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『長崎の郵便配達』核廃絶運動を牽引した故・谷口稜曄さんの本編映像解禁、吉永小百合より応援コメントも到着

長崎の郵便配達

ドキュメンタリー映画『長崎の郵便配達』(公開中)より、本編映像解禁が解禁された。

『ローマの休日』のモチーフになったといわれる元英空軍大佐ピーター・タウンゼンド。後に作家となった彼は、16歳で郵便配達中に被爆した谷口稜曄(スミテル)さんを取材。1984年、1冊のノンフィクション小説「THE POSTMAN OF NAGASAKI」を出版した。本作は、タウンゼンド氏の娘であり女優のイザベル・タウンゼンドが、父親の著書とボイスメモを頼りに長崎でその足跡を辿り、父と谷口さんの想いを辿っていくドキュメンタリーだ。

谷口さんは、1945年8月9日、長崎市で郵便局員として働いていた16歳の夏、配達中に被爆し、背中一面に重度の火傷を負ったが奇跡的に生還。被爆から約3年7ヶ月の治療を経て、郵便局員として復職した。谷口さんは、日本原水爆被害者団体協議会の代表をつとめるなど、2017年8月に亡くなるまで、約70年にわたり被爆者運動を牽引し、長崎の人々にとって「ヒーローのような存在」であるという。

この度解禁されたのは、2015年にNYの国連本部で開催された「核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議」にあわせ渡米し、国際会議でスピーチをする谷口さんの姿を川瀬監督のカメラが捉えた本編映像。これが谷口さんにとって最後の渡米となった。

「赤い背中の少年」として世界的に知られる写真をかかげ、「3年7ヶ月の闘病生活の間、1年9ヶ月うつぶせの状態で身動き一つできなかったので、胸が床ずれで腐りました。胸は今でもえぐり取られたようになり、肋骨の間から心臓の動いているのが見えます。私はこんな状態で今日まで生きてきました。」と、原爆が生涯谷口さんの心身に与え続けた深い傷について語っている。

長崎の郵便配達

ピーター・タウンゼンド氏の著書「THE POSTMAN OF NAGASAKI」の復刊を誰よりも望んでいたという谷口さんは、川瀬監督に、「許せないんだよ。原爆が悲惨なことは明らかにも関わらず、世界はまだ核を保有している。この本が後世に残っていくことが重要なのだ。」と話したという。

また、川瀬監督は、谷口さんの素顔について「公の場では寡黙でしかめっ面が多かったのですが、タウンゼンドさんとの思い出を話す時の楽しそうな表情と、ふと黙った時に遠くを見つめる目が印象に残っています。」と明かした。

さらに、35年以上にわたり原爆詩の朗読活動を行う吉永小百合から、本作への応援コメントが到着した。

2015年の夏、長崎で私は谷口さんのスピーチ「平和への誓い」を聴きました。
被爆後1年半以上も俯せのまま治療を受けていた谷口さん。
核兵器廃絶への強い思いに、私は胸がいっぱいになりました。
「長崎の郵便配達」を多くの方達に観ていただきたい。そして核兵器の無い世界の実現のために、みんなで努力出来たらと願っています。
吉永小百合

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