「何度読んでも泣いてしまう」「心が洗われる」「寂しいけどあったかい気持ちになる」――SNSに投稿した4コマ漫画が多くの読者の胸を打ち、話題となったSNS漫画家・世紀末。このたび、その爆発的人気を受けて出版された処女作「殺さない彼と死なない彼女」(KADOKAWA刊)の実写化が決定。映画『殺さない彼と死なない彼女』は2018年10月20日にクランクイン、2019年秋に全国ロードショーとなる。
原作「殺さない彼と死なない彼女」は、3つの物語からなる連作四コマ漫画。自分が可愛いことを自認し、周囲からの愛を求め続ける“きゃぴ子”と正反対のしっかり者の親友“地味子”。恋愛に無関心な草食男子“八千代くん”に何度フラれても告白し続ける“君が代ちゃん”。キレやすいツンデレ系彼氏と付き合う、心優しいネガティブ女子“死なない彼女”。そして今回の実写版は、単行本に収録された表題作「殺さない彼と死なない彼女」に登場する〈殺さない彼〉小坂れいと〈死なない彼女〉鹿野ななの物語を中心に据えた青春群像劇だ。
本作に登場するキャラクターたちは一見「変わり者」のようでいて、じつは誰の心にも潜んでいる衝動の代弁者でもある。自分の想いにまっすぐで、不器用で、ありのままで生きようともがいているだけなのだ。誰もが生まれ持っている心の“やわらかい”部分――それを思わずクスリと笑ってしまう愛嬌あるキャラクターと、核心を突きながらも読者を包み込むような温かいメッセージで表現したことにより、本作はSNSを飛び出して男女問わずに爆発的な支持を得た。まさに時代に求められて誕生した漫画家・世紀末の処女作にして代表作「殺カレ死カノ」の待望の実写化がここに実現する。
主人公・小坂れい役には、『高台家の人々』(16)、『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』(16)、『帝一の國』(17)など人気コミックの実写版で個性豊かなキャラクターを見事に演じ分け、その存在感と演技力で高く評価されている間宮祥太朗。2017年には映画『全員死刑』(小林勇貴監督)で初主演を果たし、2018年には『不能犯』(18)、『食べる女』(18)、テレビではNHK連続ドラマ「半分、青い。」や「BG 身辺警護人」(EX)、「ゼロ 一獲千金ゲーム」(NTV)など話題作に立て続けに出演。2019年には俳優生活10周年目を控え、今最も注目を集めている人気若手俳優の一人だ。
そして、もう一人の主人公・鹿野なな役には、映画『ママレード・ボーイ』(18)で初主演を果たし、続く『ういらぶ。』(18)でもヒロインを務め、ドラマやCMだけにとどまらず2018年10月からはNHK Eテレ「沼にハマってきいてみた」で初MCを務めるなど、活動の幅を広げ続けている女優・桜井日奈子。次世代を担うフレッシュな顔ぶれが集結し、瑞々しい感性で綴られる本作の世界をより鮮やかに彩る。
監督・脚本を手がけるのは小林啓一。テレビ番組、ミュージックビデオ、CM、ビデオドラマ、ウェブドラマ等の作品を多数手がけたのち、長編映画デビュー作『ももいろそらを』(12)が第24回東京国際映画祭日本映画・ある視点部門にて最優秀作品賞を受賞。翌年には世界最大のインディーズ映画祭であるサンダンス映画祭ワールドシネマコンペティションに選出され、「日本映画の新鮮で革新的な監督の誕生」と絶賛される。その後、世界14カ国22の映画祭に招待され、第50回ヒホン国際映画祭(スペイン)で日本映画初のグランプリ、第28回高崎映画祭で新進監督グランプリを受賞した。監督・脚本・撮影をつとめた二作目の『ぼんとリンちゃん』(14)では、第55回日本映画監督協会新人賞をはじめ、主演の佐倉絵麻、高杉真宙の二人が第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第18回上海国際映画祭アジアン・ニュー・タレントアワードでは優秀女優賞と優秀撮影賞を受賞している。
