直木賞作家・白石一文による同名小説を原作とした映画『火口のふたり』が8月23日(金)より、新宿武蔵野館ほかにて全国公開となる。本作は、主演に柄本佑と瀧内公美を迎え、日本映画界を代表する脚本家・荒井晴彦の監督第3作目となる、男と女の不確実な愛を描いた<R18>衝撃作。
この度、映画公開に合わせて、モノクロームの詩的で濃密な男性ヌード写真で知られる写真家・野村佐紀子の写真と直木賞作家・白石一文の文章で構成されたフォトストーリーブックの発売と写真展が開催されることが決定した。あわせて、原作者の白石一文と造本家の町口覚からコメントも到着した。
映画『火口のふたり』登場する野村のモノクロームの写真は、ただ欲望のままに生き、一糸纏わぬ姿をあらわにする主人公たちの若かりし頃を大胆にも映し出し、物語がはじまる際のキーアイテムとして登場する。
一方、フォトストーリーブックでは、原作者の白石一文が書き下ろした、映画や原作では描かれない主人公の賢治と直子の過去を描いた前日譚と、野村による本編未使用カットを含む写真で構成。森山大道、佐内正史、奥山由之など数多くの写真集を手掛けてきた造本家の町口覚が造本設計を担当し、“文学”と“写真”が見事に融合した、もうひとつの“火口のふたり”が表現されている。映画を鑑賞した方や原作を読んだ方はその世界を追体験でき、またそうでない方にも「男と女の普遍的な愛の物語」として単体でも楽しめる作品となっている。
また、フォトストーリーブックの発売と合わせて、映画制作中に撮影した作品をはじめこれまでに撮りためてきた膨大な数の写真の中から厳選した新作を公開する、野村佐紀子 写真展 『火口のふたり』の開催も決定した。『火口のふたり』の世界を拡張し、より深く作品を楽しむことが出来る<映画×写真×文学>のコラボレーションに注目だ。
<あの頃の「火口のふたり」>(河出書房新社)
野村佐紀子の写真と白石一文が紡ぎ出すもうひとつの「火口のふたり」。
原作者・白石一文が新たに書き下ろした前日譚と映画本編では見られない未使用カットを多数収録。
8月10日より、全国の書店で発売。
柄本佑 瀧内公美
写真:野村佐紀子/文:白石一文
造本設計:町口覚/デザイン:浅田農(マッチアンドカンパニー) Book Designc2019 MATCH and Company CO., Ltd.
テキスト構成:大西香織/ 写真提供:映画「火口のふたり」製作委員会/協力:荒井晴彦、株式会社ファントム・フィルム
<B GALLERY EXHIBITION / 野村佐紀子 写真展 『火口のふたり』>
2年ぶり6回目となる写真家、野村佐紀子の写真展が開催される。
本展では、8月23日(金)より全国公開される映画『火口のふたり』で写真を担当した野村佐紀子が、映画制作中に撮影した作品をはじめ、これまでに撮りためてきた膨大な数の写真の中から厳選した新作を含む作品が展示・販売される。
会期:8月10日(土)~ 9月8日(日)
会場:Bギャラリー(ビームス ジャパン 5階)
〒162-0022東京都新宿区新宿3丁目32-6 5F
詳細などのお問い合わせはB GALLERYまで。
【小説:白石一文】
一九五八年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋に勤務していた二〇〇〇年、『一瞬の光』でデビュー。〇九年『この胸に深々と刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、一〇年『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。巧みなストーリーテリングと生きる意味を真摯に問いかける思索的な作風で、唯一無二の存在感を放っている。著書に『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』『翼』『神秘』『愛なんて嘘』『記憶の渚にて』『一億円のさようなら』『プラスチックの祈り』など多数。
白石一文氏 コメント
野村佐紀子さんの写真を見ると、自分の書いたものにいのちを吹き込まれたような気がする。いのちというより血や肉と言うべきだろうか? 直子や賢治から遠ざかって何年も過ぎたが、私が描いたふたりは今も火口の縁でこうして生き続けているかのようだ。げに小説は生き物なのだと、今回の写真集を見て強く思い知らされたのである。
【写真:野村佐紀子】
