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映画『世界が引き裂かれる時』6/17(土)より公開!冒頭映像解禁&加藤登紀子ら著名人からの推奨コメント到着

ウクライナ映画『世界が引き裂かれる時』が6月17日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開される。この度、本作の冒頭映像が解禁され、併せて著名人からの推奨コメントも到着した。

この度解禁するのは、出産を間近に控えた夫婦が住む家の壁に、突然大きな穴が空いてしまう衝撃的な場面をとらえた冒頭映像。静寂に包まれた明け方の寝室。出産を間近に控えた妻イルカと彼女を心配する夫トリクの夫婦が何気ない会話を交わす、一見微笑ましい場面から始まる。

本作の舞台は、ロシアとの対立、紛争が続く2014年のウクライナ・ドンバス地方。妻を気づかい、戦争のない平和な場所で子供を産んでほしいと考えるトリクは、イルカを病院に連れて行こうとしている。しかし次の瞬間、この穏やかな風景が一変。突如、轟音と爆風が襲う。そして、ゆっくりとカメラが動き、部屋の様子が映し出される。安全地帯だと思っていた家の壁が崩壊し、大きな“穴”が空いてしまった。何気ない日常と戦争が隣り合わせにある避けられない不条理さを如実に切り取ったシーンである。この先に待っている夫婦の運命はどうなるのか、本編が気になる映像だ。

また、公開に先駆けて本作を鑑賞した各著名人から推奨コメントが到着。歌手の加藤登紀子は「言葉が見つからない。ただもう凄い映画です」と率直な感想を寄せた。アニメーション監督の片渕須直は「どんな結末ならばこの物語の人々にとっての救いとなるのだろうと考えながら見続けて、自分たちの非力さを痛く感じた」と、戦争の圧倒的な力に為す術もない人間の非力さについて思いを綴った。2022年3月より、ロシアのウクライナ侵攻を現地で撮影している写真家の児玉浩宜は「広大な土地をとらえた詩的映像のなかで、人々の心に静かに巣食う虚しさと主人公・イルカの情動が見るものの心に突き刺さる」と、本作の見どころの一つであるワイドスクリーンの中で映し出される広く美しい風景と、ウクライナの地で子どもを産もうとする主人公イルカについて触れた。「ゲンロン」代表の上田洋子は「寓話的なタッチが、しみじみと恐ろしい映画である」とコメント。ミリタリー、ソ連およびロシアなどを題材とした作品を制作している漫画家の速水螺旋人は「普段の生活は多様な彩りでできあがっている。それをたったふたつに分けてしまうのが戦争だ」と戦争の恐ろしさについて言及した。

目次

推奨コメント(敬称略/順不同)

加藤登紀子(歌手)
言葉が見つからない。ただもう凄い映画です。
農家の夫婦の普通の暮らしの真っ只中に戦争が飛び込んでくる。
その普通さと異常さが見事に描かれている。2014年にウクライナの東部、ドンバスで本当に起こったこと。
それから9年、今がどんなことになっているのか、ただもう胸が痛いです!

片渕須直(アニメーション映画監督)
どんな結末ならばこの物語の人々にとっての救いとなるのだろうと考えながら見続けて、自分たちの非力さを痛く感じた。
映画を見終えてもまだ本当の結末を知ることはできない。描かれるのは、2014年ウクライナ東部ドンバスなのだから。
今もなお矛盾のただ中にある。

児玉浩宜(写真家)
平穏な暮らしに、にじり寄る狂気に満ちた現実。
広大な土地をとらえた詩的映像のなかで、人々の心に静かに巣食う虚しさと主人公・イルカの情動が見るものの心に突き刺さる。
これらの物語の続きが、いまある『世界』なのだと痛感する。

上田洋子(「ゲンロン」代表)
ウクライナの田舎の、だだっ広い風景。空と大地のコントラストがとても美しい。
人間の愚かさが調和を乱し、風景は不安定になる。
世界を乱すのは決まって人間だ。寓話的なタッチが、しみじみと恐ろしい映画である。

速水螺旋人(漫画家)
普段の生活は多様な彩りでできあがっている。
それをたったふたつに分けてしまうのが戦争だ。敵と味方、生と死。
乱暴にも土足で、断りもなく。そのとき僕は彩りを守ることができるだろうか。
崩れた部屋を掃除し、レンガを積み直すように。

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