドラマ「元彼の遺言状」(22)の関水渚。抱いた夢を諦めきれず傷つきながらも、一緒に暮らすことになった俊英と彼の家族の温かさに触れ次第に自分自身を取り戻していく純粋でまっすぐなヒロインを瑞々しく演じている。

そして、突然やって来た亜子を大らかに受け入れ、二人をさり気なく、時には好奇心いっぱいで見守るのは、個性豊かな愛すべき家族たち。診療所の院長で包容力のある俊英の祖父“じいさん”役を、石橋蓮司。愛情深くて猪突猛進な家政婦“きよさん”役に芹川藍。思い込みの激しい俊英の“叔母さん”役を水島かおり。またDJ松永(Creepy Nuts)が、俊英の親友・洋司役で劇場映画初出演。さらに俊英の元婚約者として小野ゆり子佐藤貢三中島歩江頭勇哉(映画初出演)らが顔を揃える。

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忘れてしまった”自分らしさ”を取り戻していく姿を描く、ヒューマンラブストーリー

俊英(高杉真宙)と亜子(関水渚)、お互い性格は真逆だが、自分の気持ちに素直になれない部分で似た者同士の2人。ウマが合わず度々言い争いを起こし、階段の上で取っ組み合いをしたり、おかずを取り合ったり、デコピンしたり・・・まるで小さな兄妹の喧嘩のようなじゃれ合いがほほえましい。

そんな2人のコミカルで”キュン”なシーンも見物だが、本作を語る上で重要なのは、温かで穏やかで、そしてちょっぴりめんどくさい”家族愛”だ。

俊英を取り巻く環境は、老若男女関わらず、人によってはいささか苦痛かもしれない。食事は自分のタイミングではなく、家族そろってが基本。家族や親戚にプライベートを必要以上に詮索されたり、親戚の子どもの誕生会にプレゼントの用意を頼まれ、無理やり参加させられたり…もはや懐かしさすら感じる、煩わしさの数々――。

突然家に来ては人の話を全く聞かず、言いたいことだけ言って嵐のように去って行く叔母さん(水島かおり)や、俊英と亜子の関係を気にかけ、元彼女の襲来に本人以上にヤキモキする家政婦・キヨさん(芹川藍)など、身内の”おせっかいな人たち”に対する強烈な既視感は、きっと「こんな人いるいる!」と多くの人が感じるだろう。

それでも、見守られ心配され、自分の事を自分以上に気にかけてくれる家族という存在のありがたさは、離れてみて気が付くもの。何もかもうまくいかず、自暴自棄になっていた亜子の心を溶かしたのは、情熱的だったり燃え上がるような愛ではなく、何気なく普遍的な愛に溢れた、俊英の家族の存在があってこそだ。

いつか、いつも・・・・・・いつまでも。

劇中に出てくる料理の数々も、本作のもうひとつの主役。きよさんが作る、大皿に盛られた卵焼き、根菜の煮物、焼き魚といった家庭料理の数々や、亜子が作る紫いものきんつば、卵サンド、ふわふわのシュウマイなど、作る人の優しい気持ちが伝わる描写に、おなかも心もほっこりするはず。

家族と食卓を囲むこと、作ったものをおいしいと誰かが食べてくれること、自分がいいなと感じたものを共有できること…俊英の家族と亜子との小さなひとつひとつのやり取りが愛おしく、優しい気持ちにさせてくれる。

特別なことはないけれど、誰もが過ごしてきたであろう、懐かしくてかけがえのない日常がぎゅっと詰まった本作。道を見失ったり、こんがらがってしまったとき、”ニュートラルな自分”に戻れる場所をきっと教えてくれるはずだ。映画『いつか、いつも……いつまでも。』は10月14日(金)より全国公開。

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