『プリシラ』ソフィア・コッポラ監督のインタビュー映像解禁「プリシラの人生をどう伝えるか、興味深い挑戦だった」

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ソフィア・コッポラ監督

映画『プリシラ』(公開中)より、監督を務めたソフィア・コッポラのインタビュー映像が解禁された。

『ロスト・イン・トランスレーション』(03)でアカデミー賞脚本賞・ゴールデングローブ賞脚本賞ほか、『SOMEWHERE』(10)でベネチア国際映画祭金獅子賞、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(17)でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞するなど数々の賞に輝き、ファッション・アイコンとしても世界に注目されるソフィア・コッポラ監督。その最新作は、エルヴィス・プレスリーと恋に落ちた少女プリシラがたどる魅惑と波乱の日々を、プリシラの視点で繊細に美しく描く物語。

日本でも女性層を中心に世代を問わず多くの観客が来場し、公開後SNS上では「ソフィア・コッポラの真骨頂!」「孤独と痛みを伴う少女の成長物語。プリシラを演じるケイリー・スピーニーが素晴らしい」「小物や美術、音楽、ファッション含め、スクリーンに映し出される甘美な世界観 ソフィア・コッポラらしい甘くて優しいけどほろ苦い映画」など、ソフィアの世界観に魅了された観客からの声が寄せられている。

今回公開されたのは、プリシラ・プレスリーの回想録「私のエルヴィス」を読み、彼女のグレースランド(エルヴィスの大邸宅)での体験に心を動かされたというソフィア・コッポラが本作に込めた思いやこだわりに迫るインタビュー映像。

「プリシラの人生を凝縮してどのように伝えるか、非常に興味深い挑戦だった」と語るソフィアは、「14歳の頃から成長していく過程が、本人の目にどう映っていたのか。彼女自身の視点から創造的な方法で捉えたかった」と明かし「グレースランドに来てから去るまでの期間を中心に展開させていった」という。

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メイキング写真
ジェイコブ・エロルディ、ケイリー・スピーニー、ソフィア・コッポラ監督

そして、「彼女の人生は ある意味、数奇であると同時に、女性なら誰もが経験するような普遍的な面も多い。初めてのキスや子供を産んで母親になるというようにね。エルヴィスがツアーに出ても、彼女は子供と家に残されるということも。彼女のそういった人間的な側面や関係の浮き沈みをリアルに描きたかった」と思いを語る。

またソフィア・コッポラ作品の特徴である女性的な色使いが、本作においてもメイクやネイル、調度品などに反映されているという指摘については、「世界観の構築は私にとって非常に重要」としたうえで、「60年代のメンフィスといえば、毛足の長いラグを思い浮かべる。ラッキーなことに写真や映像が豊富に残っている。当時の色使いは今とは違うから当時の色彩で再現するのは楽しい。あの時代に観客を引き込みたい」と笑顔で説明。

さらに「50年代~60年代にかけてのプリシラの変化や(彼女が暮らしていた)暗いドイツとの対比も表現したかった」と話し「グレースランドは色鮮やかで、魔法の国のように見える。人生の新たな章の始まりに、新たなスタイルを見出していくの」と語る。ソフィア・コッポラの世界観に欠かせない色彩へのこだわりも垣間見られるインタビューとなっている。

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