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海辺の町を舞台に描かれる家族の物語『夏が来て、冬が往く』12月公開決定 是枝裕和、池松壮亮らの応援コメント公開

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映画『夏が来て、冬が往く』が12月27日から新宿武蔵野館ほか全国で順次公開されることが決定。あわせて、是枝裕和監督、池松壮亮らの応援コメントが公開された。

本作は、中国の美しい海辺の町を舞台に、家の都合で養子に出された三女の心の軌跡と家族愛を描いた物語。家父長制による男尊女卑の考えや、かつて多く見られた養子のならわしを織り交ぜながら、家とは、家族とは、男女のあり方とはを真っすぐに問いかける作品だ。

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メガホンを撮ったのは、日本大学芸術学部で映画製作を学んだ経験を持つ、中国の新鋭、彭偉(ポン・ウェイ)監督。長編デビュー作ながら、繊細な筆致と詩的なカメラワークで、いくつかの実話から発想を得てオリジナル作品を製作。緩やかに流れる時間、ノスタルジックな雰囲気、伝統文化、都会の空が渾然一体となり、独創的な意欲作となった。
撮影は、中国山東半島南部にあり風光明媚な街で知られる青島で行われた。東京国際映画祭2023の提携企画「2023東京・中国映画週間」にて新鋭監督賞を受賞。

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カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した是枝裕和監督、日本映画でアカデミー外国語映画賞初受賞の栄誉を得た滝田洋二郎監督、また今年のカンヌ国際映画祭で出演作『ぼくのお日さま』(9/13より公開)が話題を呼んだ池松壮亮、日中文化交流協会で長きにわたり活動している栗原小巻など、国内外で活躍する著名な方々より本作への応援コメントが到着。コメント全文は以下の通り。

応援コメント(順不同)

作品はとても面白く拝見しました。
中国のお葬式にまつわる風習も大変興味深かったです。
長編一作目としては脚本も良く練られています。
―― 是枝裕和(映画監督)


一人ひとりの人間の心に癒しがたい傷を残してきた文化と、
忘れられない痛みをそっと鎮めてくれた風習や営みが対照的に映し出される。
現代中国に生きる女性の再会を描き、季節が移ろうように自然の流れに委ねながら、
この映画は彼女たちの再生を促すのではなく、静かに温かく寄り添う。
―― 池松壮亮(俳優)


映画を観て初めて知る事は多い。「中国は一人っ子政策」なのに、実際には様々な「例外規定」が存在し、当然そこには想像もつかないドラマがある。
亡くなった実父の葬儀の為、残された母の元に四人の兄弟姉妹が集う。
生まれて直ぐに里子に出された三女の長年にわたる蟠りが解れてゆき、新しい自分と家族を見つけてゆく過程が、美しい生まれ故郷の光に包まれて優しく丁寧に描かれる。
彭偉監督のテーマ“人生はいつも残念の中で円満を味わう”をしっかりと味わった。心地好い映画でした。
―― 滝田洋二郎(映画監督)


美しい、微かなひずみが映画芸術になりました。
―― 栗原小巻(女優)


幼時に養子に出された女性が、実父の葬儀に訪れた生家での三日間に、過ぎ去った歳月すべてが凝縮されていて、切なく胸に迫る。
『海街diary』を彷彿する美しい世界観のなかで、厳しい人生の選択を見つめる監督の視点は、あくまで穏やかで優しい。
――本木克英(映画監督)


ゆったりと時が過ぎる美しい町に目を凝らすと、そこに染み込んだ文化、風習、
そしてある家族の複雑な繋がりを観た。
――青木崇高(俳優)


幼くして養子に出された三女が実の父の葬儀で母と姉たち、年下の長男がいる家を訪れた三日間。
そこにある大学卒の三女や、いまの日本の私たち女性には許せない男尊女卑の世界を背景に、境遇の違う世界に生きる三姉妹に生まれる肉親の血つながりの温かみが胸にしみる。長男のこと、母の抱える痛み。
でもこれからはきっと今までとは違う明日が来る、という思いが心に残った。
――渡辺祥子(映画評論家)


