ソフィア・コッポラが描く魅惑と波乱のラブストーリー『プリシラ』ポスタービジュアル&予告編解禁

プリシラ

ソフィア・コッポラ監督最新作『プリシラ』(4月12日(金)公開)のポスタービジュアルと予告編が解禁された。

本作は、エルヴィス・プレスリーと恋に落ちた少女プリシラがたどる魅惑と波乱の日々を、プリシラの視点で繊細に美しく描く物語。

今回解禁されたポスタービジュアルは、プリシラ(ケイリー・スピーニー)とエルヴィス(ジェイコブ・エロルディ)の結婚式を再現したワンシーン。誓いのキスを交わす二人に、ブルーの英語ロゴが美しく映える。そして「恋と孤独で着飾っていた」というコピーが、14歳でスーパースターと恋に落ち、セレブの世界に足を踏み入れ、華やかな日々を送る中で感じたプリシラの気持ちを物語っている。

実際の結婚式(1967年5月1日)でプリシラが着用したウェディングドレスは、デパートで購入した既製品だったとアメリカではよく知られているが、本作ではファッション・アイコンでもあるコッポラ監督がシャネルの人脈を活用。衣装担当のステイシー・バタットがシャネルとともにウェディングドレスを制作し、「形は本物のドレスと同じです。ヴィルジニー・ヴィアール(2019年からシャネルのクリエイティブディレクター)の現代的なレース細工の影響を受けています」と明かしている。コッポラ監督は「ドレスのお披露目の日はとても興奮しました。すべてハンドメイドのレースで、最高にゴージャスです。これに身を包んだケイリーには目を奪われました」と振り返っている。

一方、エルヴィス役ジェイコブのタキシードは、イタリアのファッションブランド、ヴァレンティノとコラボした1着。バタットは「目を見張るような出来栄えで、ふたつの老舗高級メゾンと仕事ができて、とても光栄です」と語り、本作の世界観に彩りを添えている。

あわせて解禁された予告編は、スペクトラムの“How You Satisfy Me”が流れる中、エルヴィスの大邸宅グレースランドのカーペット、赤いルージュの唇、そしてプリシラの象徴でもあるつけまつげをつけるシーンから始まり、初恋の回想へ。「エルヴィスは好き?」と声を掛けられたプリシラは、パーティでエルヴィスと初めて出会う。「もっと君のことを教えて」と恋に落ちていく二人。そして「なぜ、うちの娘なのだ」と心配するプリシラの父親をよそに、プリシラはセレブの華やかな世界に身を投じ、二人は結婚する。

しかし、本来のエルヴィスの姿をより深く知るにつれ、「本当の彼を皆は知らない」とプリシラは孤独を感じ、エルヴィスの浮気話に戸惑い、二人の溝は次第に深くなる。やがて彼の色に染まっていくことが幸せだったプリシラは、いつしか「自分の人生を歩みたい」という自分自身の気持ちに気づいていく――。

「プリシラの物語を初めて読んだとき、普通と全然違う状況なのに、こんなにも共感できることに衝撃を受けました。私たちは彼女をエルヴィスの隣にいる印象的な人物として見ているけれど、それ以上のことは知らない。私はもっと語るべきストーリーがあるはずだと感じたのです」というコッポラ監督の意思が垣間見える予告編となっている。

本作の音楽を手掛けたのは、コッポラ監督の夫トーマス・マーズのポップロックバンド、フェニックス。50年代、60年代、70年代の影響を自分たちのサウンドに落としこみ、新しいものを作りあげ「映画では当時の音楽も最近の音楽も使っている」という。コッポラ監督が描くプリシラの物語へ観客をさらに深く導いていく、こだわりの音楽にも注目だ。

シャネルやヴァレンティノが彩るとびきり甘美なシンデレラストーリーのなかに、コッポラ監督がこれまで描き続けてきた人間の孤独や疎外感といったビターなエッセンスを潜ませた本作は「ソフィア・コッポラ 最高傑作」(Rolling Stone)、「First Loveの素晴らしさを描いてる」(Littie White Lies)と評価され、昨年秋、全米ではA24が配給。そのファッション性と話題性で多くの若い女性客を魅了し、『ロスト・イン・トランスレーション』(03)、『マリー・アントワネット』(06)に次ぐ大ヒットとなった。

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