『生きてるだけで、愛。』(18)で長編監督デビューを飾った映像クリエイター・関根光才の2作目となる、杏主演の映画『かくしごと』(6月7日(金)公開)より、場面写真とキャスト陣のコメントが解禁された。
北國浩二の「噓」(PHP文芸文庫)を映画化した本作は、子を守る母親の強烈な愛と嘘の物語。
杏演じる主人公・千紗子が事故をきっかけに匿うことになる少年を演じたのは、連続テレビ小説「舞いあがれ!」などに出演している中須翔真。事故で記憶を失った少年の身体に虐待の痕を見つけた千紗子は、彼を匿おうとする。疑似家族として過ごすにつれて明るさを取り戻す少年だが、時折浮かべる陰のある表情の真意とは──。場面写真には少年が里谷邸で過ごす姿が写し出され、どこか不安げで儚い雰囲気が漂う。
奥田瑛二演じる千紗子の父・孝蔵は認知症を患い、娘のことすら忘れている。場面写真で捉えられている食事シーンでも、食卓にこぼれたご飯、整えられていない髪などが症状を感じさせる。一方、その表情には厳しさや鋭さが宿り、元来の父の姿も垣間見える。
佐津川愛美が演じるのは、千紗子の友人・久江。シングルマザーで役所で働いている。千紗子の少年への〈嘘〉を唯一知る人物だ。場面写真ではどこか遠くを見つめ、なにかに思い悩んでいるような表情を浮かべる久江が写し出されている。
孝蔵の主治医である地元の医者・亀田を演じるのは酒向芳。孝蔵を気にかけ、たびたび家まで様子を見に来る。絶縁状態の孝蔵と千紗子の仲を取り持ち、千紗子の抱える孝蔵への思いや心の傷を掬い上げるキーパーソンだ。
そして安藤政信が演じるのは、千紗子たちが過ごす家に突如現れる少年の父親。場面写真では、緊迫感に満ちたシーンがとらえられている。
演出に際し、関根監督は芝居について俳優陣と打ち合わせしたわけではないという。「最初に皆さんにご自身としてやってくださって大丈夫ですって話をしました。自分を消して自分以外の誰かになろうとするよりも、キャラクターの中にある自分らしさ、自分である部分をプルアウトして演じて頂きたいとお話しました。結果、キャストの皆さんとは同じ方向を向けたと思っています」と語っている。
なお、キャスト陣のコメントは以下の通り。
キャストコメント(敬称略)
▼中須翔真(犬養洋一/里谷拓未 役)
出演が決まったと聞いた時はとても嬉しかったです。
台本を読まずに来てくださいと監督に言われたのですごく不安でしたが、監督、スタッフさん、杏さん、奥田さん、共演の皆さんが優しくして下さったので自由に演技をする事が出来ました。
たくさんの方に見て頂きたいです。
▼佐津川愛美(野々村久江 役)
豊かな自然の中、あぁ、しっかりと映画を撮っているなぁと心から感じられた撮影期間でした。愛とは、家族とは、観終わったときに溢れ出る気持ちが止まりませんでした。ぜひ劇場で、静かに感じて頂ければと思います。
▼酒向芳(亀田義和 役)
転がりゆく嘘という小さな玉は、坂を下っていくごとに大きくなっていく。やがて、自分の手では押し戻すことが出来なくなるぐらい大きくなった嘘玉は、もう坂の上に押し戻すことは出来ない。じゃどうする。答えは一つではないと思う。観る人の数の分だけあるのではないでしょうか。
▼安藤政信(犬養安雄 役)
この作品の脚本を読んだ時
何度泣いたのか数えきれなかった
孤独 不安 拒絶 共感
人間のもっている全ての感じを
温もりの情け深い心で
きずが回復していく様な気持ちになる作品で
是非出演したいと思いました
▼奥田瑛二(里谷孝蔵 役)
人にはそれぞれの背中がある。
母として、娘としての背中、父としての背中、そして幼子の背中。
日常、それらの背中には幾つもの気配がある。
その気配をこの映画「かくしごと」は語っている。
アナタは身近な人の気配を感じていますか?
ストーリー
絵本作家の千紗子(杏)は、長年絶縁状態にあった父・孝蔵(奥田瑛二)の認知症の介護のため、渋々田舎に戻る。他人のような父親との同居に辟易する日々を送っていたある日、事故で記憶を失ってしまった少年(中須翔真)を助けた千紗子は彼の身体に虐待の痕を見つける。少年を守るため、千紗子は自分が母親だと嘘をつき、少年と暮らし始めるのだった。
ひとつの“嘘”からはじまった千紗子と少年、そして認知症が進行する父親の三人の生活。最初はぎこちなかった三人だが、次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく。しかし、その幸せな生活は長くは続かなかった。
許されないとわかっていても、なぜ彼女は嘘をついてまで少年を守ろうとしたのか。そして、このひとつの嘘から明かされていく、それぞれの<かくしごと>とは―。
『かくしごと』
出演:杏
中須翔真 佐津川愛美 酒向 芳
木竜麻生 和田聰宏 丸山智己 河井青葉
安藤政信 / 奥田瑛二
脚本・監督:関根光才
原作:北國浩二「噓」(PHP文芸文庫刊)
音楽:Aska Matsumiya
主題歌:羊文学「tears」F.C.L.S.(Sony Music Labels Inc.)
製作幹事:メ~テレ ホリプロ
企画・制作:ホリプロ
2024年/日本/カラー/ヨーロピアンビスタ/5.1ch/128分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2024「かくしごと」製作委員会
公式サイト:happinet-phantom.com/kakushigoto
公式X:@kakushigotofilm
6月7日(金)TOHOシネマズ 日比谷、テアトル新宿他全国ロードショー
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