一九六七年、山口県生まれ。1991年より荒木経惟に師事。モノクロームの詩的で濃密な男性ヌード写真で知られる。東京を中心に国内外で広く活躍し注目を集めている。展覧会・写真集多数。おもな写真集に「裸ノ時間」(平凡社)、「愛ノ時間」(BPM)、「夜間飛行」(リトルモア)、「黒猫」(t.i.g)、「黒闇(Akio Nagasawa Publishing)」、「 TAMANO( Libro Arte)」、「another black darkness(Akio Nagasawa Publishing)」、「雁(BCC)」、「Ango/sakiko(bookshop M Co., Ltd.)」、「nude/a room/flowers」(match&company)、「Flower」(リブロアルテ)、「愛について」(ASAMI OKADA PUBLISHING)、「月光」(リブロアルテ)などがある。
ホームページ:sakikonomura.com
『火口のふたり』 野村佐紀子 撮影写真
【造本設計:町口覚】
一九七一年、東京都生まれ。「match and company」主宰。九五年、何百人もの同世代写真家に会い、互いの志に共鳴した写真家四十人の作品で構成した、『40+1 PHOTOGRAPHERS PIN-UP』を出版し脚光をあびる。野村佐紀子、森山大道、蜷川実花、大森克己、佐内正史、奥山由之、荒木経惟との写真集をはじめ、映画・演劇・展覧会のグラフィックデザイン、文芸作品の装丁などを幅広く手掛け、常に表現者たちと徹底的に向き合い、独自の姿勢でものづくりに取り組んでいる。二〇〇五年、閉塞していく日本の写真集出版界に一石を投じる為、自身で写真集レーベル「M」を立ち上げる。〇八年より世界最大級の写真の祭典「PARIS PHOTO」にも出展しつづけ、世界を視野に“日本の写真集の可能性”を追求している。〇九年・一五年に造本装幀コンクール経済産業大臣賞、一四年東京TDC賞など国内外の受賞多数。
町口覚氏 コメント
一昨年の夏、映画『戦争と一人の女』の荒井晴彦さんの脚本に魅せられたぼくは、坂口安吾さんのその小説と、野村佐紀子さんの写真を、一冊の本という空間の中で拮抗させた『Sakiko Nomura: Ango』を出版した。
あれから二年、荒井晴彦さんの映画『火口のふたり』にふたたび魅せられたぼくは、白石一文さんのその小説と、野村佐紀子さんがその映画のために撮り下ろした〝ふたり〟の写真を、一冊の本という空間の中で〝交配〟させることにした。この本は、ぼくから荒井晴彦さんに贈る艶書だ。
イントロダクション
直木賞作家・白石一文 初の映画化 身体の言い分に身を委ねる、男と女を描く<R18>衝撃作
原作は直木賞作家・白石一文氏による「火口のふたり」。2009年「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」で山本周五郎賞、2010年「ほかならぬ人へ」で直木賞を受賞し、絶大な支持を得る著者の初の映画化となる。主演を務めたのは、『きみの鳥はうたえる』などなど、様々な映画で鮮烈な印象を残し第一線で活躍し続ける実力派俳優・柄本佑と、『彼女の人生は間違いじゃない』での演技が評価され、活躍の場を広げている新鋭・瀧内公美。出演者はこの2人のみ。監督はキネマ旬報脚本賞に5度輝き、数々の作品で男と女のエロティシズムを表現してきた脚本家・荒井晴彦。抑えきれない衝動の深みにはまり、どうしても離れられないふたりの姿は「世界が終わるとき、誰と何をして過ごすか?」という究極の問いを、観る者へ突きつける。身体の言い分に身を委ねる男と女の不確実な愛を描いた<R18>衝撃作が誕生した。
ストーリー
十日後に結婚式を控えた直子は、故郷の秋田に帰省した昔の恋人・賢治と久しぶりの再会を果たす。新しい生活のため片づけていた荷物の中から直子が取り出した1冊のアルバム。
そこには一糸纏わぬふたりの姿が、モノクロームの写真に映し出されていた。
蘇ってくるのは、ただ欲望のままに生きていた青春の日々。
「今夜だけ、あの頃に戻ってみない?」
直子の婚約者が戻るまでの五日間。身体に刻まれた快楽の記憶と葛藤の果てに、ふたりが辿り着いた先は―。
作品タイトル:『火口のふたり』
出演:柄本 佑 瀧内公美
原作:白石一文「火口のふたり」(河出文庫刊)
脚本・監督:荒井晴彦
音楽:下田逸郎
製作:瀬井哲也 小西啓介 梅川治男
エグゼクティブプロデューサー:岡本東郎 森重 晃
プロデューサー:田辺隆史 行実 良
写真:野村佐紀子
絵:蜷川みほ
タイトル:町口 覚
レイティング:R18+
配給:ファントム・フィルム
公式サイト:kakounofutari-movie.jp
コピーライト:(C)2019「火口のふたり」製作委員会
8/23(金)より、新宿武蔵野館ほか全国公開
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