映画『メイ・ディセンバー ゆれる真実』(7月12日(金)公開)より、トッド・ヘインズ監督のインタビュー映像が到着した。
本作は、36歳の女性と13歳の少年が起こした“メイ・ディセンバー事件”から23年後、事件の映画化が決まり、映画の主演女優が役づくりのために、当事者を訪ねる所から始まる。ヘインズ監督ならではの、メロドラマ調の演出が随所に施されている。
特に事件の当事者と、女優の“美しくもエグみの強い心理戦”が見所で、俳優たちの演技こそが作品の要となる。ヘインズ監督は、それぞれの役の特徴について、ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーアと話し合い、探りながら理解を深めたという。ヘインズ監督とムーアの会話の中で見えてきたのは、事件の当事者・グレイシーの二面性。「非常に強情な一面」と同時に「少女のような好奇心」を持ち合わせた役柄を、ムーアは甘くゆったりとした声で表現した。
また、本作が初のタッグとなったポートマンの演技について、ヘインズ監督は「尋常じゃないほど洞察力にすぐれている」と絶賛。その上で、ポートマン演じるエリザベスの、劇中での役割と、観客を巻き込んでいく重要なポイントを示唆する。「女優として外の世界から来て、当事者に話を聞くエリザベスは、観客にとって、最初は真実を追求してくれる存在だ。しかしながら、物語が進むにつれて、エリザベス自身の無知や強情さが垣間見えるようになり、観ている側は、彼女を信じていいのか、不安になってくる」という。
さらに、インタビュー内でヘインズ監督は、エリザベスとグレイシーの意外な共通点や、本人も気づいてない一面が露わになっていくことも匂わせている。
ストーリー
全米に衝撃を与えた、実在の“メイ・ディセンバー事件”。当時36歳だった女性グレイシーは、アルバイト先で知り合った13歳の少年と情事におよび実刑となった。少年との子供を獄中で出産し、刑期を終えてふたりは結婚。その後夫婦は平穏な日々を送っていたが、事件の映画化が決定し、女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)が、映画のモデルになったグレイシー(ジュリアン・ムーア)とジョー(チャールズ・メルトン)を訪ねる。彼らと行動を共にし、調査する中で見え隠れする、あの時の真相と、現在の秘められた感情。そこにある“歪み”はやがてエリザベスをも変えていく……。
『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
出演:ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーア、チャールズ・メルトン
監督:トッド・ヘインズ(『キャロル』)
脚本:サミー・バーチ
原案:サミー・バーチ、アレックス・メヒャニク
2023年|アメリカ|カラー|アメリカンビスタ|5.1ch|英語|字幕翻訳:松浦美奈
原題:MAY DECEMBER|117分|R15+
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2023. May December 2022 Investors LLC, ALL Rights Reserved.
公式サイト:https://happinet-phantom.com/maydecember/
公式X:@maydecember_jp
2024年7月12日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
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