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『オフィサー・アンド・スパイ』巨大権力に立ち向かった男を演じたオスカー俳優、ジャン・デュジャルダンのインタビュー到着

オフィサー・アンド・スパイ
(C)Guy Ferrandis-Tous droits réservés

19世紀のフランスで起きた歴史的冤罪事件“ドレフュス事件”を映画化した、ロマン・ポランスキー監督最新作『オフィサー・アンド・スパイ』(6月3日(金)公開)より、巨大権力に立ち向かった男を演じたジャン・デュジャルダンのインタビューが到着した。

ドレフュスの元教官で、防諜の責任者ジョルジュ・ピカール中佐を演じるのは、オスカー俳優ジャン・デュジャルダン。フランス出身の49歳。スタンダップ・コメディアンとして名声を得た後、数作のテレビ・映画出演を果たし、『アーティスト』(11)では、カンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞、アカデミー賞主演男優賞など世界中の映画賞を総なめにし、高い評価を得た。その後も、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13)、『ミケランジェロ・プロジェクト』(14)など世界的に活躍、ヒゲの似合うダンディな佇まいは若き日のショーンコネリーを彷彿とさせ、大人の色気と気品を併せ持つ稀有な国際俳優の一人だ。

今回、デュジャルダンが演じるのは、対敵情報活動を率いるジョルジュ・ピカール中佐。スパイ容疑で投獄されたドレフュスの無罪を証拠づける真実を知り、もみ消しを図る巨大権力へと一人立ち向かう。

デュジャルダンは自身が演じた役柄について「私は彼の役割は知りませんでした。事件の間、ピカールは軍への忠誠心と真実の狭間に立たされます。当時のフランスは、カトリック信仰と反ユダヤ感情が支配的で、国は権力を手放すつもりはなく、軍隊が国の中心的地位を担っていました。ピカールは道徳的な良心と任務の義務を背負っていました。また、疑惑に打ち勝ち、真実のために自分のキャリアを犠牲にする勇敢さも持ち合わせていたのです。これまでにもドラマチックな役柄を演じてきましたが、このキャラクターは私に役者としての濃密さと機敏を与えてくれました。」と語る。

ポランスキー監督作への初出演については「ポランスキー監督は私が初めて出会った巨匠です。彼は、自身に求めるのと同じぐらいの極めて高い正確さを他人にも要求します。また、監督は美術を学んでいたこともあって、まるで絵画のように撮影をセットアップするんです。部屋のカーテンや森の中の枝など、細部まで完璧でなければいけません。さらに、撮影前に30回もリハーサルを行い、真髄に迫るのです。『戦場のピアニスト』と同様、彼の根幹をなす映画です。監督は自分の物語を生き、そこに私たちを連れて行ってくれる。私は物語に仕えるためにここにいるのです。」と語る。

最後に本作について「紛れもなく現代的な映画であり、スリラー、サスペンスでもあります。また、今の時代に必要とされる映画でもあります。アルフレッド・ドレフュスを支持したゾラの本を、人々が道の真ん中で燃やすシーンがあったのですが、このシーンは、ベーグルシュタインというパリにあるユダヤ人経営のパン屋に「Juden!(ドイツ語でユダヤ人)」という反ユダヤ主義者の落書きがされた二日後に撮影されたんです。映画全体を通して、反ユダヤ主義が様々な形で現代と響き合っていることに気付かされました。勇気と誠実さが感じられる、学校でも鑑賞されるべき作品だと思います。」と締めくくった。

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<ドレフュス事件>
1894年、フランス。ユダヤ系のドレフュス大尉がドイツのスパイとして終身刑に処せられる。1896年に真犯人が現れるが軍部が隠匿。これに対し小説家ゾラや知識人らが弾劾運動を展開し政治的大事件となった。1899年、ドレフュスは大統領の恩赦により釈放。1906年に無罪が確定した。2021年10月には本国で、その生涯に敬意を表するドレフュス博物館が開館。マクロン大統領も来訪し「記憶伝承の場」と世界に訴えた。

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