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観客は開演した真夜中から明け方まで、会場に並べられたベッドに横たわり“眠っている間に聞くために作られた8時間以上に及ぶマックス・リヒターの「SLEEP」ライブ演奏を聴く。そしてそのまま本当に眠ってしまったり、歩き回ることも自由―。
ロサンゼルス野外のグランド・パークやシドニーのオペラハウス、アントワープの聖母大聖堂など世界各地のシンボリックな場所で次々と開催し話題をさらった“眠り”をテーマとするまったく新しいスタイルのコンサート【SLEEP】の全貌とその裏側を、このコンサートを企画、そして「SLEEP」の作曲・演奏も手掛けた音楽家マックス・リヒターの素顔とともに追いかけた珠玉のドキュメンタリー『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』が、2021年3月26日(金)より公開されることが決定した。
ポスターは、ニューヨークで行われた屋外でのコンサートの際、演奏会場に設置されたベッドの上で、マックス・リヒターらの演奏に全身を委ねて聴き入る1人の女性の様子と会場で演奏するリヒターらの風景を切り取ったもの。中央に添えられた夜の空に浮かぶ月のイメージとともに添えられたキャッチコピー「かつてない真夜中のコンサート 美しき眠りの世界へ、ようこそ」の言葉通り、会場の参加者が体感する“静謐で美しい時間”を表現したものとなっている。
あわせて解禁されたシーン写真は2点。8時間を超えるコンサートで演奏を続けるマックス・リヒター自身の姿や、会場にずらりと並べられたベッドで横たわりながら睡眠のための音楽に聞き入る観客の様子を捉えている。
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マックス・リヒターは、クラシックとエレクトロニック・ミュージックを融合させて作られるポスト・クラシカルの旗手であると同時に映画やテレビのサントラも数多く手掛け、『戦場でワルツを』(2008年)がヨーロッパ映画賞作曲賞、『メアリーとエリザベス ふたりの女王』(2018年)がハリウッド音楽メディア賞作曲賞を受賞したほか『アド・アストラ』(2019年)が、2021年度に開催される予定の第63回グラミー賞最優秀スコア・サウンドトラック賞にノミネート、加えて、大ヒットSF映画『メッセージ』(2017年)のオープニング&エンディングでも彼のオリジナルスコア「オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト」が使用され日本でもiTunesクラシック・チャート1位を獲得するなど、いま、映画音楽の世界においてもっとも重要なアーティストの1人ともいわれる人物。
劇中ではそんなリヒターと彼の公私に渡るパートナーであり、本コンサートも一緒に作り上げてきたマールへのインタビューや、15年間にわたって彼女が撮りためていたリヒターの創作の様子を捉えたプライベート映像、そして、彼が作曲家として成功するまでの苦難の道のりやマールとの強い絆も明らかにされていく。
監督はボノやサム・スミスなど様々なミュージシャンとコラボレートしてきたナタリー・ジョーンズ。その繊細な演出と美しい映像で「SLEEP」の魅力を浮かび上がらせる。
睡眠と芸術を題材に、人間にとって本当に必要なものは何かを考えさせてくれ、同時に、劇場の観客も観賞後は実際にコンサート【SLEEP】に参加したかのように最高級の“眠り”と“目覚め”の体験を感じられる珠玉のドキュメンタリーだ。
作品タイトル:『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』
出演:マックス・リヒター、ユリア・マール、(ソプラノ)グレース・デイヴィッドソン、(チェロ)エミリー・ブラウサ、クラリス・ジェンセン、(ヴィオラ)イザベル・ヘイゲン、(ヴァイオリン)ベン・ラッセル、アンドリュー・トール
監督:ナタリー・ジョンズ
製作:ステファン・デメトリウ、ジュリー・ヤコベク、ウアリド・ムアネス、ユリア・マール
撮影:エリーシャ・クリスチャン
2019年/イギリス/英語/99分/シネスコサイズ/原題:Max Richter’s Sleep/映倫:G
配給:アット エンタテインメント
公式サイト:max-sleep.com
コピーライト:(c)2018 Deutsche Grammophon GmbH, Berlin All Rights Reserved
2021年3月26日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開