また、最新作『逆光の頃』(17)では、主演の高杉真宙がTAMA映画賞最優秀新進男優賞を受賞し、まさに新進気鋭の才能として日本映画界で熱い視線を注がれる小林啓一監督だが、綿密なリハーサルを繰り返しながら演出をしていく手法で俳優からの信頼も厚い。美しい映像で思春期の若者特有の心の機微を描く名手が本作で青春映画の新境地にして金字塔を打ち立てる。
キャスト・スタッフコメント
主演:間宮祥太朗さん(小坂れい役)
台本を読むたびに小坂と鹿野のやり取りのひとつひとつがとても微笑ましく、そして、監督と桜井日奈子さんとリハーサルや話し合いを重ねて作っていく時間も充実していました。小坂も鹿野も他の登場人物達も、自分はここにいるんだという叫びを抱えた人達の様に思います。それは夢や恋愛や自分の置かれた環境によって違い、個性でもある。それぞれが個性を持って絶望している。思春期という言葉で一括りにしてしまわず、何故葛藤していて、何に救われるのか。日常を過ごす当人達の温度を感じて頂けたらと思います。小坂の叫びも静かに聞こえますように。
主演:桜井日奈子さん(鹿野なな役)
私が演じる鹿野ななは、つかみどころのない、たくさんの矛盾を抱えたキャラクターです。初めて演じるタイプの役で苦戦していますが、だからこそ、この現場で得られるものがたくさんあるなと実感しています。撮影はカット毎に、みんなで映像をチェックしながら、1つ1つのシーンを丁寧に作っています。色々な表現を、自分の目で確かめながら進めていけることはとてもありがたく、鹿野を演じながらも自分自身と向き合っている感じです。この作品がたくさんの皆さんに届きますように。小林監督やスタッフの皆さん、そして間宮祥太朗さん、キャストの皆さんと一緒に頑張りたいです。
監督・脚本:小林啓一さん
印象的なタイトル、一癖も二癖もあるキャラクター。原作が四コマ漫画ということで独特なリズム感と世界観を作り上げることに試行錯誤しながら撮影は進んでいます。間宮くん、桜井さんをはじめ、癖のあるキャラクターがどうすれば生き生きと存在できるか、皆で色々試しながら作っている最中ですが、既に素敵なシーンが数多く撮れています。登場人物と同世代はもちろん、色々な世代に観ていただきたいです。きっと、この映画から恋人、家族、友人、大切な人の温もりを感じてもらえると思います。頑張ります!
原作:世紀末さん
映画化が決定したと聞いた時、ベストセラーでもない私の作品が映画化だなんて騙されているんじゃないかと怖くなりました。おまけに主演が間宮祥太朗さんと桜井日奈子さんというステキなお二人だなんて、これを書いてる今もまだ信じられない自分がいます。ですが実際に現場にお邪魔させて頂くと小林監督をはじめとした本当にたくさんの方が「良いものを作る」という目で動かれていて圧倒されました。『殺さない彼と死なない彼女』を愛してもらっていました。紙から飛び出して大きなスクリーンの中で笑ったり泣いたりする彼らに会えるのがとても楽しみです。
「私が死んでも世界は何も変わらないよね。当たり前だけど」
「世界は変わらねえけど、お前が死んだら俺は少し変わるな、たぶん。少しな」
キレやすいツンデレ男子<殺さない彼>と心優しいネガティブ女子<死なない彼女>
一筋縄ではいかない思春期の男女が織りなす、ニュータイプ・ラブストーリー
ストーリー
何にも興味が持てず、退屈な学生生活を送っている高校三年の小坂れい(間宮祥太朗)。ある日、小坂は教室で殺されたハチの死骸を埋めているクラスメイト・鹿野なな(桜井日奈子)に出会う。「死にたい」が口癖の鹿野はリストカットの常習犯。虫の命は大切に扱うくせに「死にたがり」な鹿野に興味を抱く小坂。それまでネガティブすぎる言動で周囲から変わり者扱いされていた鹿野だったが、口の悪い小坂と本音で話すうちに、二人は一緒にいることがあたりまえになって……。
作品タイトル:『殺さない彼と死なない彼女』
主演:間宮祥太朗 桜井日奈子
監督・脚本:小林啓一『ももいろそらを』『ぼんとリンちゃん』『逆光の頃』
原作:世紀末「殺さない彼と死なない彼女」(KADOKAWA刊)
撮影時期:2018年10月~12月
配給:KADOKAWA/ポニーキャニオン
2019年 全国ロードショー