半世紀の時を経て、シャネルのサポートによって4K修復版が完成した『去年マリエンバートで 4Kデジタル・リマスター版』が、10月25日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開となる。
本作は<ヌーヴェル・ヴァーグ>を先導したアラン・レネ監督と、世界文学に地殻変動をもたらした一大ムーヴメント<ヌーヴォー・ロマン>の旗手、アラン・ロブ=グリエによる伝説の名作。映画芸術の到達点として、後世の映画のみならず、アート全般に多大な影響を及ぼし続けている。
シャネルの衣装が使用された映画作品はあまたあるが、ココ・シャネル本人が映画のために衣装を手掛けた作品は数作品のみ。
ジャン・ルノワール監督『ゲームの規則』(1939)でミラ・パレリとノラ・グレゴール、ルイ・マル監督『恋人たち』(1958)、ロジェ・ヴァディム『危険な関係』(1959)でジャンヌ・モロー、ルキーノ・ヴィスコンティ監督『ボッカチオ‘70』(1962)でロミー・シュナイダー。スター女優の鮮烈な衣装をデザインし、スクリーンを比類なき輝きで彩ってきた。
『去年マリエンバートで』には、ココ・シャネルによるドレスが合計8着登場する。
過去と現在、未来が同時系列で描かれる本作の特性から、うやむやにされてきたドレスの数々。このたび、日本公開から55年、シャネルの修復により4Kで劇場公開されるのを機会に、全く古びることなく輝き続けるドレスのすべてが一挙公開された。
黒や白、そして華やかなラメが布地に使用されたドレス。そして宝石や靴など小物たち。この機会に、ぜひご覧いただきたい。
87年の生涯においてデザインした無数の作品の中でも、「シャネル・スタイルの集大成」、「ファッション業界に最も影響を与えたスタイル」と称賛されているのが、『去年マリエンバートで』のヒロイン、デルフィーヌ・セイリグが身にまとう衣装。
当時78歳のココ・シャネルによるキャリアが凝縮された、シャネルの原点回帰ともいえる、シンプルにしてエレガント、モダンにしてクラシカルな、本作のために創られた美しいアイテムの全ては、映画が公開されるや「ドレス・ア・ラ・マリエンバート」と呼称され、世界的なブームを巻き起こした。
また、女優としてだけでなく、近年フェミニズム運動家として再評価の機運が急速に高まっているデルフィーヌ・セイリグは、往年のシャネルのメイク、ヘアスタイルを研究。
その優雅で神秘的な佇まいは、若き日のシャネルがよみがえった、という関係者の驚嘆とともに、サイドに巻き髪を施したヘアスタイルは、ドレスと同様「マリエンバート・カット」という名称が与えられ、ブームとなった。
さらに、本作を鑑賞し、デルフィーヌ・セイリグに強烈に憧れたブリジット・バルドーが、シャネルの邸宅を訪問し、劇中と全く同じリトルブラックドレスをオーダーメイドで作ってもらったという逸話があるほど。
映画『去年マリエンバートで 4Kデジタル・リマスター版』は、10月25日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開!
1961年ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞 受賞
1962年フランス映画批評家連盟賞 作品賞 受賞
1963年米アカデミー賞 脚本賞 ノミネート
1963年英アカデミー賞 作品賞 ノミネート
1964年キネ旬ベスト・テン 外国映画 第3位
過去と現在、自我と無意識、現実と妄想、死とエロス…。
記憶を喪失した巨大ホテルで進行する、女と男の終わりなき恋のゲーム。
ストーリー
時代も国籍も不明な、バロック風の宮殿のようなホテル。宿泊客の中に女Aと男Xと男Mの3人がいる。XはAに言う、「去年、お会いしましたよね?」しかし、Aは全く覚えていないと拒絶する。Xは去年会った際、1年後に駆け落ちする約束をしたと言う。XがAを口説き続けるのを、Aの夫と思しきMが監視をしている…。
XとAは1年前に本当に出会って恋に落ちたのか?Aが知らないふりをしているだけなのか?それともAはXを完全に忘れてしまったのかーー。
作品タイトル:『去年マリエンバートで 4Kデジタル・リマスター版』
出演:デルフィーヌ・セイリグ『ロバと王女』『夜霧の恋人たち』、ジョルジョ・アルベルタッツィ『エヴァの匂い』、サッシャ・ピトエフ『追想』、ほか
監督:アラン・レネ『夜と霧』『二十四時間の情事(ヒロシマ・モナムール)』
脚本:アラン・ロブ=グリエ『不滅の女』『快楽の漸進的横滑り』
撮影:サシャ・ヴィエルニ、フィリップ・ブラン
編集:アンリ・コルピ、ジャスミン・ジャズニー
音楽:フランシス・セイリグ
美術:ジャック・ソニエ
衣装:ベルナール・エヴァン
衣装提供:シャネル
製作:ピエール・クロー、レイモン・フロマン
1961年→2018年/イタリア=フランス/95分/モノクロ/シネスコ
原題:L’Année dernière à Marienbad
字幕翻訳:細川晋
配給:セテラ・インターナショナル
公式サイト:http://www.cetera.co.jp/marienbad4K/
コピーライト:(C)1960 STUDIOCANAL – Argos Films – Cineriz
10月25日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
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