台湾アニメ史上初の快挙を更新し続ける傑作!『幸福路のチー』日本公開&邦題が決定、キック・オフイベントレポートも到着

幸福路のチー

東京アニメアワードフェスティバル2018(TAAF2018)で上映されるやいなや感動の声が溢れ、⾒事⻑編グランプリを受賞した「幸福路上/On Happiness Road」(原題)。アニメーション産業不⽑の地と⾔われる台湾から彗星の如く登場した本作は、その後も中国語映画の台湾アカデミー賞⾦⾺奬で2018年最優秀アニメーション映画賞を受賞するなど、数々の国際映画祭で賞賛され台湾アニメーション史上初の快挙を塗り替えている傑作である。この度、日本公開を求める熱心なサポーターの声と応援もあり、ついに2019年晩秋より日本公開が決定し、邦題『幸福路のチー』として、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次ロードショーとなる。

『幸福路のチー』は、台北郊外に実在する「幸福路」を舞台に、祖⺟の死をきっかけに故郷に戻った主⼈公チーが、幼い頃の思い出とともに⾃分を⾒つめ直す姿を描いた感動作。素朴で温かみのあるアニメーションで描かれる友⼈や家族との懐かしい思い出、⽼いていく親と⼤⼈になった⾃分の葛藤など、誰にも⾝に覚えのある普遍の感情は、性別、国籍、年齢などの壁を越え批評家を含む多くの観客の心を掴み、号泣必至と話題を呼んだ。⼀⼈の⼥性の⽣き⽅と共に、映画では、蒋介⽯の死、市⺠と学⽣が⽴法院を占拠したひまわり運動、1999年台湾⼤地震など、戒厳令時代を経て⺠主化した現代台湾の⼤きなうねりも描かれる。主⼈公の声は日本でも⼈気の⾼い『藍⾊夏恋』のグイ・ルンメイが担当。そして台湾のトップアーティストであるジョリン・ツァイが歌う主題歌がエンドロールで深い感動を残している。

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映画『幸福路のチー』キックオフイベントレポート

日時:3月16日(土)
会場:台湾⽂化センター(⻁ノ門)
登壇者(敬称略):ソン・シンイン監督、中村誠監督

3月16日(土)、〈拡福隊〉を含めた本作を応援するファン50名を招いた、『幸福路のチー』キックオフイベントが台湾⽂化センター(⻁ノ門)の協⼒のもとで開かれた。昨年の東京アニメアワードフェスティバル2018以降、本作に魅せられたファン達が〈拡福隊〉を結成。SNSで日本公開への応援活動を続けてきた。会場には東京アニメアワードフェスティバル2019の審査員として来日中のソン・シンイン監督も急遽来場。『幸福路のチー』を鑑賞し、監督の熱い思いをきいた会場は感動に包まれ、劇場公開までの気持ちをひとつにした決起集会となった。

また、イベントでは決定したばかりの邦題の発表に続いて、Makuake(マクアケ)でのクラウドファンディングプロジェクトも発表。ソン監督が開始ボタンを押し、プロジェクトがスタートした。京都に留学経験のあるソン・シンイン監督を、思い出深い留学先の京都と東京の⼆箇所へ凱旋来日させ、特別先⾏上映付きトークイベントを開催するための資⾦を募っている。
▼台湾アニメ『幸福路のチー』劇場公開を盛り上げたい!ソン監督応援プロジェクト
https://www.makuake.com/project/onhappiness2019/

トークイベントでは、ソン監督と共に、『幸福路のチー』の提供会社のスタッフであり拡福隊の⼀員でもある中村誠監督(『ちえりとチェリー』『チェブラーシカ』)が登壇。中村さんが、「どうして50歳近いおじさんの僕が、この『幸福路のチー』でこんなに泣いてしまうんでしょう?」とソン監督に尋ねると、「実は台湾で初めて上映したときも中年の男性が皆、号泣していた。マーケティングでは⼥性向けと思っていたからとても驚いて、どうして泣いたのかお客さんに直接訊いたんです。そうしたら『この映画が、今まで自分が歩んできた人生を肯定してくれた気がした』と言ってくれてすごく嬉しかった」。ソン監督は続いて、「世界各国の映画祭に呼んでもらったのですが、国籍、年齢、性別がばらばらの人たちから、『自分の⼀部がこの映画にあると思った』と言ってもらいました」。このソン監督の言葉に、会場はまた深く共感していた。

ソン・シンイン(宋欣穎 SUNG Hsin-Yin)監督プロフィール
1974年台北生まれ。京都⼤学で映画理論を学んだ後、コロンビア・カレッジ・シカゴで映画修⼠号を取得。映画監督になる前の彼⼥は、新聞記者、TVドラマの脚本家、写真家、そして京⼤留学時には京都カラオケ店の店員など、さまざまな職業を経験。監督としては「The Red Shoes」、「Single Waltz」などの短編実写映画を経て2013年、自⾝初のアニメーション作品となる12分の短編『幸福路上』を制作。台北映画祭にてベストアニメーション賞を獲得。そしてこれを基に4年の歳⽉をかけて⻑編『幸福路のチー』を完成させる。現在、初の実写の⻑編作品となる「Love is a bitch」を制作中。なお、作家としても、京都滞在時の体験をもとにした短編⼩説集「京都寂寞」を刊⾏している。

ソン・シンイン監督のココに注目!
これまで実写映画を撮ってきたソン監督だが、本作『幸福路のチー』では初めてアニメーションに挑戦。この映画にはアニメーションという表現媒体が適していると考えたからだ。しかしながら、台湾はアニメーション不毛の地と呼ばれ、アニメーション産業の土壌が整っていない。そこで台湾に自らアニメスタジオを立ち上げ、資金集めにも奔走、日本円にして2億以上の製作費を集め本作を完成させた。こうして出来上がった『幸福路のチー』は、東京アニメアワードフェスティバル2018でグランプリを受賞した他、シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭2018長編コンペティショングランプリ、オタワ国際アニメーション映画祭2018長編コンペティションスペシャルメンションなど、国際的にも多くの賞に輝いた。

ストーリー
 故郷に戻った私が出会ったのは、あの日のワタシだった――。
台湾の田舎町で必死に勉強した後、アメリカに渡って成功を収めたチー。ある日、祖母の死の知らせを受け、長く帰っていなかった故郷、幸福路へ戻る。子どもの頃の懐かしい思い出とともに、チーは人生、そして家族の意味を考え始める。老いていく親、大人になった自分。「あの日思い描いた未来に、私は今、立てている?」そして新たな人生の岐路に立つチーが出した答えとは?

作品タイトル:『幸福路のチー』
声の出演:グイ・ルンメイ(『海洋天堂』『薄氷の殺人』)、ウェイ・ダーション(『海角七号 君想う、国境の南』監督)
監督:ソン・シンイン
台湾/101分/2017年/中国語
提供:竹書房、フロンティアワーク
配給・宣伝:クレストインターナショナル

コピーライト:(c)Happiness Road Productions Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.

2019年晩秋 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開!

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