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『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』「もっと自由に生きたい」宮本茉由演じるかず子が強い決意語る本編映像解禁!―本日公開

鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽

本日11月4日(金)、初日を迎えた映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』より、物語の最重要シーンとなる本編映像が解禁された。

「人間は恋と革命のために生れてきた」―太宰治の名言が刻まれた名著「斜陽」執筆75周年を記念した本作。ヒロインのかず子を宮本茉由、彼女が想いを寄せる売れっ子作家を安藤政信が演じ、戦後の日本を舞台に“恋と革命の物語”が綴られる。

映像は、二人が酒を飲み交わすシーンから始まる。険しい顔で酒杯を煽る姿に、「ずいぶん召し上がるのね。毎晩ですの?そんなにおいしいの?お酒が」と飲み続ける男を気遣うかず子。朝から飲んでいる彼は、「不味いね。ちっともうまくねえ」とこぼす。執筆途中の原稿に目をやったかず子は、「よくお仕事ができるわね。たくさん書いていらっしゃるんでしょう」と文学雑誌を手に取る。「いくら書いてもみんな駄目だ。ばかばかしくて、哀しいね。まあ、もうどっちみち長いことないしな」と酒に蝕まれた我が身を自嘲した上原は、「俺の話なんかつまんねえ。あんたの話聞かせてくれ」と横になる。「興味がありますの、そんな事に?」と応じたかず子に、「ああ、大ありだ。日本中がひっくり返り、社会の上下、金持ちと貧乏が入れ代わったんだ。あんたの生活だって、大変だろう」と、終戦によって起こった格差社会で没落貴族であるかず子の体験は「小説のネタになるかもしれない」と伝える。

東京から西伊豆へと都落ちした島崎家の生活は、病に伏した母と薬や酒に溺れお金を持ち出すだけの弟 直治を抱え、このままでは困窮した生活を免れないかず子。「金が必要なのか」という問いには、毅然と「いいえ、お金なら私がお金持ちのおじいさんと結婚すればいいんです。いざとなれば何とかなりますわ」と答える。お金ではないならば何が必要なのか。更に問われたかず子は、「それが何なのか、私にもよく分かりません。このまま伊豆にいて、そしてだんだん年を取って行く生活には、我慢出来ません。もっと、自由に生きたいの」と、激変した環境の中でも真っ直ぐに生きる強い決意を、上原の瞳を見つめて言葉にする…。

戦後に日本を包み込んだ混沌の中で、没落貴族となったかず子は、出版当時流行後となった「斜陽族」そのものだが、どんな環境であっても“真っ直ぐ”生きる強い意志をもった女性だ。執筆から75年、太宰治が書いた希望の物語を、ぜひお楽しみいただきたい。

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