ドキュメンタリー映画『歌と羊と羊飼い』が本年10月から東京・ユーロスペース他にて劇場公開される。
監督は、ベトナム人青年と日本人青年の結婚式を描いた『ぼくと、彼と、』(2019年)、クレイジーケンバンドの聖地・伝説のライブハウス『FRIDAY』(2020年)などのドキュメンタリー映画を手掛ける四海兄弟。
本作は、スペイン出身のゴスペルシンガー(MARISA)はじめ、全国ゴスペルコンテストの頂点を目指す少女たち(眞塩藍咲、HIKARU)、米国黒人教会で活動していた牧師(Rev.Taisuke)、ゴスペルに真摯に向き合うミュージシャンたち(遠谷政史、大山小夜子)、ゴスペルに出会い変わっていく主婦(杉本民奈子)の姿を追いながら、「歌」「生きること」を描いたドキュメンタリー作品となっている。
ゴスペル音楽は黒人教会にルーツを持ちキリスト教と密接な関係にある。日本のゴスペル人口は約20万人、そのうち90%以上がノンクリスチャン、無宗教の人々がゴスペル音楽に親しんでいる。
このような現象は世界にもあまり類を見ない。
なぜ、無宗教の日本人が宗教音楽のゴスペルを歌うのか、本作では個々人の経験・インタビュー・活動を追いながらその一端を明らかにもしている。
本作の見どころは何といっても、我々が普段目にすることのない洗礼シーンである。日本でも珍しい海での、貴重な洗礼シーンが撮影されている。
また、作品内では、昨年8月に急逝したシンガー・松谷麗王の貴重なインタビュー映像や彼が率いるPencil Bunchの姿も撮影されている。
松谷麗王は、日本のゴスペルレジェンド亀渕友香に師事し、次世代のゴスペルリーダーと目されていたゴスペルアーティストである。彼の急逝は多くのゴスペルファンに悲しみを持って伝わった。
製作総指揮は、日米のゴスペルを追ったドキュメンタリー『GOSPEL』(監督:松永大司|2014年)のプロデューサーを務めた飯塚冬酒。
自身がゴスペルを歌うことなく、どこのゴスペル派閥にも属さずに14年続く日本最大のゴスペルイベント「横濱ゴスペル祭」を作り上げた、日本のゴスペル界では稀有な存在でもある。
本年初秋~劇場公開予定に先駆けて、日本最大のゴスペルイベント「YOKOAHMAゴスペルフェスティバルVOL.14 横濱ゴスペル祭2021」(2021年8月29日開催|神奈川県民ホール)にてプレミア上映を予定している。
作品タイトル:『歌と羊と羊飼い』
出演:眞塩藍咲 / HIKARU / MARISA / 杉本民奈子 / Rev.Taisuke / 遠谷政史 / 大山小夜子 / Pencil Bunch(松谷麗王 / KIWA / 綿引京子 / 平田ゆり)
千代延大介(サルーキ=) / Timothy Riley / Steven MacCaster
鈴木智晴 / 松枝利育 / 河崎将己
監督:四海兄弟
製作総指揮:飯塚冬酒
撮影:長棟航平 / 中田敦樹
音楽:伴正人
整音:東凌太郎
2021年|56分40秒
製作・配給:ガチンコ・フィルム