「男尊女卑」と言う差別思想によって、女性が社会で生きる難しさを痛切に描いた作品。
現在においてもどの国にも蔓延る問題だと改めて感じました。
そんな世の中で強く歩んでいく三人姉妹。
男性社会に揉まれ我慢やプレッシャーを感じる日々でも、生きるため 食べるため 子供のために懸命に生きていく姿が繊細に描かれており、女性の強さを感じました。
大人になり初めて会う姉妹。
育った環境は違えど、そこには姉妹愛があり、その愛情が垣間見えるシーンがいくつかあります。
私にも姉がいるので、姉妹ならではの愛情を感じるシーンにグッと心を掴まれました。
―― 大原櫻子(俳優、歌手)


知らないことばかりでした。
風習や家族は人を愛情深く包み込むが、時に冷たく突き放すこともある。
人生は選択できることとできないことがある。
実に重いテーマを扱っていますが、青島の風景と女性俳優たちの好演が映画を美しいものにしていると思います。
―― 石井裕也(映画監督)


複雑な生い立ちを持つ佳妮(ジャーニー)が、実父の葬儀に参列するため生家に戻る。
赤レンガの美しい海辺の街並み、老いた実母と姉弟たちとの雪解けともいえる心の交流、
そしてこの土地に伝わる驚くべき豊かな風習……。
かつての農村部に多く見られた男尊女卑や養子のならわしという重いテーマを扱いながらも、
その範疇にとどまらない魅力的な映画であり、中国の知られざる一面を描き出した意欲作。
終盤に挟み込まれた珠玉のシーンに魂が揺さぶられる。
―― 小林さゆり(フリーランスライター、翻訳者)


家族の話であり、生物学上”女”に生まれてしまった人たちの葛藤の話である。
作中映る街が美しくて、中国のとある地域での独特の伝統やしきたりが面白い。
でも、全く別の土地や文化の中で生きてきたはず中国の現代女性たちの悩みが、
日本で生まれ昭和・平成・令和を生きてきた一女性である私と想いが繋がって、抱きしめたかった。
「家族って、好きとか嫌いとかそういう問題じゃない」と核心をついてくれるような、
この作品の温度感が、大好きだ。
―― 内田慈(俳優)


名もない家族のささやかな物語から、今の中国が抱える数多の課題が詳らかになる。
緻密に構築された脚本と演出、人生の機微を繊細に演じ切った俳優陣に脱帽!
静かにゆっくりと心が揺さぶられ、また人間が愛おしくなる。
―― 船越英一郎(俳優)

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ストーリー
広東市に住むジャーニーは、結婚を機に家を購入するかどうかで恋人・ジーユエンと意見が合わず、彼からのプロポーズの返事を先延ばしにしていた。
ある電話をきっかけに、ジャーニーは生家の家族と連絡が取れ、実父の葬儀へ参列することになる。初めて会う母、初めて会う二人の姉と弟。長女のウェンフォンは生家で過ごしてきたが、次女のシャオリーもまた養子に出されていたことを知る。
三姉妹は互いの心を癒しながら日々を過ごす。
時折、ジャーニーは幼い頃の養父とのささやかな時間を思い出し、家族や家のことを改めて考え始めるが、母が自分を探したのは、別の目的があったことを知る・・・。

『夏が来て、冬が往く』
出演:シュエ・ウェン チェン・ハオミン ゼン・ユンジェン ヤン・ハンビン ワン・ヤージュン
監督:彭偉(ポン・ウェイ)
製作:MICRO ENTERTAINMENT TIMES FILM CO. LTD.
エグゼクティブプロデューサー:王崇禮(ワン・チョンリー) 宋薇(ソン・ウェイ)
監修:楊世真(ヤン・シーヂェン) 宮澤誠一
プロデューサー:曹偉(ツァオ・ウェイ)
脚本:单雅莉(シャン・ヤリ)
2023年|中国|カラー|98分|ビスタ|5.1ch レイティング:G
配給協力:クロスメディア
配給:アークエンタテインメント
(C)MICRO ENTERTAINMENT TIMES FILM CO. LTD.

公式サイト:natsugakite-fuyugayuku.com
公式X:@natufuyu_movie
公式note:https://note.com/natsu_fuyu_movie

12月27日(金)より 新宿武蔵野館 ほか全国順次ロードショー

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