捨てられてしまう運命の食材をおいしい料理に変身させる活動を通して「食品ロスを楽しく解決!」を実践するオーストリア人フードアクティビストで映画監督のダーヴィド・グロス。彼が次に選んだのは“もったいない”精神の国・日本だった―――。
東京オリンピック2020を控え世界が日本に注目する今、日本が世界に誇る精神“もったいない”について考える珠玉のドキュメンタリー映画『もったいないキッチン』が、8月、シネスイッチ銀座他全国にて公開することが決定した。
日本が世界に誇る「もったいない」。“もったいない精神”に魅せられ
オーストリアからやってきたフードアクティビストが日本を旅して再発見!
もったいないアイデア満載目から鱗のドキュメンタリー!
“もったいない”。
元々は仏教思想に由来する言葉で、ケニア出身の環境保護活動家ワンガリ・マータイさんが、「もったいない」を世界共通の合言葉として掲げたことでも世界中から注目を浴びた。無駄をなくすということだけではなく、命あるものに対する畏敬の念が込められた日本独自の美しい言葉だ。
「世界で生産される食料の3分の1は食べられることなく廃棄されている」
このもったいない状況を変えるため、オーストリアから“もったいない精神発祥の地・日本”にやってきたのは、フードアクティビストで映画監督のダーヴィド・グロス。
実は日本でも年間643万トン(国民ひとりあたり毎日お茶碗一杯分)もの食料が廃棄されており、この量は世界の食料援助量の約2倍。残念ながら日本の食品ロスは世界トップクラスなのだ。東京オリンピックの30年後、2050年には世界人口が90億人に達し、食べ物が足りなくなると言われているのに…。
ダーヴィドは、旅のパートナーのニキと一緒にオリジナル・キッチンカーで日本全国を巡る4週間の旅に出る。道中、もったいないアイデアを持つユニークな日本人シェフ達と出会った2人は、捨てられる運命にある食べ物をおいしい料理に生まれ変わらせる“もったいないキッチン”を日本各地でオープン!食品ロスの問題をおいしく楽しく解決していく。
次第に2人は“もったいない”の先に、食品ロス解決のヒントだけではない、たくさんの幸せを見つけていく。
監督Profile : ダーヴィド・グロス(David Gross)
1978年オーストリア共和国ザルツブルク生まれ。1997年にクレスハイムの観光学校を卒業し、料理教育を受けた。1998年ウィーン大学に入学し、ドラマとジャーナリズムの勉強を開始。2003年にドナウ大学クレムスでジャーナリズムの修士課程を修了。
それ以来、フリーランスのTVジャーナリスト、映画製作者、食品ロス活動家として活動。最初の実験的ドキュメンタリー映画『The deputy』はグラーツ映画祭でプレミア上映された。2006年から2011年にかけてザルツブルクTV(後のServusTV)のドキュメンタリーシリーズ『Gros am Land』の260エピソードに出演。共同監督したドキュメンタリー『ファラオ・バイポーラー』は、グラーツ・セッカウ司教区の2008年の映画賞を受賞。
ゴミ箱ダイバーとしての経験を積んだ後、クロスメディアプロジェクト「Wastecooking」(0円キッチン)を開始。食材救出活動をWEBシリーズとして展開した後、料理人としてのスキルを活かし、ヨーロッパ諸国を旅しながら捨てられてしまう運命の食材を使った創作料理を振る舞うTVシリーズと長編ドキュメンタリー映画『0円キッチン』を制作。TVシリーズは2015年にArte、3satとORFで放映。映画は複数の映画祭で賞を受賞。『0円キッチン』は2017年に日本でも劇場公開され、日本全国的に上映が続いている。
一人娘の父で、2018年に日本人と結婚。現在、オーストリア、日本の2拠点生活を送っている。
監督メッセージ
映画監督として、フードアクティビストとして8年間世界中を旅してきました。
最初は問題ばかりが気がかりでした。
世界中で生産される食料の3分の1が捨てられているのです。とても衝撃的な事実です。
気候危機の時代に、このような無駄があってはなりません。しかし、今は問題ではなく解決方法に目を向けています。
問題はとてつもなく大きいかもしれませんが、人々の創造的な取り組みははるかに大きいのです。
この点、日本は特に興味深い国です。
日本は長い歴史の中で、食分化への畏敬の念を有していますが、
他方で、世界で最も食料廃棄をしている国の一つでもあります。
そんな日本は、もったいない精神という類まれな考えにより、
未来をよりサスティナブルにする革新的な“レシピ”を持っています。
もったいないは、日本だけでなく、世界中にひらめきを与えることのできる考え方です。
その始まりは、あなた自身の態度と、キッチンから始まります!
作品タイトル:『もったいないキッチン』
出演:ダーヴィド・グロス、塚本ニキ、井出留美他
監督・脚本:ダーヴィド・グロス
プロデューサー:関根健次
2020年/日本/日本語・英語・ドイツ語/97分/カラー/16:9
制作:ユナイテッドピープル
配給:ユナイテッドピープル
配給協力・宣伝:クレストインターナショナル
公式サイト:http://www.mottainai-kitchen.net/
8月、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺他全国順次ロードショー!