現在ヒット中の傑作サスペンス映画『ジュリアン』(新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開中)が、この度、フランス時間2月22日(金)に開催された第44回セザール賞授賞式にて、最優秀作品賞、主演女優賞、オリジナル脚本賞、編集賞を受賞した。セザール賞は、フランスで最も権威ある映画祭で、別名“フランスのアカデミー賞”と呼ばれている。
主人公は、離婚した父親アントワーヌと母親ミリアムの間で揺れ動く息子ジュリアン。まだ11歳の彼は母親を守るために必死で嘘をつき続けるが…。
本作のメガホンを執ったグザヴィエ・ルグラン監督は、『ジュリアン』が長編デビュー作となる。ルグラン監督は初監督作品での作品賞受賞に「素晴らしい、本当にありがとう。この作品は国際的に重要なテーマだった。」と出演者、スタッフ一同に感謝を述べたのち本作の題材「DV」が世界で問題になっていることを示唆した。
初めてセザール賞主演女優賞を受賞したジュリアンの母役を演じたレア・ドリュッケールは、自身の名が呼ばれると凛とした面持ちで登壇し、「私はこの賞を捧げたい。現実の中にいるミリアム(レア演じるDVを受けた女性)のようなすべての女性たちに。」と世のDV被害にあう女性たちに向けてメッセージを贈った。また、この賞で外国映画賞を受賞したのは日本の『万引き家族』(18)、こちらも“家族の問題”をテーマに描いた話題作だ。
本作は、『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)が金獅子賞を受賞した《第74回ヴェネチア国際映画祭》にて最優秀監督賞にあたる銀獅子賞を受賞。その後も《サンセバスチャン国際映画祭》や《トロント国際映画祭》など、数々の映画祭で喝采を受け、アメリカの映画批評サイトRotten Tomatoesでは94点の高評価を獲得している注目作。
フランスの映画サイトAllocineでは2018年のTOP1映画に選出。ほかにも、鬼才ジョン・ウォーターズ監督が2018年の映画ベスト10に本作を選ぶなど世界中から高い評価を受けている。
日本でも悲しいニュースが飛び交う中、世界中で注目される家族の在り方。これらの映画を通して真摯に向き合うきっかけになるのではないだろうか。
映画『ジュリアン』は、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開中。
ストーリー
両親が離婚したため、母ミリアム、姉と暮らすことになった11歳の少年ジュリアン。離婚調整の取り決めで親権は共同となり、彼は隔週の週末ごとに別れた父アントワーヌと過ごさねばならなくなった。母ミリアムはかたくなに父アントワーヌに会おうとせず、電話番号さえも教えない。アントワーヌは共同親権を盾にジュリアンを通じて母の連絡先を突き止めようとする。ジュリアンは母を守るために必死で父に嘘をつき続けるが、それゆえに父アントワーヌの不満は徐々に溜まっていく。家族の関係に緊張が走る中、想像を超える衝撃の展開が待っていた。
作品タイトル:『ジュリアン』
出演:レア・ドリュッケール ドゥニ・メノーシェ トーマス・ジオリア マティルド・オネヴ
監督・脚本:グザヴィエ・ルグラン
製作:アレクサンドル・ガヴラス
撮影:ナタリー・デュラン
2017年/フランス/93分/原題:Jusqu’a la garde/カラー/5.1ch/2.39:1/日本語字幕:小路真由子
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
配給:アンプラグド
公式サイト:Julien-movie.com
コピーライト:(c) 2016 – KG Productions – France 3 Cinéma
新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開中